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フィンランド

ふぃんらんど

北ヨーロッパに位置する共和国
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概要編集

首都ヘルシンキ
面積33万8472平方キロメートル
人口560万4558人(2023年12月)
建国1917年12月6日(ロシア帝国より独立)
通貨ユーロ(1999年1月から)・(マルッカ(1860年4月 – 1999年1月)
公用語フィンランド語・スウェーデン語
国家元首(職)大統領
政体議院内閣制 共和国

フィンランド共和国(フィンランドきょうわこく、フィンランド語:Suomen Tasavalta、スウェーデン語:Republiken Finland、通称:フィンランド)は、北ヨーロッパに位置する共和国スカンジナビア半島東部に位置し、西はスウェーデン・北はノルウェー・東はロシアと隣接している。


2023年12月時点での人口は560万4558人である。


国体の変化が激しい歴史を有する国で、1918年12月に君主制から共和制へ移行し、1809年9月にロシア帝国に併合されてフィンランド大公国が成立するまでスウェーデン王国に属していた。1917年11月にロシア帝国が10月革命で崩壊し、それに伴って同年12月に独立を果たした後は4度も戦争を経験しており、特に冬戦争と継続戦争で幾らかの土地をソ連に割譲された。


歴史編集

初期編集

1581年7月にヨハン3世が後のフィンランド大公であるフィンランド及びカレリア大公となり、スウェーデン王国が宗主国となる形でフィンランド公国の建国が宣言されたが、これはフィンランドに植民したスウェーデン人が中心で長くは存続しなかった。1721年9月にニスタット条約が締結されてフィンランドの一部(カレリア)がロシア帝国に割譲され、1809年9月にアレクサンドル1世はフィンランド大公国を建国してフィンランド大公を兼任した。この時にフレデリクスハムンの和約が締結され、フィンランドはロシア帝国の統治に服した。


独立後編集

1917年12月にロシア帝国から独立し、1922年12月にソビエト連邦が成立した後は冬戦争継続戦争を一貫して不利な状況で戦い抜いた。冷戦時代は自由・民主主義を守りながらもソ連の影響下にあった。当時は資本主義経済を維持しつつも外交的には東側の1国であるかのように振る舞っており、国内でも冬戦争でのソ連の侵略に言及するのはタブーとなった。


社会編集

国家元首である大統領の任期は6年で3選は禁止され、議会制民主主義の国で議会が国権の最高機関である。エドゥスクンタ(Eduskunta)と呼ばれる議会は一院制で、200議席を15の選挙区に分けている。更に比例代表制選挙で選出されて政党助成金制度が存在し、任期は4年だが途中で解散される場合もある。先進的な北欧型の福祉国という印象が強いが、戦後は敗戦国の地位にもあって賠償金などの支払もあり、国政での労働者の権利を拡充する政策は後回しにされた。


議院内閣制編集

半大統領制に近い議院内閣制の政治制度を採用しており、かつては1919年7月に政体法で成立した半大統領制制で、そのシステムを世界で最初に採用した国であった。しかし2000年3月と2012年3月に憲法改正で議会の権限が強化されると、大統領の権限は議会と内閣へ段階的に移行し、または議会の協賛を必要とする事項が増えるなどして大統領の権限は大幅に制限された。


首相の指名は議会の役割となって任命権は形式化され、内閣のその他の大臣を指名する事も首相による指名を形式的に任命するのみとなった。更に政策を決定する際は内閣の提案に基づかなければならず、内閣の提案も無しに大統領が自発的に政策を決定できなくなった。外交と安全保障に関する分野は国家元首である大統領が担うとされているが、その政策も内閣と共同して決定される事が基本となっている。議会の解散権は首相が提案しなければ行使できない事が規定され、法案の拒否権は議会が再度可決すれば大統領の署名が無くても法案を成立させられるようになった。


情勢編集

少なくとも現状では国内情勢は安定しており、2011年6月から2022年7月まで世界失敗国家ランキングで最下位、つまり世界で最も失敗国から遠い国と評価されていた。2023年6月は最下位では無くなったがそれでも下から3番目で、現状では世界でもトップクラスに安定した国と評価されている。世界で政治家による汚職が少なく、2024年1月時点でデンマークに次ぐ2位となっている。


国際関係編集

  • アメリカ合衆国

1947年3月に東西冷戦が発生するとパーシキヴィ・ケッコネン路線を掲げ、ソ連との軍事条約に基づく友好・中立外交を両立しながら独立を維持した。1991年12月にソ連が崩壊するまで、長年に亘るアメリカへの政策は「フィンランドの中立を支持し、フィンランドと西側諸国との歴史・文化・経済関係を維持・強化する事」であった。具体的な事はリンク先を参照。


  • ロシア連邦

1945年9月に第2次世界大戦が終結した後、資本主義を維持したまま共産化やワルシャワ条約機構に加盟する事も無く、ソ連へ配慮しながらも中立国として国際的な立場を維持した。2022年2月にロシア・ウクライナ戦争が開戦したのを契機にNATOの加盟をめぐる審議を開始し、同年5月に隣接するスウェーデンと共に加盟を申請した後、2023年4月に31か国目の加盟国となった。


日本との関係編集

歴史的な経緯から、独立以来第二次世界大戦の時期を除いて友好関係にある。経済関係では木材の輸入が多く、日本はフィンランドにとって林業産品の最大のお得意様で、最近は駐日大使館の公式アカウントが荒ぶっていたりもした。フィンランド国内では現在でも猟銃としてかつての日本陸軍三八式歩兵銃が使用されている例が見られるが、それは冬戦争の前後に大量に輸入したものが終戦後に放出された事に由来する。


軍事編集

陸軍・海軍・空軍で構成されるフィンランド国防軍を保有し、この他に内務省の指揮下にある国境警備隊があって有事の際は軍に統合される。半年から1年間の徴兵制を実施しており、18歳以上の男性が対象となっている。ただし女性は志願制だが、例外として宗教法人であるエホバの証人の信者は良心的兵役拒否の下で免除されている。


地理編集

全体的に平坦で高い山地が少ない。おおよそ南部の湖沼地帯と、北部のラップランドと呼ばれる地域の一部を含む平野に分類される。最高地点はノルウェーとの境にある標高1365メートルのハルティ山の1324メートル地点にある。


経済編集

豊富な木材資源を活かした林業・製紙・製材を初め、化学・金属産業が中心である。日本にもフィンランド産の木材・製材品が多く輸入される。他にもIT産業が盛んで、携帯電話メーカーであったノキア(現在は通信機器メーカー)などが有名である。


経済は高所得国の部類に入るが、2008年9月にリーマンショックが発生してから失業率が高い状態が続く。他の北ヨーロッパ諸国と比べるとほぼ日本の高度経済成長と同じぐらい経済が発展した時期が遅く、高い外需依存率とユーロ圏に入っている事もあって世界的な景気変動の影響を受けやすい。1999年1月に通貨がユーロになり、1860年4月から使用してきたマルッカを廃止した。


文化編集

ラップランドは「ニルスのふしぎな旅」でのガンの群の最終目的地・サンタクロースの公認居住地の1つ(他にグリーンランドなど)として知られ、クリスマスをテーマとしたテーマパークなどがある。


世界で1番ダサいPVはこの国で製作され、エアギター・奥様運び・携帯電話投げ・サウナ・アヴァント水泳・雪合戦大会・コケモモ摘み・泥サッカーといった奇抜な大会で知られる。モータースポーツの世界で優秀な成績を残す選手を多く輩出しており、業界内ではフライングフィンと呼ばれている。この愛称自体は元々陸上競技の選手に与えられていたもので、モータースポーツ選手に限定されずに使用されている。


国民編集

特徴的な事柄を挙げるとすれば男女同権思想があり、生産性が低い土地に住んでいた為か農業時代から女性も男性と同じぐらいに働いて発言権を持っていた。フィンランドで普通選挙が導入された時、ヨーロッパ初の女性参政権が当然のようにあったのはフィンランドならではである。

主要構成民族であるフィン人は数千年前に東のウラル地方から移動してきて、この地に定着した。同じくウラル地方を発祥の地とするハンガリー人(マジャール人)とは比較的近く、バルト海沿岸に定着した後に分かれたエストニア人とは更に近い。そのため特にフィンランド語はエストニア語とはかなり近く、通訳なしでもなんとか互いの話が通じる程とされる。


言語編集

公用語はフィンランド語(スオミ語)とスウェーデン語の2つで、この内フィンランド語は周辺のヨーロッパ系言語とは全く異なるウラル系の言語で、同じくフィン・ウゴル語派マジャル語エストニア語とはいとこ同士のような関係である。印欧語と異なるので欧米人にとって最も難しい言語に数えられるが、日本語とは発音・文法など近い面が多いので比較的簡単そうに思えるが、やはり日本人にとっても難しい。


スウェーデン語が公用語となっているのは長らくスウェーデンの支配下にあった名残であるが、現在でもオーランド諸島を初めとしてスウェーデン系フィンランド人は全人口の6パーセント弱を占めている。日本で定着している「フィンランド」という国名はスウェーデン語由来の呼び方であり、フィンランド語では「スオミ(Suomi)」と称される。


婚姻編集

婚姻する際には夫婦別姓・夫婦同姓・相手の姓の付加(後置)を選択できる。1929年6月に成立した婚姻法では妻が夫の姓に改姓する事が義務付けられていたのが1987年4月に改正され、2017年3月から同性婚も可能となった。



渡航編集

査証免除取極により90日を超えない限り査証は不要。滞在期限はシェンゲン協定により90日を超えない180日以内。10年以内に発行された有効期限が出国予定日を含む3ヶ月以内のパスポートが必要。

日本の外務省は危険情報は発令してないが、観光シーズンにスリや置き引きが多発しているため用心してほしいとのこと。


余談編集

  • 日本でのフィンランド像

フィンランドは他の北ヨーロッパ諸国と並び、子育て支援や福祉国という点でリベラルなイメージが先行する一方、トルコなどと共に一部の人々によって歪んだ親日のイメージが広められている側面がある。例えば日露戦争の勝利がフィンランド独立の後押しとなったとしばしば言われ、軍歌が作成された事に見られるように一部では日本の勝利を歓迎する風潮もあったようである。


実際には多くのフィンランド人がロシア軍に参加して日本軍と戦っており、フィンランド大使館は独立の直接の契機として第一次世界大戦ロシア革命」を挙げ、日露戦争の影響をはっきり否定した事があり、「日露戦争直後に東郷平八郎のラベルが貼られたビールを売り出した」、といった偽史創作実話については迷惑がっているようである。(実際の発売は1970年)


一部の人々にとってのフィンランド像は昔からこう言ったものだった訳では無い。冷戦時代には反共意識が強かった日本の保守層から、当時のフィンランドの対ソ外交政策がフィンランド化などと揶揄され、ソ連の属国などと侮蔑される事も多かった。実際に当時の中曽根康弘首相が防衛努力の必要性を強調する意味でフィンランドを引き合いに出したことで、フィンランド大使館が抗議したこともある。これが一転したのは冷戦が終結した後、冬戦争での奮戦が知られるようになってからである。


関連項目編集

ムーミン NOKIA Linux

フィンランド軍 マンネルヘイム シモ・ヘイヘ Suomi

スオミネイト:古くから存在するフィンランドを擬人化した存在。フィンランドの地理を説明する際にしばしばこのスオミネイトの体の部位に例えられる。

サンタクロース


関連キャラクター編集


まだらミイラ/カルマ西洋妖怪


曖昧さ回避編集


関連イラスト編集

フィンたん・・・マジ?

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