忠臣蔵
ちゅうしんぐら
江戸時代前期に起こった「元禄赤穂事件」を題材とした歌舞伎・文楽作品「仮名手本忠臣蔵」の通称、転じて同事件に題材を取った創作作品の名。同事件そのものを指すこともある。
討ち入りの翌年には既に事件をモチーフにした作品が現れたということだが、さすがにだいたいこいつのせいな将軍が生きていた間には色々とはばかることもあり、作品としての「忠臣蔵」が完成したのは50年近く後。もちろん時代背景と登場人物は、それとなく分かるレベルだが別の時代と名前になっており、吉良本家が断絶し(当時存続していたのは分家の系統)、例の将軍も直系子孫を残さなかったせいもあるのか、その程度のごまかしでも当局はスルーした。
そして、討ち入りの本筋以外にも、歌舞伎だけでなく講談や落語にまで、莫大な量の派生作品が登場。「お軽勘平」などの周囲の人物を描いたものはもちろん、「四谷怪談」もこっそりと関連しているほどの、傍から見るとかなりの無節操ぶりである。
とはいっても歌舞伎作品の場合、「通し狂言」と称して朝から夕方まで多数の演目を1つに(結構強引に)まとめるために、事件そのものが当てはまるジャンルである「時代物」だけでなく、生活に密着した「世話物」も必要だったからである。
そして、明治時代以降には、実際の歴史と人物にのっとった作品、「それは本当に忠義なのか」との疑問から再検証した作品、吉良側の視点から構成した作品、別の時代背景を使用した翻案、パロディ、現代劇や映画やテレビドラマや漫画などの「忠臣蔵」などが続々と現れている(そもそも、討ち入りを行なった47人の呼び名である「赤穂浪士」そのものが、元々は1920年代に書かれた「それまでの『忠臣蔵』の批判的再解釈」を行なった小説のタイトルである)。
かつては年末年始に必ずどこかの民放が時代劇特番として放送しており、日本のテレビにおいて一種の風物詩として知られていたが、2000年代後半以降は放送が減少傾向にある。
これは、1990年代後半以降から続くテレビ時代劇全般の低迷に加え、元となった赤穂事件に関連した資料の発掘が進み、それまで悪役と見なされていた吉良義央(上野介)が名君であったことなどが知られて評価が上がった一方、浅野長矩(内匠頭)については性格や精神面などに問題を抱え為政者として疑問符が付く人物だったこと(長矩の祖父・長直の頃から赤穂藩と関係がある山鹿素行も長矩の治世を批判している)が判明し、それまで忠臣蔵を支えていた勧善懲悪の図式が崩れたことが大きい。
また、平成中期以降においては赤穂浪士による吉良邸の討ち入りがテロ行為であるとの認識が一般化し価値観が変化したことも大きな理由としている(なお、赤穂事件についても荻生徂徠など、当時の文化人からもテロ行為と批判する例も見られた)。
本作はあくまで事件を脚色した演劇であり、史実との整合性については二の次となっている。
詳細については当該記事に譲るが、事件内容と現在で判明している史実に乖離が生じており、特に浅野内匠頭と吉良上野介の対立関しての公的記録にその旨が見られる。
もっとも物語の芯は、「善悪の真偽」ではなく「家臣が臥薪嘗胆の末に仇討ちを果たす」という江戸っ子の大好物である「粋といなせ」の詰まったロマン溢れる筋書きである。
そこに寄せてストーリーが展開される都合上、この時代に発展した多くの歴史創作に倣ってより娯楽性を強めて書かれたのは当然のことだろう。
何より事件の発端である「松の廊下での刃傷沙汰」については、今なお不可解な点が多いため、事実関係を明白にすることは困難である。
そうした点を踏まえ、いろんな観点から楽しめるのが、『忠臣蔵』の真の魅力なのかもしれない。
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