愚者の棺
ぐしゃのひつぎ
アニメ『トロピカル〜ジュ!プリキュア』に存在するアイテムで、あとまわしの魔女たちの目的の要を担う存在。
第17話におけるバトラーの言葉によると、「魔女の館にある器がやる気パワーで満たされた時に〈愚者の棺〉が解放され、その力によってあとまわしの魔女の望みが叶う」としていた。
第37話で人魚の女王メルジーヌから明かされた秘密によれば、愚者の棺は「人魚の間に伝わる秘宝であり、この棺をやる気パワーで満たせば“不老不死”を得られる」……らしいとも判明した。
同話では魔女自身が自分の目的を「永遠のあとまわし」なる独特の言葉で語っている。
第22話では「昔にあとまわしの魔女の他にも、この〈愚者の棺〉の解放を狙ったならず者が存在していた」「その目的のためにやる気パワーを溜め込んでいた『杯』が、棺の解放を阻止しようとした人魚によって隠されてしまったため、〈愚者の棺〉の解放はならなかったのだ」などの事実も明かされる。ちなみにその人魚の正体は若かりし頃のメルジーヌである。
その『杯』が隠された場所はまなつの故郷である南乃島の洞窟なのだが、第23話でエルダによって偶然その杯は回収され、あとまわしの魔女は杯に残されていた大量のやる気パワーを入手するに至った。
尚、〈愚者の棺〉が開かれれば、チョンギーレ・ヌメリー・エルダの3人の召使い達も、魔女と同じ「『不老不死の恩恵』にあやかれる約束」になっている。ただ、彼ら3人が不老不死を得たがっている動機は「みんなで死ななくなれば働かなくてもよくなる」との極めてしょうもないものである(ただし、エルダについては「大人に成長せずに永遠に子供でいたい」真剣な野望も含まれている)。
だが、〈愚者の棺〉の実態はそんな安楽で怠惰な理想を叶える道具等では無かった……
第43話で遂に登場。巻き貝に近い形をした不気味でグロテスクな外見をした箱で、その実態は地球の全ての命を奪い、それを対象者に与え不老不死にするとんでもない代物であった。
つまり、この棺を開けた者は全ての命が絶えた死の星で、永遠に1人で生きていかなくてはならなくなる状況に陥り、まさに〈愚者の棺〉の名に相応するおぞましい呪物である。
2021年9月号アニメージュの村瀬亜季プロデューサーのインタビューにて「開封してはいけないもの」と語られていたのも当然の話である。 参考:許しの輪
それ故に愚者の棺の解放は世界が滅ぶと同義であり、そうまでして魔女が愚者の棺で叶えたい願いの詳細は第44話で明かされた。
終盤バトラーから真相を聞かされたチョンギーレ・ヌメリー・エルダも迷わず反旗を翻すのだった。
わだかまりを解消し、自らの使命と「永遠のあとまわし」の執着を魔女が放棄したものの、直後に彼女への暴走した忠義を持つバトラーの手に渡り、敗北して尚も諦めなかった彼が自らのやる気パワーを贄にして遂に起動。
世界中の生命を吸い尽くす光線を発射するが、発射直後にキュアラメール達が射線上へ立ち塞がり、完全修復されたマーメイドアクアポットで、光線の元であるやる気パワーを全て吸収しきったため事なきを得た。
最終的には無理やりやる気パワーを吸い出した反動による故障か、光線を出しきった〈愚者の棺〉はオーバーロードで壊れてしまい、半壊した屋敷を消し飛ばす程の爆発を起こして、この世から消滅した。
結局、愚者の棺に本当に対象者を不老不死にする力があったのか、また、複数の対象者を不老不死にする力があったのかはもはや永久に謎である。
許しの輪:封印されていた理由が愚者の棺が開封してはいけないものである理由と概ね同じだが、百害あって一利なしの極地たる愚者の棺と違い、このアイテムの効果はその逆で……