外科医エリーゼ
げかいえりーぜ
前世において悪女として処刑された後、現代に転生し贖罪のため外科医として働いていた女性が、2度目の転生により悪女になる前の自分に逆戻りしてしまうという、「異世界転生」と「逆行転生」、そして「医療」をキーワードとしたファンタジー作品。
原作はyuin。漫画版はminiが作画を担当。
日本にてアニメ化が発表されており、2024年冬アニメとして、TOKYOMX、AT-XおよびBS日テレや関西テレビにて放送された。
アニメーション制作はMAHO FILM。
EDテーマ「Listen」
歌:荒井麻珠
🏥主な登場人物
- エリーゼ・ド・クロレンス(CV:石川由依)
主人公にしてヒロイン。前々世では悪女として名を馳せ、クロレンス家の滅亡に関与したほか自身も最後は罪人として火炙りの刑に処された。その後は日本人女性『高本葵』に転生し、前世での自身の行いを悔いて女性外科医として人を助け大活躍する。しかし不慮の飛行機事故により死亡。その後、再びエリーゼとして再転生(死に戻り?)し、結婚前の時間まで回帰する。かつての自身及び一家、そして愛するリンデンのバッドエンドを回避すべく邁進する。
- リンデン・ド・ロマノフ(CV:阿座上洋平)
ロマノフ王家の王位継承者。ロマノフ王朝ミンチェスターと平民出身の母レベッカとの間に生まれた第一皇子。15年前の『血の塔の悲劇』にて最愛の母と姉・イヴリンをチャイルド派の貴族たちによる屈辱的な濡れ衣で追い詰められた結果殺されており、チャイルド派貴族ら及び自身の腹違いの弟・ミハイルとその母である第一皇妃マリエンに対しても強い殺意を抱いている。前世では現皇帝の命令の元にエリーゼと結婚をしたが特にエリーゼに興味を移すことなく、冷たく当たり続けていた。
🏥エリーゼの実家 クロレンス家
- エル・ド・クロレンス(CV:上田燿司
クロレンス家当主にしてエリーゼたちの父親。ブリチア帝国宰相を務め、皇帝ミンチェストとは親友と言える間柄。財閥家のトップで、テレサ病院理事長でもある。娘のエリーゼには甘く、わがままを許してしまいがちだが、行き過ぎた行為には罰を与えることもある。
- レン・ド・クロレンス(CV:小野大輔)
クロレンス家第一子でエリーゼとクリスの兄。目元が隠れるほどの長い前髪と切れ長の目が特徴のクールな男で、エリーゼに対しても素っ気ない態度を取るものの、根はとても優しく実質クリス以上のシスコン。ロマノフ王朝に忠誠を誓うロイヤルナイツの一人で、リンデンの側近でもある。前世ではリンデンが皇后を殺そうとした際に彼女を庇った結果処刑されてしまった。
- クリス・ド・クロレンス(CV:下野紘)
クロレンス家第二子でエリーゼの兄。レンよりも丸みのある目をしており、妹のエリーゼを溺愛している見た目通りのシスコン。兄と同じくロイヤルナイツの一人。前世ではルイの作戦に苦しめられた末に殺されてしまった。
- エミリー・ド・クロレンス(CV:須川晶紀)
後妻として侯爵家に入った女性で、子どもたちにとっては継母にあたる。家族の機微を敏感に察して気持ちに寄り添う良妻賢母。転生前のエリーゼからは母と認めてもらえなかったが、今生のエリーゼから「お母様」と呼ばれるようになり喜んでいる。
🏥エリーゼに関わる王侯貴族たち
- アムセル・ド・チャイルド(CV:最上嗣生)
チャイルド侯爵家の当主。『毒蛇』の異名を持つ国際金融財閥の首長を務める大貴族で、莫大な財力を持っているために皇帝ミンチェストでさえもむやみに手を出せない大物。妹マリエンがロマノフ皇室に嫁いだミハイルの母であるため、ミハイルの伯父にあたる。リンデンの母と姉を殺害した実質的な張本人でリンデンから強い憎悪を向けられている。
- ユリエン・ド・チャイルド(CV:潘めぐみ)
クロレンス家の敵勢力チャイルド家の娘。(おそらく)母譲りの褐色肌と淡いエメラルドグリーンの艶髪、白いひし形の模様が浮かぶ紫色の瞳が特徴の美女。リンデンに想いを寄せているが、政治的な立場のせいで結ばれることはないと半ば諦めている。転生前のエリーゼからは恋敵ということもあっていじめを受けていたが、謝罪を受け入れた後で良き友人となった。
- アルバート・ド・チャイルド(CV:木島隆一)
クロレンス家の敵勢力チャイルド家の長男でユリエンの兄。父譲りの金髪と妹と同じ褐色肌に黒いひし形の模様が浮かぶ紫色の瞳が特徴の男性。情報部の参謀で階級は中佐。クロレンス侯爵家を敵視しているが、その確執を超えて公正な判断を下せる冷静さを持っている。従兄弟のミハイル曰く「憎たらしい奴だが、悪い奴ではない」。
- ミハイル・ド・ロマノフ(CV:斉藤壮馬)
ロマノフ王家の第二皇子。金髪と白いひし形の模様が浮かぶ黄金の瞳が特徴の美男子。リンデンとは腹違いの兄弟だが、幼いころからリンデンに懐いており、それは今なお変わっていない。だが母である第一皇妃マリエンと彼女を支持する貴族たちがリンデンの母と姉を死へと追いやってしまったせいで、リンデンからは彼らと同様に殺意を向けられている。それでも兄に対してはとてもフレンドリーに接しており、兄弟同士の殺し合いを止める方法はないか模索するなどとても家族思い。
- マリエン・ド・ロマノフ
ロマノフ王家の(本来の)第一皇妃。ミハイルの母親であり、アムセルの妹。侯爵令嬢の立場で皇帝の寵愛を受け皇妃の座に就いたが、ミンチェスターが平民出身のメイドであったレベッカに好意を抱いたのみならず、自分よりも先に第一皇子を産んだことで狂人と化す。その後自身を支持する貴族たちと手を組み、レベッカとその娘イヴリンを百院に幽閉させたのち死へ追いやる。だがそれによって自身の悪事がミンチェスターに露呈してしまい、彼女自身もまた百院に閉じ込められることとなった。現在は完全に気が狂っており、まともに口を利くことさえできない。
- ミンチェスター・ド・ロマノフ(CV:井上和彦)
ロマノフ王家の現皇帝。既にかなり年を召しており、糖尿病を患っている。親友の娘であるエリーゼのことを実の娘のように見ており、彼女を皇太子妃にさせるべく、医者を志すエリーゼにあの手この手で陰謀を張り巡らせる(ただし悪意はない)。15年前の『血の塔の悲劇』を起こしてしまったことを今なお悔やんでおり、息子たちには幸せになってほしいと思っている。
- ルイ・ニコラス
フランソエン共和国の総統シモン・ニコラスの一人息子で、広大な黒い大陸とされる西北部を平定したフランソエンきっての名将。その残虐性と狡猾さから『砂漠のサソリ』という異名を持っており、前世ではクリミア遠征軍を追い詰めクリスを死に追いやった。今世では自身の作戦を悉く潰していくエリーゼを苦しめようと様々な策を張り巡らせる。
🏥その他エリーゼの関係者ら等
- グレアム・ド・ファロン(CV:細谷佳正)
ファロン男爵家の当主で、テレサ病院の最年少教授。年齢は20代後半。クロレンス家がスポンサーを務めている『テレサ病院』に勤める若き天才医師。幼い頃から死に物狂いで医学を吸収し、最年少で教授の座まで上り詰めた努力家。それ故にプライドが高く、滅多に他人を褒めることはしない。最初はお嬢様育ちのエリーゼを軽んじていたものの、彼女の神がかった医療の腕前を見続けていったことで徐々に彼女を信頼するだけでなく淡い恋心を抱くようになる。
- ロン(CV:日野聡)
リンデンが外出の際に超上能力とアーティファクトを用いて変装する姿。黒髪は金髪に、黄金の瞳は水色に変わり、アニメ版では声まで変わる。ただし顔立ちそのものは変わっていないため、リンデンをよく知る人物(特にエリーゼ)が見た際、「どこかで見たような?」と疑問を抱かれることがある。
- ゴート(CV:山本満太)
テレサ病院の院長で、爵位は子爵。病院経営はクロレンス侯爵家の援助で成り立っているため、侯爵家に対する敬意を忘れることなく職務を全うしている。
- ハンス(CV:保住有哉)
テレサ病院の医師でグレアムの部下。救護所に務める程の能力はあるが、グレアムやエリーゼには遠く及ばない。エリーゼに対し叶わぬ恋心を抱いてしまう。
- ベン(CV:土田大)
皇室十字病院の教授で、爵位は子爵。皇宮の侍医も務める帝国一の医師で、エリーゼも幼い頃に世話になったことがある。脾臓摘出術を行ったローゼ(エリーゼ)の医術を気に入って皇室十字病院へスカウトするが、彼女がまだ見習いであることを知り、医師資格試験に必要な教授3人の推薦を、自分、ゴート院長、グレアムで出すことを提案。ローゼの医師資格取得を促した。
- カイル(CV:青山穣)
ローズデール病院の教授で、病院では一番腕が良いと言われる優秀な医師。
- ベント(CV:斎賀みつき)
皇帝ミンチェストの側近。エリーゼを皇后にするため、医師試験の難易度の操作、謹慎の期間を延ばして医師試験を受けられないようにする、などの妨害を行う。
- ランドル(CV:竹内良太)
リンデンに仕える側近。往年ロイヤルナイツに属していた騎士で、変装したリンデンの密行に護衛として同行する。その途中通り魔の襲撃を受け、銃撃が脾臓に命中し重傷を負う。生存は絶望的だったが、搬送先のテレサ病院でエリーゼの脾臓摘出術を受け一命を取り留め、無事職務に復帰した。
- マリ(CV:岡咲美保)
クロレンス侯爵家に仕えるメイドで、エリーゼの侍女。転生前のエリーゼからは八つ当たりを受けていたせいで最初は恐れていたが、次第に友人に近い関係になっていく。
- ベントル(CV:中務貴幸)
クロレンス侯爵家に仕える騎士で、エリーゼの外出時には護衛として同行する。軽率なところがあり、宴の席でエリーゼに酒を勧めてエル侯爵とクリスに怒られた。
- ヨーデル(CV:井上喜久子)
20年前のロンド疫病事件で、グレアムと共に生き残った老メイド。当主が感染して死亡したため、給金を貰えないと危惧した他のメイドたちは全員屋敷を離れてしまう中、一人だけ今もなおグレアムの専属メイドとして屋敷に仕えている。グレアムがテレサ病院で働いているときのことは本人が話そうとしないため全く知らず、ある事情で屋敷を訪れたエリーゼに病院での評判を聞いた。