「私は──皆を守るんだ」
「私は今後相手が誰でも容赦しない。勝ちに行くために手段を選ぶつもりもないよ」
※本記事にはアニメ未公開のネタバレ情報を含みます。閲覧の際にはご注意ください。 |
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プロフィール
学籍番号 | S01T004620 |
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誕生日 | 7月20日(蟹座) |
身長 | 159cm |
スリーサイズ | B95(F)/W61/H91※ |
所属 | 1年Bクラス→2年Bクラス |
学力 | A(86) |
身体能力 | C(54) |
機転思考力 | B(70) |
社会貢献性 | A+(96) |
総合 | B(74) |
一人称 | 「私」 |
CV | 東山奈央 |
※ゴールデンカノンを基準にして計測するとGカップになる
概要
ようこそ実力至上主義の教室へに登場するヒロインの1人。高度育成高等学校における1年Bクラスに所属している女子生徒。
明るく正義感の強いBクラスのリーダー。Bクラスは他クラスと比べ、クラス全体の仲が非常に良好で団結力も強いが、そのような状態にまとまったのは彼女の功績が大きい。
人目を惹く美貌と、競泳水着がはちきれんばかりのバストと肉感的プロポーションの持ち主。
だが、自分の容姿の良さに対する自覚がなく、無防備なところがある。
イラストレーターのトモセシュンサクは、彼女を『暁の護衛』に登場する倉屋敷妙がそのまま大きくなったような印象だと語る。またキャラの性格が良いことから、明るめのルックスとなっている。
略歴
生い立ち
母子家庭で育ち、母と2つ下の妹の3人暮らしをしていた。決して裕福な家庭ではなかったが日頃の生活で不満を抱いたことはなく、小・中学校共に友人が多く生徒会長を務めていた経験があるなど絵に描いたような優等生だった。その優秀さから私立の高校に特待生で入学予定だった。
しかし、中学3年生の夏に一之瀬の母は仕事の過労で倒れてしまい、妹が欲しがっていた誕生日プレゼントが買えなくなってしまう。貧乏な家庭で何も欲しがらずにずっと我慢していた妹と、プレゼントを買うために必死に働いていた母の関係の悪化を間近で見て、気の毒に思った一之瀬は一度だけ、万引きを行ってしまう。
妹は喜んだものの、すぐに母にバレて店に謝罪、母の適切な行動により大事にならずに済んだものの、一之瀬自身は罪悪感から中学3年生の半分は自宅で引きこもってしまう。
これらの情報は高度育成高等学校には伝わっていなかったらしいが、間違いなくAクラス相当の優等生である一之瀬がBクラスに配属された理由は、中学時代における長期間の欠席を学校側から不安視されていたからである。
一之瀬は過去の過ちから、高校で一からやり直そうと考えていたが‥‥。
人物
訳アリなキャラや、腹黒なキャラが多いことで知られるよう実のキャラの中でも屈指の純正の善人である。本性が黒い櫛田とは違い、自分の利益や体裁よりも相手を思いやる心優しい性格をしている。
それ故に苦労する面も多々ある。
明るく社交的な性格からクラスメイトに限らず多くの同級生と幅広く交友関係を持っている。Bクラスでは数多くのクラスメイトから盲信の域に達するレベルまで信用・信頼されており、Aクラスの坂柳や葛城に匹敵する高い能力を有しており、担任教師である星之宮からの信頼も非常に厚い。
また彼女の優しさの本当の理由は、生来の気質に加え過剰なまでに他人を慮る善人のような行動も中学時代の事件から立ち直ろうとしているためである。
性格が悪い面が目立つ他のクラスのリーダーたちと違って、本物の善人であるため、AクラスやCクラスのように恐怖政治や独裁政権を敷かずに、Bクラス内で高い安定力とチームワークを保っているのは彼女の人徳によるものである。
実力
高い学力と社交性を持っており、総合的なバランスで言えば学年でも最上位である。また他クラスや他学年の生徒からの信頼も厚く、櫛田と同等かそれ以上の広い人脈を持っている。
上記の通り、本物の善人なので卑怯な真似は一切行わない正攻法タイプである。それ故に1年生編の時点では全クラス中で最も結束力の高いクラスを形成している。
基本的に人を簡単に信用しない堀北や坂柳からも、その善性や人徳は素直に認めざるを得なくなっており、彼女の人柄そのものは綾小路や龍園も高い評価を付けている。
普段から無防備で天然な一面はあるものの、実はかなりの頭脳派で船上試験では綾小路の作戦を完璧に見破っており、兎グループの優待者が軽井沢である事も見抜いていた。船上試験に関しては先にAクラスの森重が裏切りを不発させた為、Dクラスはクラスポイントを落とさずに済んだが、読者的に見れば綾小路の敗北も同然である。
このように本気で戦略を立てた綾小路からも一本取った実績もあるので、頭脳面のみで言えば作中でもトップクラスである。
弱点
そんな実力者でもある一之瀬には、かなり致命的な弱点が存在する。
それは他クラスと違ってリーダーには圧倒的に向いてない性格である。他クラスのリーダーである龍園や坂柳はかなり攻撃的な戦略を立てるのが特徴的だが、一之瀬に関しては受け身な戦略が非常に多い。その為、ここぞという場面で実力が発揮できないことが多く、他クラスのリーダー格には極めて相性が悪いと言える。
どちらかと言えば平田のような長所と短所を持つので、龍園曰く「一之瀬はリーダーじゃなくて参謀タイプ」との事。
これは一之瀬のみではなく、Bクラスそのものの弱点ではあるのだが、基本的に試験の勝敗よりもクラスメイトを優先する戦略が多いのでハイリスクハイリターンの手段を取ることはまず無い。かと言って葛城のように、完全防御に徹する戦略を立てるわけでもないので、試験の戦績は正直微妙である。また綾小路は一之瀬が持つ包容力が強すぎてクラスメイトの個性が潰れてしまっていると評しており、椎名ひよりは特別な脅威を持たない単なる仲良しクラスとえぐい分析をしている。
また本人が元から自罰的な性格であり、中学時代の事件によってその傾向はより強まっており、一度崩れると深みに嵌まってしまうなど精神的な脆さによって、そのポテンシャルを充分に発揮出来ないことも多い。しかし、ポテンシャルは堀北と龍園を上回るものを持っている可能性を綾小路は感じていた。
動向
初出は1巻、アニメも1話から登場しているなど他クラスの主要キャラクターの中では最も登場時期が早い。
1巻では図書室で起きた須藤とCクラスの生徒の揉め事に割って入り、素早い手際で仲介している。また5月頃から既に龍園から水面下で攻撃を受けていたらしいが上手く回避しており、中間テスト終了時にはBクラスの生徒の大半からは高い信頼を獲得している。
2巻では須藤の暴力事件に関してDクラスの協力者として登場する。この時に初めて綾小路と堀北と接点を持ち始め一時的に彼ら同盟関係を結んでいる。またクラスメイトの白波から告白されるが、綾小路のアドバイスもあって丁重に断っている。その後の監視カメラの設置や佐倉救出にも一枚噛んでおり大活躍している。
3巻の無人島試験ではBクラスの高い頭脳とチームワークを駆使し、キャンプを形成している。堀北からは総じてDクラスの完全上位互換とまで評されており、明らかに彼女らとクラスの格と差が描写されている。龍園のスパイである金田からリーダー情報を抜き取られてしまうが、結果は2位で終えている。
4巻の船上試験では、茶柱が期待している綾小路を警戒している星之宮の都合で、彼と同じ兎グループに配属される。高いコミュニケーション能力で兎グループの実質的な司会進行を務める。試験終盤にはグループの優待者が軽井沢である事を完全に見抜いており、実力の片鱗を綾小路に見せつける形となった。
4.5巻時点で、副会長の南雲の計らいで既に生徒会に所属している。実は堀北学からは入学時点では時期じゃないと断られていた。その後のプール回では綾小路たちDクラスと共にビーチバレーを行なっている。
5巻の体育祭では龍園たちCクラスと同じ白組に振り分けられる。龍園がDクラスを徹底的に妨害していたことや、クラスメイトの柴田がMVPに入ったこともあってBクラスは学年1位という結果で終わっている。
6巻のペーパーシャッフルではAクラスと対戦する。Dクラスと共に合同勉強会を開き、その際に堀北から人柄や人格を認められているが買い被りすぎだと本心で返した。その後のAクラスとの試験では僅差で敗北している。
7巻では坂柳と共に居る場面を綾小路グループに目撃されている。この時には既に南雲から情報を伝えられていた坂柳に、自分の過去をコールドリーディング方式で教えざるを得なくなっている。
8巻の混合合宿では彼女を中心にひよりやみーちゃんと共にグループを形成している。また合宿内での女子同士の諍いの仲介に奔走していた事もあってか、かなりの苦労と負担を強いられていたらしい。
9巻では彼女のメイン巻となる。坂柳からはAクラスの生徒たちを使って「一之瀬帆波は犯罪者だ」という誹謗中傷を学校中に広められ、中学時代と同じ様に過去の罪悪感とショックから部屋に引き篭もってしまうようになる。
しかし、色々事情があって動くことになった綾小路は引きこもる彼女の部屋に何度も訪れ結果的に一之瀬の心を折る形で救い、彼女はクラスメイトの前で自分の過去を乗り越えることが出来た。その後、綾小路にはこの件のお礼という形でバレンタインチョコを渡している。
10巻のクラス内投票では、クラスから退学者を出さない為に必要な2000万ポイントを集めることに奔走し南雲を頼る。しかし、彼からは交際を条件にポイントを貸すと言われ、クラス的にも貞操の危機的にもピンチになってしまう。しかし、紆余曲折あって綾小路を通して伊吹たちと協力することで南雲を頼らずに2000万ポイントを集めることに成功し、結果的に退学者なしという形で試験を終えることが出来た。
11巻時点では、9巻と10巻で立て続けに綾小路に助けられたこともあってか異性として意識する描写が増えている。その後の選抜種目試験では、金田に代わって司令塔を引き受けた龍園と戦うことになってしまい、彼の持ち前の卑劣な盤外戦術によって苦戦を強いられ大敗してしまう。
11.5巻では、2月から坂柳から良いようにされた事から始まり、3月で龍園に大敗したことや堀北から同盟の撤廃を申告された事で、精神的に限界が訪れ、心の奥底では完全に疲弊しきっている。一之瀬の状態を危惧した綾小路は、大雨をひたすら呆然と受け続ける彼女を部屋に連れ込み、その不安な心情を受け止めている。
その際に、綾小路は一年後に一之瀬ともう一度二人きりで会う約束をしている。
2年生編(ネタバレ注意)
1年生編では軽井沢と双璧を成すもう一人のメインヒロインのようなポジションだったが、2年生編に突入してから新キャラクターがかなり増えたことで出番が激減している。
1巻の合同ペア試験では1年生と2年生の交流会を開いているが、学力が優秀な1年生は裏で熾烈なマネーゲームを繰り広げていた坂柳と龍園に全て吸われており、試験では学年最下位という最悪の滑り出しで始まってしまう。
2巻で数学のテストで満点を取った綾小路に対し、神崎と共に接触する。綾小路たちDクラスを敵視する神崎とは別に、一之瀬は実力を隠していた綾小路を庇うような動きを見せている。その後、無人島サバイバルにおいて利害が一致した坂柳とグループを組んでいる。
3巻の無人島サバイバルでは、無人島で迷子になっている最中に月城と司馬が綾小路を退学にさせようと策を練っている会話を図らずとも盗み聞きしてしまう。彼らにクラスメイトを人質に脅されて、その場では見逃されるが、その際に「ホワイトルーム」という言葉を初めて知ることになった。
4巻の後半戦では、最終日になるまで綾小路かクラスメイトのどちらを取るかで葛藤し、最終的に綾小路への想いがクラスメイトよりも上回った為、彼の元に危機を伝えに行く。
その道中でついに綾小路への恋心を自覚し、無自覚に彼に告白をしてしまった。
しかし、4.5巻では綾小路は既に軽井沢と付き合っているという残酷な事実を、綾小路本人からではなく南雲から教えられ、彼女の恋は呆気なく終わりを迎えた。
5巻の満場一致特別試験において、クラスポイントよりもクラスメイトを優先する一之瀬の戦略方針を不安視した神崎が現状打破に動き出すも、彼の言い分を持ち前の包容力でクラスメイトたちと共に折ってしまう。
6~7巻の体育祭前には、南雲の計らいで久しぶりに綾小路と再会するも上記の件から気まずい雰囲気になっており、7巻の文化祭前も綾小路と顔を合わすのを避ける行動をとっている。またクラスとしても体育祭、文化祭で一時的に共闘した堀北・龍園クラスに遅れる結果となり、ついにDクラスに転落してしまう。
8巻の修学旅行では、最終日に一人自責の念に苦しんでいたところに、一之瀬を探していた綾小路と会う。坂柳や堀北、龍園と比べて自身の無力さ、綾小路への失恋で心が折れかけていたが、綾小路の言葉で持ち直す。
9巻は、事実上のメイン巻で次期生徒会長選挙では、同じ2年生役員の堀北との決選投票を南雲に提案されるが、学年の戦いに集中することを理由に固辞して、生徒会を脱退。一之瀬の決断はDクラスに波紋を呼び、一之瀬の本心を聞き出すよう神崎達から依頼を受けた綾小路と休日を一緒に過ごす。一之瀬の中では綾小路との最初で最後のデートで恋を終わらせるつもりであったが、心境に変革が訪れ、後日再び綾小路の元を訪れ、
「私は、やっぱり綾小路くんが好き。綾小路くんが大好きなんだって、あの瞬間に再認識できた」
と改めて告白。Aクラスでの卒業も綾小路も勝ち取ると宣言し、「綾小路くんに振り向いてもらえるような人間になるつもり」と覚醒。
「協力型総合筆記テスト」でも元々、学力では龍園クラスを圧倒していることもあって、龍園クラスの妨害を跳ね除けて、勝利。その後、これまでは天敵であった坂柳の綾小路への恋心を指摘して坂柳をやり込めたり、龍園を歯牙にもかけない態度から「内側に向ける善は以前と変わらず、外側に向ける善が完全に悪へと変わった」と綾小路や坂柳、龍園を驚かせるほどの変貌を遂げ始める。
9.5巻の冬休みは、クリスマスツリーをバックに親しい友人達との思い出作りの記念写真撮影を計画。しかし、同級生のみならず、上級生・下級生にも顔が広い一之瀬であることから、噂はすぐに広まり、一之瀬との撮影会状態と化してしまっていた。
真の目的は、彼女持ちの綾小路とのツーショット写真を撮るためだけのカモフラージュで、綾小路は「わざわざオレとの写真を撮るためだけにしては、かける労力が半端じゃない」と驚嘆した。
10巻の試験前に、神崎、網倉、渡辺を交えて綾小路に試験の相談をするが、単なる決意表明に過ぎず、ほとんど雑談で終始する(その際に綾小路と神崎が親密になっていることを見抜く)。この相談もカモフラージュで、実際は綾小路と一緒に過ごすことが目的で、解散した後もわざと忘れ物をすることで綾小路との密会を実現するが、突如、戻ってきた渡辺に目撃されることになる。略奪、浮気と呼べる現場を目撃された一之瀬は硬軟織り交ぜた話術で、渡辺の懐柔を図り、網倉との仲を取り持つことを約束することで渡辺の口封じに成功した。
生存と脱落の特別試験では、退学者を出さないこと、坂柳クラスを最下位に落とすことを方針に掲げ、密かに龍園と結託してアシストに徹する。後半戦で堀北クラスを攻撃する側に回った際には、軽井沢を10ターンすべてで連続指名を行う。軽井沢を退学させようとする一之瀬の行動に軽井沢は恐怖するが、実際は堀北クラスが最下位にならないようにポイントを与えるためのアシストであった。だが、試験の最中、一之瀬は軽井沢を退学させる誘惑に駆られていたが、綾小路は自分を拒否しないことから奪うことも可能であること、クラスの利益を優先してその誘惑を振り切っている。試験結果は、龍園クラスが1位、一之瀬クラスは2位、堀北クラスが3位、最下位は坂柳クラスになり、龍園クラスに抜かれて再びDクラスに転落するも、Aクラスとの差は縮まったうえ、坂柳クラスから退学者を出させることにも成功して、当初の方針を達成する結果に終わった。
11巻の交流合宿は、体調不良のため、欠席している(同じグループになる可能性がないことに、軽井沢は安堵していた)。
12巻の学年末試験では、初のBクラス(堀北クラス)との直接対決を控え、試験の数日前に綾小路と会い、1年前に交わした約束を念押しされる。試験では当然、Dクラスの大将としてメンバー入りして、試験内容がそれぞれのクラスの生徒(参加者)が入り混じった議論を見て”特定の役職者を言い当てる”という1年次の船上試験(干支試験)にも似たものであったことから、男女分け隔てなく学校で屈指の交友関係を持つ一之瀬にとって最良の試験となる(後に対戦した堀北の見立てでは、この試験では坂柳、龍園であっても一之瀬に勝つことは不可能と思わせるほど)。現に浜口、神崎に圧勝した中堅の堀北との対戦では、堀北が精神的に打ちのめされるほどの完勝を収める。
いよいよ綾小路との大将戦を迎えるも、一之瀬は綾小路を難敵と認めつつも、このルールで敗れることはないと勝利を確信する一方、綾小路は正攻法で勝利する考えを端から捨てていた。冒頭、今回の試験で一発逆転と唯一の退学リスクという諸刃の剣である「背信者」というシステムを談合で相殺し合うことを綾小路から提案される。敵クラスであっても退学者を出すことを望まず、また堀北クラスに一発逆転のチャンスを与えないという一之瀬にとって願ってもない提案であったことからこれを快諾、学年末試験には似つかない和気藹々とした空気の中で試験が進行するも、綾小路は突如、「背信者」を利用してクラスの裏切り者であった前園を処分(退学)する。
互いのクラスメイトから退学者を出さないため、という名目であったにもかかわらず、綾小路に騙されて前園退学の片棒を担がされたことに困惑する。そんな一之瀬に綾小路はさらなる追い込みとして、今まで一之瀬を自身に依存させるべく、善意を装って利用してきたことを明かし、ついに綾小路の本性を目の当たりにする。突如の綾小路の裏切りにショックを受ける一之瀬が、試験に集中できるはずもなく、さらに一発逆転の目であった「背信者」も綾小路に浪費させられていたことで為すすべなく惨敗、Dクラスの敗北と同時に綾小路への恋心も砕け散った最悪の試験として終わった。...はずだった。
12.5巻では試験終了直後から憔悴し切っており、その後は自室に引き籠り、クラスメイト達は一之瀬が自主退学するのではないかと心配する。約束の日である3月30日になっても、一之瀬から何ら返答のないことに痺れを切らした綾小路は、深夜に一之瀬の部屋を訪問。塞ぎ込む一之瀬に向かって綾小路は「自分が一之瀬クラスに移籍してAクラスで卒業させる。その代わりに一之瀬が自主退学する」という契約を持ち掛ける。その提案を淡々と聞いていた一之瀬は今日ここに至るまでのすべてが綾小路の計画だったことを思い知る。
綾小路の計画では、一之瀬は契約を拒否して自分への憎悪を糧に再起することを予測していたが、どこかで自身が持ち得ない未知の選択を期待してもいた。そして一之瀬の答えは、
「そのどっちにも、本当の答えはない気がするの」
一之瀬は自身が望む未来を語り、その未来を実現するためには綾小路の協力が必要不可欠であることを告げ、綾小路を驚愕させる。未知の選択を期待していた綾小路も一之瀬は真のリーダーになったと認め、それに乗ることを承諾、自分への憎悪が原動力で構わないと告げる綾小路に一之瀬は、引き籠っている間に綾小路を憎悪しようとしたが、出来なかったことことを明かし、そこで綾小路は一之瀬におびき寄せられたことを悟る。一之瀬は、綾小路を共犯にすると迫り、綾小路の本性を理解したうえで、自分も綾小路に心に存在を刻み込むと告げ、
「私が綾小路くんを好きな気持ちは変えられない。忘れることなんて出来ない。むしろ、あなたに会いたくて会いたくて仕方がなかった。クラスメイトの誰よりも、家族の誰よりも、私はあなたのことしか考えられなくなっている」
と改めて告白、二人は”契約”を結ぶ。
数日後、一之瀬は、網倉など特に仲の良い生徒や神崎ら”改革派”の数人を集めて、綾小路に救われたこと、綾小路は単なる影の薄い生徒ではないことなどを熱弁し、綾小路への好意も隠すことなく公言する。口先だけの大丈夫ではなく、今後は明確な方針を持ってリーダーとして引き続きクラスを率いていく決意を語るが、これまで一之瀬に反発していた神崎ですら戦慄が走るほどの異様な雰囲気を醸し出していた。
人間関係
当初は実力の読めない不思議な人という印象だったが、1年生編終盤にかけて彼に助けられ、物理的に急接近することが増えたこともあり次第に好意を寄せるようになる。綾小路からは「お前が退学になることは絶対に許さない」とまで言われており、堀北や龍園とは別に彼から重宝されている。
クラスメイト。参謀として自分を補佐してくれているのでクラスの中でも信頼を置いている。一方で神崎の方は現状の一之瀬の方針に危機感を抱いており、彼女が綾小路に好意を寄せている事は何となく察している為、彼に一之瀬に発破をかけるように頼んでいる。
クラスメイト。一之瀬の親友の一人で一緒に行動することが多い。実は一之瀬に対して好意を向けており、卒業までには振り向いてもらうと宣言されているが、綾小路に好意を抱く一之瀬にその想いに応える気はない。
クラスメイト。一之瀬の親友の一人で一緒に行動することが多く、共にスポーツジムに通っている。
クラスメイト。渡辺が修学旅行で綾小路と親しくなったことを機に綾小路と会う時は、渡辺を同席させることが増えている。2年生編10巻では綾小路に抱き着いてる場面を目撃されたことから、一之瀬にとって弱みを握られる形にもなった。
かつて同盟を結んでいた事もあってか、他クラスの生徒の中では絡みは多い。基本的に他人を信用しない堀北から唯一人柄を認められている。ちなみに2年生編からは同じ生徒会のメンバーとなり、互いに次期生徒会長候補であったが、一之瀬が脱退したため、堀北が新生徒会長に就任した。また、一之瀬は、正攻法で来る堀北は、坂柳や龍園よりは戦いやすいと考えている。
天敵その1。基本的に行動方針も戦術も何もかもが正反対な上に、お人好し集団のBクラスを盤外から突くような戦法が多い為、強い苦手意識を持っている。
天敵その2。表面上は仲良くしているが、9巻の陰湿な行いから内心では警戒している。坂柳からは意外にも気に入られており、綾小路への好意を見抜かれている。クルーズ船では善意で綾小路に対する忠告を受けたが、2年生編9巻では逆に坂柳の綾小路への恋心を指摘して坂柳に綾小路に惹かれていることを自覚させるきっかけを作った。
本編では絡みは少ないが、互いに恋愛が原動力で、依存気質を根底としているところでは似ている。一之瀬から見れば綾小路と付き合う軽井沢は恋敵であり、軽井沢の方も一之瀬は綾小路のことが好きなのではないか?という疑念を抱いている。その後、「生存と脱落の特別試験」を機に両者の関係は険悪なものになりつつある。
「安心して軽井沢さん。本当だよ、綾小路くんとは今はまだ何もない。——今はまだ、ね。」
1年生編3巻で共に表紙を飾ったが、二人が初めて絡んだのは10巻のクラス内投票の時である。利害の一致で一時的に協力している。伊吹からは善人ランキング1位だと思われているが、同時に完璧な善人を信じない彼女から信用はされていない。
一学年上の生徒会長。彼も1年生の頃はBクラススタートだったが、現在ではAクラスの独走状態を維持している為、一之瀬からは尊敬や憧れを抱かれている。とはいえ、10巻の描写から恋愛対象には入っていないらしく、間接的に彼からの交際を断っている。
入学直後に生徒会入りを希望したが葛城と共に一次審査で落とされている。その理由は、南雲の影響下に入ることを危惧していたことが後に発覚するが、南雲の独断行動で結果的に生徒会に入ることになった。
担任の教師。1年生編の4月時点でクラスをまとめ上げた事からかなり期待されていたが、ここ最近の低迷具合から、内心ではもうAクラス入りを諦められている。とはいえ関係は極めて良好で、アニメ版のクルーズ船では共にオイルマッサージを受けていた。
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