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南海の大決闘

なんかいのだいけっとう

1966年公開のゴジラシリーズ第7弾。
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概要編集

フルタイトルは『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』


当初はアメリカとの合作で『ロビンソンクルーソー作戦 キングコング対エビラ』という企画だったが、キングコングの版権を持っているアメリカ側がストーリーに難色を示したため、仕切り直しとして『キングコングの逆襲』を制作。没となった企画はキングコングゴジラに差し替えてゴジラシリーズとして制作される事となった。


同時上映は『これが青春だ!


登場怪獣編集

ゴジラ

エビラ

モスラ

大コンドル


ストーリー編集

南洋にマグロ漁に出かけたまま行方不明となっている兄の彌太を探す青年良太は兄は生きているという恐山イタコの預言を信じ、警視庁と新聞社を頼って東京に上京する。

良太は優勝すればヨットがもらえる「耐久ラリーダンス大会」の存在を知り、その会場でギブアップしていた仁田市野という2人の大学生と知り合う。

一同は太平洋横断ヨット「ヤーレン号」に無断で泊まり込み、オーナーを自称する吉村とも知り合った。


翌朝、一同が目を覚ますとヨットは無謀にも良太が勝手に発進させていた。おまけにラジオで吉村がオーナーではなくパチンコ店襲撃犯の金庫破りだったことまで知ってしまう。

仕方なく兄探しに付き合うことにした一同だったが、ヤーレン号は嵐に見舞われ、おまけに海の中から出てきた巨大なハサミに襲われ沈没。一同はレッチ島という島に漂着する。


そこは革命を主体にし軍事的にも強大である「世界征服を企む悪の秘密結社」的な謀略反乱組織「赤イ竹」の核兵器製造工場がある島で、インファント島の島民を奴隷として働かせている場所でもあった。逃げ出そうものなら、銃器でハチの巣にされるか近海に住む巨大エビ怪獣エビラの餌食になってしまう。

そしてその島には、以前の戦いキングギドラを地球から追い払った後に行方不明になっていたゴジラが眠っているのだった…。

その頃、インファント島では島民がモスラの復活を願って祈りをささげていた。


キャスト編集

吉村宝田明
良太渡辺徹
市野当銀長太郎
仁田砂塚秀夫
ダヨ水野久美
彌太伊吹徹
小美人ペア・バンビ
赤イ竹司令官田崎潤
竜尉平田明彦
水上艇船長天本英世
原住民A沢村いき雄
白衣の男1伊藤久哉
デスク石田茂樹
カヌーで逃げる原住民広瀬正一鈴木和夫
村人佐田豊
老婆(イタコ)本間文子
カネ(良太と弥太の母)中北千枝子
漁業組合長池田生二
白衣の男2岡部正
中年記者大前亘
若い記者丸山謙一郎
警備兵緒方燐作
赤イ竹隊員、インファント島島民(2役)勝部義夫
巡査澁谷英男
ゴジラ中島春雄
エビラ関田裕

スタッフ編集

監督福田純(本編)/円谷英二(特撮)・有川貞昌(特撮補佐)
脚本関沢新一
制作田中友幸
音楽佐藤勝
撮影山田一夫(本編)/富岡素敬真野田陽一(特撮)
編集藤井良平
配給東宝
公開1966年12月17日
上映時間87分
制作国日本
言語日本語

余談編集

  • 監督は前作までの本多猪四郎から変わって『電送人間』以来の福田純が担当。キングコングが主役の予定だった経緯や作曲が『ゴジラの逆襲』・『美女と液体人間』等を手掛けた佐藤勝に変わったこともあり、本多の手掛けた作品よりも軽妙で明るい作風となっている。
  • 実相寺昭雄が制作した『ウルトラQ』のドキュメンタリー「現代の主役 ウルトラQのおやじ」で円谷英二が「キングコングとモスラが出てくる映画」の話題をしている場面がある。
  • 当初ダヨ役には東宝が売り出していた新人女優高橋紀子が起用されていたが、急性虫垂炎で入院してしまったためゴジラシリーズ常連の水野久美が急遽起用された。水野は前年に東宝を退社していたが、撮影前日に突然田中友幸プロデューサーから連絡があり出演が決まったと語っている。
  • その後高橋は『ウルトラQ』第23話「南海の怒り」で同じく南洋の孤島の娘役を演じている。
  • 市野役は当初松竹山本豊三が起用されていたが、最終的に東宝の当銀長太郎が演じることになった。
  • 良太役の渡辺徹は同姓同名の俳優とは別人で、どういった経緯で本作に参加したのか分からないとされている。
  • 豊登道春の物真似があった『キングコング対ゴジラ』以降、ゴジラの仕草には時事ネタが盛り込まれるのが通例になっていたが、本作においては加山雄三による鼻をこする仕草をするシーンがある。
  • 本作に登場する秘密結社「赤イ竹」は具体的にどこの国の組織なのかは説明されていない。すくなくとも核兵器を製造しているため先進国であることは間違いない。
    • ちなみに「革命」をスローガンに掲げ赤=共産主義竹=パンダの食べ物という観点からモチーフは中国である可能性が高い。
  • 本編ではゴジラを撃破するために赤イ竹戦闘機(媒体での名称)が登場するが、MiG-19とBACライトニング(MiG-21?)という制作当時は最新鋭だった機体を融合させた形状である。見た目は実在する戦闘機に似ているがオリジナルである。そして撮影に使用したミニチュアが現存する。
    • 過去の東宝特撮映画で共産圏の戦闘機と言えば『世界大戦争』のモグ戦闘機があるがこれとの関係は不明。
  • ゴジラが赤イ竹の戦闘機と戦う際にゴーゴーの音楽に乗って暴れるシーンもある。
  • 戦闘機の他に舟艇(どう見ても外洋を移動するサイズじゃないので本部は近いと思われる)が登場するが、こちらは実際の漁船を改造したと思われる実物が登場。
  • 本作のゴジラは水中戦を行うシーンがあり、『三大怪獣地球最大の決戦』のスーツをベースに潜水用の酸素ボンベを内蔵できるように改造されたスーツ(通称:南海ゴジ)で撮影が行われた。
    • 2018年末に開催された『特撮のDNA展』において本作で使われた南海ゴジの頭部が展示されており、非常に劣化した状態ではあるもののゴジラの着ぐるみが今もなお現存していることが確認されている。
  • ラストシーンのレッチ島が崩壊する場面は古澤憲吾監督のクレージー映画『大冒険』の流用である。
  • ヤーレン号のミニチュアはその後『ゴジラ対ヘドラ』にも登場しており、現在も別作品で使用するため片側が黒く塗られた状態で保管されているとされている。

関連タグ編集

ゴジラ ゴジラシリーズ 昭和ゴジラ モスラ エビラ 大コンドル 若大将


怪獣大戦争南海の大決闘ゴジラの息子

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