シノムラ
しのむら
“MUTO”という名前で呼称された最初の怪獣だが、映画に登場したMUTOとは別種の怪獣であり、後にMONARCHの芹沢英二(映画に登場した芹沢猪四郎博士の父親)によってシノムラと命名された。名の由来は日本語の「死の群れ(swarm of death)」とされている。
ゴジラやMUTOと同様に古生代ペルム紀に生息していた怪獣で、見た目は足の代わりに巨大な翼を持ったサソリまたは竜のような姿をしている。しかしその実態は、数百万に及ぶ単細胞生物が寄り集まってコロニーを作り、そのコロニー全体が意識を共有し、あたかも1体の怪獣のように振る舞う群体生物である(日本のゴジラ怪獣でいえば、ヘドラやデストロイアに近い)。群体生物という性質から身体の分裂と再結合が可能となっている。
コロニーを形作る単細胞は黒と青で彩られたヒトデのような姿をしており、ヒトデ同様の強い再生能力を持ち、放射線を代謝してコロニー全体を成長させていく。また、放射線の代謝だけでなく捕食活動も行っており、ペルム紀当時は巨大なオウムガイのような生物を食べ、現代に復活してからは人間を襲い(恐らくは)捕食している。
ゴジラとは捕食-被食関係にあるとされているが、放射線をエネルギー源にコロニーは急激に成長していき、いずれはゴジラにも止めることのできない強大な怪獣になった可能性が示唆されている。
海から打ち上げられた生物の死骸を食べていたところをゴジラに襲われ、熱線の一撃によってシノムラは吹き飛ばされてしまう。ちょうど時を同じくして、巨大な隕石が地球に落下。地表の放射性レベルが激しく低下すると共に、その衝撃による地割れによってシノムラの身体は地下深くへと落下していった。
そして現代。
地下深くで長い休眠に入っていたシノムラだが、1945年の広島への原爆投下による放射線を吸収して覚醒。付近の船を襲い始め、未知の生物の存在を人類に知らしめた。このシノムラの出現が、未知の巨大生物を研究するMONARCHの発足、そして頂点捕食者たるゴジラ復活の切っ掛けとなったことが漫画では描かれている。
当初、覚醒したのは1体だけだったが、ゴジラとの戦いによって引き千切られた身体の一部をMONARCHが回収、それに放射線を照射する実験を行ったところ、その僅かな肉片から再生し2体目が出現。後にこの2体が合体し、より巨大な単体となってゴジラを迎え撃つが、ゴジラの熱線を受けて2体に分裂させられ、更なる熱線によって1体が焼き尽くされる。残された1体も1954年、人類によってゴジラと共にビキニ環礁へ誘導され、「実験」と称した核攻撃により完全に死滅した。
なお、モンスターバースの公式年表にはシノムラの存在は記載されていない様子である。とはいえ、『キング・オブ・モンスターズ』のパンフレットの記述があるなど、全くなかった事にはなっていない。
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