夜神月
やがみらいと
「僕は新世界の神となる」
本作の主人公。
容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能、優れたコミュニケーション能力、抜群の演技力と社交性、手先が器用、超モテモテ、ガリ勉のテンプレでなく柔軟で機転が利くなどハイスペックすぎる人物。
このように超ハイスペックだが、能力を持て余し退屈していた。
内心はともかく、表面上では自分の優秀さを鼻にかけるようなことはせず、穏やかで真面目な優等生として過ごしていた。
また、父親は警察庁刑事局局長で日本捜査本部長でもある。このことからいわゆる警察官僚と呼ばれるようなエリートであり、家柄も良く、裕福なことがうかがえる。
更に、家庭も円満で全てにおいて恵まれていた。
幸福な環境、正義感の強い完璧な好青年だったのにもかかわらず、デスノートを拾ってしまったことがきっかけで段々歪んでいき、自ら幸せを手放していく……。
退屈しているものの何不自由ない生活を送っていたが、ある日人名を書いただけで人を殺害できるデスノートを拾ってしまう。
何気なくそのノートを使ったことで人を殺してしまった彼は、その後悩みぬいた末に、その天才的な頭脳を駆使して、デスノートを用いて悪人や犯罪者を死をもって裁くことを決意する。
最終目標として、犯罪の撲滅及び善人の救済を実現し、純粋に善なる者のみが存在しうる「新世界」を創造、引いては自身が新世界の神となることを至上命題として、本格的に行動を起こしたライトだったが、そんな彼の前に方向性は逆だが同じ天才であるLが現れたことで、彼との命を懸けた壮絶なバトルが始まる。
頭脳
作中トップクラスの頭脳を持ち、学年トップはもちろん、全国模試常に一位の秀才児で、日本一賢い大学と発言されている東応大学(現実世界では東京大学を指す)を首席で合格するほどの頭脳の持ち主。
頭の回転が非常に速く、敵を欺き、先の先まで計画することに長ける。リュークに「キャッチセールスの世界でも神になれる」と言われるほどの話術で相手を騙すのが上手い。
優れた推理力でヨツバ編でも大活躍、記憶力も常人を超越する程に高く自身が経験したすべての出来事を些細な事を含めて正確に覚えており情報収集や交渉も御手の物。
ただ学業に関しては地道に努力をしており、必ずしも都合良く暗記ができるとは限らない模様。
応用力も相当なものでバスジャックに床に落としたデスノートを触らせてリュークを幻覚として見せる、そしてビビってバスから降りたところで車に轢かれて死亡というシナリオをデスノートに書いたりもしたとこれに関してはリュークも簡単には思いつかなかった。
映画版では東大法学部で司法試験をわずか大学3年目にして一発で合格している。
デスノートを拾う以前にも父の捜査に助言をして幾つかの事件を解決しているらしい。
運動神経
中学2・3年でテニスの全国大会で優勝する程運動神経に優れている。3年の時の表彰式で「遊びは中学まで」と宣言。Lとプロ顔負けのテニスの試合をしたこともある。
容姿
髪の色はブラウンであり、目の色はブラウンである。
アニメではよく髪と目が赤い色に変化し、激しい二面性を強調している。原作者や作画担当者曰く「特に整った顔」。
作画担当のコメントに「無色透明の秀才タイプというと、自分ではこんな感じ(Quick Japan Vol.56)」「“秀才タイプの優等生”“優秀だけどちょっと突き抜けている”というキャラクター設定が、そのままコンセプト(HOW TO READ)」との記載がある。
公式のアニメファンブックでも「端正な顔立ち」と説明されている。
作中では東大生のモブにイケメンだと評価されたり、女子にやたらモテたり、一目惚れされたりなどデスノートでも数少ない公式美形である。
顔だけでなく、公式公認でスタイルにも優れている。また、ギャグキャラではないにもかかわらず顔芸に定評があるキャラクターでもある。
性格
紳士的で受け身な態度等、優等生気質な故に人望が厚い一方であらゆる面でずば抜けた才能を持つがゆえに、絶対的な自信を持ち、プライドが非常に高い。
常に冷静沈着で論理的であるが、自分の計画が失敗したり、他者から低い評価を受けたりすると逆上する。
特に後者の事象への耐性、端的に言えば『煽り耐性』は皆無に等しく(煽られる様な揶揄とは無縁な人生とそれに付随した根拠のある自信と自尊心のある人格形成を辿ったのも一因である)、この挑発や愚弄等に対する耐性の無さで窮地に追い込まれる事もしばしばで、最終的にはそれが敗北に繋がっている。
つまり、自信がある故の完璧主義者で非常に負けず嫌いであり、自分は優れていると自覚しているため、自分より格下と見なした連中に馬鹿にされるのが許せず、加えて勝負においても相手に自分が勝者であることを見せつけておかないと気が済まないほど自己顕示欲も強く、それが最後の最後で自分の首を絞めるようになった。
このように高慢で周りを見下しているが、表面上は好青年を演じており裏表が激しい。その二面性はデスノートを拾ってから強調され始めた。
元々は理不尽で腐敗した世の中を憎む正義感が強い生真面目な性格の好青年であり、他人に迷惑をかけ、善良な人々から幸せを奪う悪人が許せない性質を持っていた。
レムにも「夜神月は海砂と同じぐらい純粋なのかもしれない」と言われるほどである。
デスノートを手にしてからは徐々にその正義感をゆがめていき、自らの正義に逆らう者や邪魔になる者たちは容赦無く殺す独善的で身勝手な人格へと変貌していく。
序盤こそ罪悪感に打ちひしがれることもあったものの、保身のために日本に極秘捜査していたFBI捜査官全員を抹殺したのをきっかけに人間らしい良心が欠如してしまったらしく、以降はL一派や警察すら殺すことにもほとんど躊躇いを見せていない。
今まで完璧で挫折知らずのエリートだからこそ、人を殺してしまった事実を受け入れられず、あるいは警察官の子でありながら殺人者になってしまった現実から逃れたいが為、加えて真面目な性格故の極端な思考になってしまったという考察もある。
犯罪者といえど無差別に粛清している訳ではなく、殺人者であっても殺意のなかった者、誤って人を殺してしまった者、殺すだけの理由があると判断できるなど情状酌量の余地のある者、さらには冤罪の可能性がある者、交通事故などで人を死なせてしまった者(よっぽど悪質な違反は除く)は裁かないなど一定の基準は設けていた。そのため、腹心の魅上照が前科者や社会貢献を怠る者まで断罪しようとした際には否定的な態度を取り、キラはあくまで犯罪への抑止力であるべきと語っている。
自分が信じる正義を叶えるためなら最悪の場合、大切な妹や父親をも殺す覚悟を持っている。
また、猫かぶりの達人で慢性的に平然と嘘をつき、口が異様に上手い、と、ここだけ聞くと生来のサイコパスとしか思えないような性質を持ち得ているが実際はサイコパスではない(言うなればデスノートを手にした事で歪んだソシオパスが近いかもしれない)。
美形、口の上手さ、その他のハイスペックさなどのカリスマ性故に女性に非常にモテモテで、大学では六股をしていた。
母と妹以外の女性は適当にあしらったり冷淡であったり利用したりとし、それは才色兼備の高田やトップモデルの海砂すら例外ではなかった(尤も高田の気位の高さや海砂の年長とは思えない子供っぽさに辟易していたとも取れる)。
死神の目を持つ海砂を心の中で『眼球』と呼ぶなど、特にミサに対しての扱いの悪さが目立つ。
本編を読むと、月への評価は「他人を見下し自己陶酔に溺れた挙句破滅した愚かな犯罪者」「自身の過ちを許せず妥協できなかった純粋な好青年」と意見が真っ二つに分かれる。アニメ版で原作ではLに対してわざと見せつけた邪悪な笑顔を「生まれて初めて他人に見せた素の自分」と言う友情の形として解釈して描写されている。なお、Lから「初めての友達」と言われているものの、原作者が13巻で「大嘘です。(Lは月の事を)友達だなんて思っていません」と断言している、
デスノートを拾ったことを本人は全く後悔はしていないが、作者二人(大場氏・小畑氏)共に「デスノートさえ拾ってなければ…」とも語っている。その抜きんでた優秀さゆえに元々、自惚れがある幼稚な負けず嫌い・煽り耐性が低い・やはりどこか歪んでいた・他人を見下していた(特に女性)という負の面は13巻でも原作者からはっきり指摘されている。
以下が歪んでるインタビューである。
「大学時代の彼女は、カモフラージュを含め五、六人います。でも彼は女性を好きになる事はないでしょう。対等に付き合える人間はいないし、月も“馬鹿ばっかり”と見下しているからです。ただ家族愛とか、人間に対する愛情はあります。友達も結構多いです」
「デスノートを持つまでは本当にいい子です。ノートを拾った途端に人生が壊れた、ある意味被害者ですね。世の中を変えようとしたのは世界への愛情からでしょうが、やはりどこか歪んでいたのと、己の知能への自惚れでしょうね」
「そもそも月は家族に対しては愛情を持っており、“真面目で正しい人間”で新世界の住人と認めていました。そして月が神になろうとしたのは、歪んでしまったけれど、総一郎や粧裕等正しい人間の幸せを思っての事です。でも海砂には“人を殺すので悪人”という認識を、自分の事は棚に上げて持っていました。だから彼女に対しては冷たいし、利用していました」
だから元から歪みかねない危うさを持ち得ていたのは否定はできない。
更に、既に1話の時点で、リュークにも「そんな事したら性格悪いのおまえだけになるぞ…………」と突っ込まれている。しかし、もしデスノートに関わっていなければ、Lと共に世界中の凶悪な犯罪に立ち向かっていたかもしれないのも13巻にて明記されている事実である。
実際、ヨツバ編でデスノートの記憶を失っていた時の彼は、目つきが澄んでおり、その能力はそのままに父譲りの強い正義感と道徳観と倫理観に溢れていた。だんだん悪人顔になっていく彼の顔の変化も必見。
映画版
最初から大学生。(歪んだ)正義感による暴走の側面が強調され、そのためか冷酷さもより強くなっている。(映画の尺という都合もあるが)早い段階でキラの裁きに否定的とはいえ恋人をデスノートに名前を書いて利用したり、キラの正義を認めないいう理由で総一郎たちの殺害にも踏み切っている。特に総一郎の名前は自らノートに書き込み、ミサからも「お父さんなんだよ?」と声を震わせながらの訴えも「黙ってろよ」と一蹴。原作以上にドス黒い描写が増えた反面、最後まで総一郎に"キラは正義"という事を認めてもらいたがる人間らしい描写が追加された。
藤原竜也氏の鬼気迫る演技力、顔立ちが似ている訳では無いのに滲み出る月らしい雰囲気からキラと言えばこの人という人も多いだろう。特にクライマックスの片手を抑えるポーズ(腕時計に隠したページを取り出そうとしている)や「どうしてだよおおお!」といった絶叫は度々藤原竜也のモノマネに使われる。
ドラマ版
イケメン、モテモテ、秀才・天才と称されていた原作とは違い、「どこにでもいる平凡な大学生、アイドルオタク」となり、原作や映画の夜神月とは正反対な設定になっており、多くのファンに衝撃を与えた。ただし原作でも何処まで把握しているかは定かでないが流河秀樹(Lが偽名で使った同名のアイドル)や会う前からミサのことを知っており、視野の広さから最低でも一般常識の範囲ではアイドルの知識は備えている。
良くも悪くも原作と比べて常識人で取り乱すことはあるが、全体的にクールで本気を出せば凄いらしい。制作サイドからは「キラとなったことで天才性に目覚めていく隠れた天才」として紹介されており、いわばやればできる子といった感じである。凡人ゆえか、第二、第三のキラを同志として扱い、彼らから自分の窮地を救われ、Lとは互いに友情を感じていたので対人関係は裏表が控えめで原作より良くなっている(それが悲劇を生んだともいえるが)。
そのため、作中での扱いを見るに単なる一般人というよりは、かつて母の死に目に現れなかった父の姿から「普通」であろう、あるいは平凡なままでいいとしているだけで、才能や正義感、強い意志は根底に備えていたようである。ただ、あくまで徐々に才能が開花したことと、元々は凡人(当初は下手するとそれ未満と解釈できるシーンもあった)なため、詰みかけて運によって助かったことも多い(レイ・ペンバーに裏をかかれたり、有名なポテチもバレていた)。あと、こっちのLは原作より推理力が向上しているので結構パワーバランスがひどい。
第一話の冒頭で、アイドルのライブを楽しんでいた際にペンライトを振っていたことから、視聴者から「夜神ペンライト」と揶揄されることがある。
親友を脅していた相手に対して自分が敵わなかったこともあって効果を信じていないながらもデスノートを使ってしまい、更に父を人質にした事件が発生。今度は正真正銘人が死ぬということを理解した上で父を助けるために再びノートを使用する。人を殺した罪の重さから自殺まで考えるが、リュークに「使わないのなら凶悪犯に渡す」と脅され、さらに殺害した相手の死を喜ぶ声を聞いたことで、半ば自暴自棄となってキラとなる。
このように、自身の才能を信じて世界を裁いた原作等に比べると、周囲の状況から仕方なくキラとなってしまった側面があり、自分の行いが犯罪かつ悪であり、正義ではないと強く理解している。一方で、他人を犠牲にしてきたこと、更には友となりかけていたLや自分を説得しようとした父が自分の理想を拒み命を落としたことで、「正義が勝つ世の中ではないからキラが生まれた」、「自分の行いが正義となるまで裁き続けるしかない」という使命感を抱いてしまう。
今作でのリュークは上記の脅迫を始め月にデスノートを使わせたがっていた節があり、「平凡な一般人がデスノートにより人生を狂わされた」という原作や派生作品よりも悲劇的な背景があったとも考えられる。
ドラマ版そのものは原作と異なる設定を多く取り入れていたため賛否両論であった。
「髪型や輪郭などの特徴は映画版とより原作に近い」という意見や「Lがただのイケメン?デスノの配役は逆がいいんじゃ…」と各地ザワついてた。原作のイケメン度合い的にもLと月は逆の配役の方が良かったなど様々な意見ある。特に、ドラマ版『デスノート』のキャストが判明したときは批判の嵐であった。しかし、窪田の演技力の高さ、回を重ねるたびにルックスがイケメンになっているように感じる表情の作り方にだんだんと原作ファンからも認められるようになったことも事実である。
※以下、本作の重大なネタバレが含まれております。
原作漫画・アニメ・実写映画・ドラマ・ミュージカル・ゲームどの媒体でも様々な形で最期を迎える。
原作漫画
「そうだ、僕がキラだ…」
「いいか、僕はキラ。そして…新世界の神だ」
「人を殺すのが犯罪だということは分かっている!しかしもうそれでしか正せない!いつかそれは認められ正義の行いとなる」
「このノートで…他の者にできたか?ここまでやれたか?この先できるか?」
(言ってもわからぬ馬鹿ばかり…)
ニアの指定した場所で彼と対面。ニアの策のさらに裏をかく策で、SPKだけでなく日本捜査本部の一掃をも企むも、メロの起こした事件がもたらした想定外の事態(と、それにより月の策に気付いてしまったニアたちの行動)のせいで失敗し正体もバレてしまう。開き直ってキラとしての正義を説くも「あなたはただの人殺し」「クレイジーな大量殺人者」と一蹴され、仕込んだノートでニアだけでも始末しようとするが、松田の銃撃を受けこちらも失敗。重傷を負う。
完全に追い詰められ、後が無くなった末にリュークに助けを求めるが、無様な姿に愛想をつかされて見捨てられ、リューク自身の手でデスノートへ名前を書かれ処刑されてしまう。最期の瞬間まで「うわー!死にたくない!逝きたくない!!」と生への執着にあがいて無様な姿を晒した末に「ちくしょう……」と最期の言葉を残し、心臓麻痺で死亡するという、自業自得にして悲惨な最期を迎えた。
命日は2010年1月28日。
アニメ版(詳しくは新世界(DEATHNOTE)を参照)
「そうだ松田、ああいう糞真面目で、まっすぐな人間が損をするんだ!そんな世の中でいいのか!?分かったら、そこにいるそいつらを殺せ!撃て!!」
「魅上…何してる!書け、こいつらを…殺せ!!」
「海砂はどうした…高田は?」
追い詰められ、松田の銃撃を受けたところまでは原作と同じだが、魅上が突然ペンを心臓に突き刺し自殺。周囲が気を取られた隙に重傷のまま逃走する。遠くの高い塔からその様子を見ていたリュークに(名残惜しみながらも)名前を書かれ、廃墟(廃工場)の中でLの幻を目にしながら、力尽きて眠るように死亡する。
最期の台詞(モノローグ)は「誰か……いったい……どうすれば……」(この直後に魅上が自殺)。
逃げ回る際、デスノートに出会う以前の自分の幻とすれ違う描写があったり、リュークが月を殺す理由も『人間と死神との間にできる掟』というのが主になっていたりする。原作に比べると同情を誘う最期となってはいるが、こちらも万策尽きて敵であるニアに一矢報いることさえ叶わず敗走し、リューク以外誰にも看取られず孤独に死ぬという、原作とはまた違った意味で悲惨な最期とも解釈できる(総集編「リライト2」では死後、相沢と松田が月の遺体を発見している)。
脚本を担当した井上敏樹氏は元々原作通りの死に様を予定していたが、荒木哲郎監督の意向で上記の最期に変更したとアニメ公式ブックで答えている。
実写映画版
「確かに僕がキラだ。そして新世界の神だ」
「L、部屋にこもりきりの君には分からないだろう。善人が悪人の犠牲になっている世の中のリアルを知らないんだよ!」
「無価値の人間、抹殺したほうがいい人間は、山のようにいる。もう法律では救えない世界になっているんだよ!!」
海砂の身の安全を第一に考えるレムを利用し、Lとワタリの本名をデスノートに書かせることに成功する。ワタリは死亡し、さらに苦しみ悶えるLの姿を確認すると、死にゆく彼に勝利を宣言し、嘲笑った。
その後、父親である総一郎の名前をデスノートに書いて操り、日本捜査本部が保管しているもう一冊のノートを海砂と共に回収しようとする。
父親にキラとしての正義を語りながら勝利を確信するが、それも束の間…
何故か総一郎はノートを持っておらず、直後に突入した捜査本部のメンバーに海砂共々包囲される。状況が飲み込めない中、死亡したはずのLも現れ、驚愕する。
実はLは死亡しておらず、「先に自分の死を書き込む事で少なくとも23日後まではデスノートでは死なないようにする」というとんでもない策略を実行し、勝利を確信し油断していた月を逆に追い詰めた(先程総一郎の名を書いたデスノートもすり替えられた偽物であり、その時の様子も含め捜査本部に全て監視されていた)。
腕時計に仕込んだノートの切れ端を使おうとするが、松田の銃撃を受けて失敗する。最後の手段として、原作同様リュークに助けを求めるが見限られ、自分の名前を書かれてしまう。この際、原作と違いキラとしての役割を果たせなかったことを悔しがっているかのような発言が多かったが、父親には遂にその思想を理解されることはなかった。心臓麻痺の苦痛に喘ぎながらも総一郎へ理解を求め、父親の腕の中で息を引き取った。最期の言葉は「キラは正義なんだ…。父さん、分かってくれよ……」。
結果としてはデスノートの利用という点を含め、Lに上をいかれたことになる。
また、母親や妹には「キラが死ぬ前に最後の足掻きとして月を道連れにした」と伝えられ、あくまで「最期まで正義のために戦った勇敢で偉大な兄」として逝くこととなった。
死後
月の死から10年経過したデスノートLNW では彼の子供がいることが明かされている。どういった経緯で子供が誕生したのか、相手の女性が誰なのかなどの詳細は明かされていない。
月は万が一の事態に備え、魅上照にその子供「夜神光」を託し、キラの後継者となって裁きを行うようビデオメッセージを残していた。
しかし、月の血を受け継いだ息子の優れた頭脳と冷酷さを彼の裁きを通して目にするうちに、次は自分が殺されるのではないかと恐怖した魅上によって息子は殺害されてしまう。自らの万能感に酔った少年の傲慢さと、強い忠誠心をもってしても抑えられなかった魅上の不信が招いた結果ではあるが、二人もまたデスノートを使用したことによって狂わされてしまった被害者でもある。
その後、魅上自身もある人物によって殺害されてしまい、月の野望は潰えたかのように思えた。
しかし、魅上を殺害した人物もまたキラを信奉してしまったため、キラから息子へ宛てられたビデオメッセージの中の「キラとして生きろ」という最後の一言に背中を押され、その人物はキラの後継者として世界を平和へと導こうと行動を開始した。
ドラマ版
「人を殺すのが犯罪?そんなこと分かってる!でもそれでしか正せない!いつかそれが認められて、正義に変わるまで、俺が裁き続けるしかないんだよ!」
「今までの犠牲のためにも俺は負けるわけにいかない…。やめられないんだ!だから、俺は…」
「このままでいいのか!?お前らは本当に、今の世の中が平和で幸せだと思ってるのか!?正義が勝つなんて、本気で信じてるのか!?違うだろ!違うだろ!!そうなってないから!そうなってないからキラが生まれたんだよ!」
「何でわからない…。何でわからない、この馬鹿どもが!」
ニアや警察の策略によって追い詰められた月は銃撃を受け、まともに歩けないほど負傷。彼を助けるために魅上が石油を撒いて放った火によって、結果的にただ1人取り残されてしまう。「ここで死んだら何のために…」と犠牲になったLや父親を思い返しながらデスノートを求め、燃えるデスノートを自分に火が移るのも構わず必死でつかみ取り、そして最後の最後にリュークに目の取引を持ち掛ける。だが、彼の寿命はそこまでであり、リュークには「おせぇよ」と拒否され、そのまま全身に火が回り焼死した。この最後はまるでアニメ版の宮野真守ライトが乗り移ったかのような狂気じみた演技であり必見。最後の言葉は「何でもやってやる……! 他の誰にも出来ない…… だから……俺が……俺が……リュークゥゥゥ!!!」。
最終的にはリュークによって殺されず、本人の寿命によって死亡した唯一の夜神月となった。
原作及び映画ではリュークに助けを求めた結果「死神に縋るようではお前は終わり」「これ以上見ていても面白くならない」と飽きられ見放されたが、ドラマ版では身体に火が着いてもアニメ同様リュークに助けを求めることはなかった(目の取引は求めたが)。
その壮絶な死を見届けたリュークは「やっぱ人間って…面白ぇな…!」と月への賞賛の言葉を残しながら飛び立っていくのだった。
途中で死亡したが、この結末を想定し、用意したビデオレターによってキラを追い詰めたため、実写映画版同様、実質Lの勝利と言えるだろう(直接キラを追い詰めたニアはあくまで生前のLの指示で動いていただけ)。
ただし、0.1%もない確率で月がキラではなかった場合に備えた自分の願望も含めたビデオレターも用意していたので気持ちの良い勝利とは言えないが…。
ミュージカル版
原作通りミサを救うためレムにLの名前をノートに書かせることにより、大黒埠頭の倉庫へとLをおびき出し勝利を確定する。しかし勝利の喜びを噛み締めるのも束の間、「ノートに名前を書いて人が死ぬ、書いては死ぬ書いては死ぬ」という、死神界に居た頃と変わりのない、同じことの繰り返しに飽きてしまったリュークにより、月自身もノートに名前を書かれてしまう。
ノートの効果が現れるまでの短い間、Lに持参させた銃でリュークに向けて発砲するなどの悪足掻きをするものの、ノートの力には抗えず死亡する。最後の言葉は「僕しか……出来ない……僕は……新世界の……神……!」
別に追い詰められたわけでもなく、リュークの気まぐれで死亡する唯一のエンド。
しかもリューク以外誰も事件の真相を知ることはなく、キラの正体どころか何故月とLが倉庫で死亡したのかさえも他の者達には何一つ明かされないまま物語は幕を閉じる。
脚本家のIvan MenchellのInstagramには、執筆した四つの異なるエンディングから作者二人(大場氏と小畑氏)が選んだものが、現在舞台で演じられているものであるという投稿がある。
ゲーム版
2007年7月12日に発売されたDSゲームソフト『DEATH NOTE Lを継ぐ者』
正規のストーリーでは原作とほぼ同じ終わり方をするが、難易度ハードで最終面(10話)をクリアした場合に登場する隠しステージ(11話)では月が正史ではニアたちにすり替えられていた魅上のノートを二冊とも予め偽物にすり替え、魅上に自身の名前も書き込ませる事でキラでない証明をして周囲を騙し、魅上照の身柄とニアが所有しているデスノートを回収して勝利を納めた。
デスノートのメディア化でほぼ唯一のキラ勝利エンドである。
ifストーリーではあるが、実際に起こっていたとしてもおかしくはない話であり、ニアの勝利が本当に紙一重であった事を物語っている。
『週刊少年ジャンプ』どころか、漫画史上類を見ないほどにかなり異質なコンセプトで作られたキャラクターであり、数あるの主人公の中でも様々な面において議論が起きやすいキャラクター。
作者二名は彼のことを明確な悪として認識しており、作画の小畑氏は「少年誌でこんなに悪い奴をぬけぬけと描けた」とまでコメントしている。実際、作中では物語のかなり初期の段階で完全に手段と目的が入れ替わった末に、歪んだ思想の下で大量に殺人を重ねた極悪人として描かれ、最終的には孤独で惨めな最期を迎えるという、ジャンプ漫画以前に漫画の主人公とは思えない末路を辿っている。最後にキラ信者を描いたのは、「月は悪人だったけれど、彼を応援していた人もいるんだろうな…という考えで。月が惨めなまま終わってもいいんですけど、“死んだけど、望み通り一部の人たちの神になれた”という月へのフォローをしてみました。でも実は月って、リュークに“世界に長く君臨する”と語った通り、生きたまま神になりたかったはずです。いくら信者に支えられようと、自分が死ぬ事だけは全く望んでいなかったはずです。だから皮肉をきかせた無様の極地である…という解釈もできますよね」と原作者の大場氏はコメントしている。
一方で、デスノートを拾った直後は、曲がりなりにも“誰もが共感できる思想と目的を持っていた”ことから、一種のダークヒーロー・アンチヒーローとしての側面も持っており、それも影響してか、各メディアミックスでは大なり小なり経緯や末路などが異なって描かれている。
また、原作ですでに彼の(デスノートを拾わなかった場合の)IFが描写されている。一度記憶を失い、Lと共にデスノートを追うことになったライトは、演技ではなく心の底からキラを悪として認識しており、Lに対しても強い仲間意識を持っていた。
これはつまり、作中での傲慢さは強い自信、歪んだ思想は正義感の強さ、手段を問わない冷酷さは素直で実直な性格の、完全な裏返しとして描かれていると言ってもよく、原作・作画の両名も、口を揃えて「デスノートさえ拾っていなければ」と言っており、公式から純粋な人間であるからこそ『悪』に染まった、『正義』と『悪』の極端な二面性を併せ持つ人物と読み取れ、更には『正義』と『悪』は紙一重とも解釈できるのである。
このことから、彼の行動の原点である犯罪者のいない世界を創ると言う目的も含めて、ライトが正義か悪かで論争が起きやすい。
「月」と書いて「ライト」と読むという独特過ぎる名前の由来は「大量殺人鬼の名前になる都合上、同名の人に迷惑がかからないように」と、現実の人名としては絶対に有り得ない名前にしておこうという作者の配慮によるものだそうである。いわばジャイ子と同じ……なのだが昨今の風潮を見ていると「絶対に有り得ない名前」と本当に言い切れるのか不安になってきたが......。
なお、実際に名付けられた、あるいは名付ける親が増えたという話や、キラキラネームの由来はキラからであるなどととネットで流れてもいるが、こちらは特にソースはない。
彼のイメージカラーは無色透明である(13巻参照)が、あくまで原作でのイメージカラーであり、アニメ版のイメージカラーは赤。
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その後のその後の話
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