大紅蓮氷輪丸
だいぐれんひょうりんまる
「十字の華は 氷輪丸の紋章だ」
能力解放と共に、斬魄刀を持った腕から連なる巨大な翼を持つ西洋風の氷の龍を日番谷自身が纏い、背後に三つの巨大な花のような氷の結晶が浮かぶ。このとき刀身の鍔が微妙に変化し、元々の鍔に少しずらした鍔が重なっているような形状となっている。
初登場は尸魂界篇だが、この時は対戦相手がよりによって、あの藍染惣右介であったため能力は殆ど披露できなかった。
実質的な初披露は破面篇のシャウロン・クーファン戦である。
天候を支配する基本性能【天相従臨】(てんそうじゅうりん)がパワーアップ。
制約やデメリットが多く扱いづらい卍解が多く隊長格であっても使わないケースが多々ある中、この卍解はそのような欠点が全く無いため、比較的気軽に使えるのが強み。
ただしその規模ゆえに日番谷が気をつけなければ仲間を巻き込むリスクはある。
実際、十刃のティア・ハリベルと戦った際は、負傷した味方を巻き込まないよう、花弁を半分ほど散らせて
力をセーブしてから技を出している。
破面篇にて戦ったシャウロン曰く、日番谷自身がまだ幼く卍解も未熟である。
水分を操るという関係上、圧倒的熱量で空気を異常乾燥させる残火の太刀は天敵。
ただ、上記の通りこの時は卍解は未熟で未完成なうえ、斬魄刀を道具扱いするような滅却師が使用していたため(しかも奪った直後なので修練しているはずもない)氷輪丸との信頼関係もなく、斬魄刀自体は殆ど性能を発揮できていなかったと思われる。
また、勘違いしているものが多いが、氷輪丸の能力は溢れた霊圧が創り出す水と氷の竜とされているので、大気の水分からではなく、所有者の霊圧から氷を作っている。
そして氷輪丸自身も天候(言い換えるなら大気)を操る天相従臨の力を持っているため、使用者の霊圧が拮抗していたら、対処できる可能性は高い。
後ろにある氷の華のような結晶が散ったら卍解が切れると思われていたが………
最終章での日番谷は「卍解の修行を完成させた」と述べている。
氷雪系最強の肩書に違わず多彩な技を多く持ち、彼にとっては大気の水分全てが武器。
しかしその威力ゆえに仲間を巻き込むリスクもあり、日番谷は全力を出すことをためらっている。
劇中では氷に閉じ込めて勝利かと思われた後、なんらかの理由で脱出されてしまい勝ちきれていないパターンが多い。
- 竜霰架(りゅうせんか)
刀で貫いた相手を十字架型の氷塊に閉じこめ、砕く。
シャウロン戦で使用。
- 千年氷牢(せんねんひょうろう)
無数の巨大な氷柱を敵の周囲に発生させ、閉じ込めて一気に圧砕する。
ルピ戦で使用。その後、ルピは反膜(ネガシオン)で助けられてリベンジを誓いつつ撤退した。
- 残氷人形(ざんひょうにんぎょう)
氷で自身の分身を作り出す。死覇装の皺など、細かな部分も精巧に作成可能。
ハリベル戦で使用。
原作では技名はない。
- 郡鳥氷柱(ぐんちょうつらら)
無数の氷柱を群鳥のように敵に飛ばす。
ハリベル戦で使用。
- 氷竜旋尾(ひょうりゅうせんび)
氷で形成された斬撃を敵に向けて放つ。相手が初撃を上空に避けた場合でも、氷の斬撃を上空にいる相手に放つ氷竜旋尾・絶空(ぜっくう)のコンボに繋げることが出来る。
ハリベル戦で使用。
- 氷天百華葬(ひょうてんひゃっかそう)
天相従臨によって発生させた雪雲に穴を空け、触れたものを瞬時に華のように凍りつかせる雪を降らせる技。本人曰く、「百輪の氷の華が咲き終える頃には相手の命は消えている」とのこと。降雪に触れただけで凍るために回避が困難な技。
天候すら支配し仲間を巻き込むリスクもあるが、本人曰く「後ろの氷華が半分ほど散ったおかげで、制御し切る自信がなかった心配も杞憂に終わった」とのこと。
ハリベル戦で使用。ハリベルを氷漬けにしたが、ワンダーワイスのヴァヒードであっさり氷を砕かれ脱出されてしまった。
- 蒼都を戦闘不能にした技(名称不明)
奪われた卍解を取り戻した後、動揺している蒼都を氷の十字華結晶に閉じ込めた。
- 作者ファンクラブ回答によれば、氷輪丸の最終形態は日番谷をデザインした時には既に決まっていたとのこと。
- 蒼都がこの卍解を奪って使用した際には、背中の華の結晶は出現していない。
- 「大紅蓮」は、仏教における八寒地獄の一つ「大紅蓮地獄」から。この地獄におちた罪人は、きびしい寒気のために体が裂けて血を散らして“紅蓮”と化すことから。