曖昧さ回避
- ある作品の登場人物が、その作品の設定を保ったまま別の作品に登場する趣向。あるいはそういった作品(クロスオーバー作品)。本項で詳述。
- ジャズにラテン・ソウル・ロックなど、異なったジャンルの音楽の要素を掛け合わせたスタイルを指す音楽用語。日本ではミクスチャーと表現することが多い。
- SUVのテイストを導入した乗用車。往年のセダンやワゴンに代わって近年の乗用車のボディスタイルの主流となっている。→クロスオーバーSUV
- 鉄道、線路の渡り線。
クロスオーバー作品
狭義では「複数の独立したシリーズが一時的に一つのストーリーを共有した作品」をいうが、日本では一般的に、「ある作品のキャラクターが『その作品の設定を保ったまま』別の作品に登場する作品」を指すことが多い。これに対し、「ある作品のキャラクターが『同名で顔が同じだが、設定が違う別人』として別の作品に出演する」場合はスターシステムと呼ぶが、作品によってはどっちなのか曖昧なことがある。
英語で「Fictional crossover」と表記される。
よく知られた作品
アメコミ作品ではキャラクターの著作権をパブリッシャーが持つ事情から、複数シリーズのスーパーヒーローがチームを組むクロスオーバーが頻繁に行われる。定番となっているシリーズとしては、
- 『アベンジャーズ』(マーベル)
- 『ジャスティス・リーグ』(DC)
- 『ティーン・タイタンズ』(DC)
など。詳細は本記事内「アメコミのクロスオーバー」で詳述する。
日本では、
- 日本に於ける嚆矢、『マジンガーZ対デビルマン』
- 映画化もされた『ルパン三世VS名探偵コナン』
- 「スーパー○○大戦」の語源にもなっている『スーパーロボット大戦』
- 世界的に有名なゲームキャラクターが一堂に会する『大乱闘スマッシュブラザーズ』
- 歴代(当時)スーパー戦隊34組へ変身する『海賊戦隊ゴーカイジャー』
- 歴代のプリキュア達が作品の枠を超えて集結する『プリキュアオールスターズ』
などがある。
ほかの作品を含めた一覧については、版権クロスオーバーおよびWikipediaの「当該記事」を参照のこと。
原作との関係
クロスオーバーした作品の原作シリーズでは、クロスオーバー作品で共演した事実は特に言及されず無かったことになることが多い。これは異なる作品の設定の整合性をとるのが面倒であるためだと思われる。
この場合、クロスオーバーした作品世界は原作とはパラレルワールドとなる。このため、作品内でメタ発言でもない限りは、公式が明言しているか否かにかかわらず、クロスオーバー作品での設定は原作とは区別して扱うのが無難である。
混同されやすい言葉・微妙に違う事柄
コラボレーション / コラボ
漫画やイラスト、小説などにおいて「コラボレーション」という言葉を使う場合は共同制作や合作のことを指す。クロスオーバーの要素も持つ場合もあるが少ない。
音ゲーにおける相互楽曲交換や、ソーシャルゲームの期間限定コラボイベント(シナリオ)はこれに該当する。
夢の共演という側面が強いのは
- 『艦隊これくしょん』と『蒼き鋼のアルペジオ』の「迎撃!霧の艦隊」
- 『グランブルーファンタジー』と『プリンセスコネクト!Re:Dive』の「蒼空の食卓をともに」(グラブル側)と「コネクト・ウィズ・ブルー」(プリコネ側)
- 『太鼓の達人』に収録された『jubeat』のFLOWER、及びその逆のきたさいたま2000
あたりであろうか。
また、「天下一音ゲ祭」という大規模な音楽ゲームの公式大会があったが、これもコラボと呼ぶのが相応しい。
ダブルパロディ
ある作品の場面を他の作品のキャラクターに置き換えて、あるいは別の作品の世界観・作風に当てはめて描いた二次創作。
クロスオーバーが「キャラA×キャラB」なのに対し、ダブルパロディはキャラBに当てはまるのが「作品Bの作風」や「キャラBの特徴(セリフなど)」なのが決定的な違い。
セクピスパロやハリポタパロなど事例が非常に多いため別項参照。
客演 / ゲスト出演
たった1話、あるいは数話のみの共演。アニメや漫画に詳しくない人にも分かりやすいものでは以下が挙げられる。
- 漫画『ドラゴンボール』で孫悟空が、同作者の漫画『Dr.スランプ』の舞台であるペンギン村を訪れ則巻アラレと出会う。
- 『銀河鉄道999』の劇場版などへの『キャプテンハーロック』や『クイーン・エメラルダス』、『トチロー』の登場。
- 『シュガー・ラッシュ』にカメオ出演するソニックやクッパなどの日本のゲームキャラたち。
同じ世界観な作品同士
一応オールスターや夢の共演ではあるものの、クロスオーバーの醍醐味は「本来出会うはずの無いキャラクターが出会う」という部分が大きいため、そういった観点でクロスオーバーとは似て非なるものになってしまう。
しかし『マクロス30銀河を繋ぐ歌声』や『ジョジョの奇妙な冒険オールスターバトル』の場合、キャラクターが一堂に会するには時代が開きすぎている課題もあるため一概には言えない。
疑似クロスオーバー・クロスオーバー風
かなり数は少ないが、まるで別の作品から参戦したかのように雰囲気の違うキャラクターたちが、疑似クロスオーバーをしているような世界観を持つ作品は該当しない。
たとえモチーフがバラバラでも、その作品のオリジナルキャラなことは揺るぎないからである。
理由は省くが、『Re:CREATORS』はこれに該当しつつも、クロスオーバーという言葉の扱い方が前例にない。
トレーディングカードゲームでの共演
- リーフファイトTCG
- スーパーロボット大戦 スクランブルギャザー
- ヴァイスシュヴァルツ
これらは誤解を恐れずに書くと、紙にキャラクターの姿を印刷して並べているだけな事がほとんどで、一枚絵の中でちゃんと共演している事例は比較的かなり少ない。そのため後に挙げる「クロスオーバーを扱っている作品」とは全く毛色が違う。これらに関しては前述のコラボに近いだろうか。
ちなみにこんな企画もある。
非公式クロスオーバー
pixivなどに投稿されている版権クロスオーバー創作は公式クロスオーバー作品をもとにしたものもあるが、投稿者が既存の作品を勝手に組み合わせている非公式クロスオーバーや、別作品のキャラをくっつけているカップリングネタ(クロスオーバーカップリング)も多い。
また、近年では単語の意味範囲が広がり、夢小説や二次オリでは「別の作品のキャラクターは出さないが、別の作品の技や理論、アイテムなどを拝借して使用する」というタイプの作品もクロスオーバーとして投稿されている。(「技だけクロス」「クロスオーバー要素あり」等)
扱い方によっては既存作品のファンから不快に思われる可能性がある。非商業作品でも、『魔女の家』のように明確にクロスオーバー創作を禁止している作品もある。
pixivファンタジアに代表されるテーマ企画では、別のテーマ企画とのクロスオーバーはローカルルールで禁止されている事が多い。これは閲覧数集計等の関係で検索妨害となってしまう為である。
なお、同じテーマ企画同士でクロスオーバーをする際は問題ない。ピクファンの作品同士のクロスオーバーに関してはピクファンクロスオーバーと言うタグが用意されている。
カクヨムやノベルアップ+のような一部二次創作を許可している小説サイトであっても、クロスオーバーに関しては明確に禁止している場合がある(カクヨムはガイドラインで明確的に禁止している)。
ピクシブ百科事典では非公式クロスオーバーネタのコラボタグが大量にあり、中には投稿作品がないのに何故かコラボタグの記事が立てられている場合もある(→投稿作品の無い記事一覧)。作品世界などに共通点をこじつけてクロスオーバーさせるような記事については中の人繋がりと同様、「繋がり荒らし」とされる事がある(執筆者が勝手に考えたクロスオーバーネタを公式コラボと誤認されるように書いているのであれば規約違反にも当たる)。
クロスオーバーネタの注意点
- クロスオーバー作品を投稿する際には、公式・非公式を問わず極力クロスオーバータグを付けること。ただ単に「作品名A+作品名B」で検索してもログまとめや詰め合わせばかりがヒットしてしまうため、クロスオーバー作品を見つけやすくするためである(検索避けなどの役割も兼ねている)。
- クロスオーバー作品は二次創作と言う位置づけなので、オリジナルや一次創作のタグを付けるのは間違いである。検索妨害になりかねないのでやめよう。
- クロスオーバー作品同士はなるべく公平に扱おう。特定の一作品を贔屓して他の作品を軽く扱う(特に当て馬や踏み台にしたり、一方的に悪役として扱ったりする)内容は蹂躙系として反感を買う。
- しかし、ゲームなどの場合、どうしてもゲームバランスに配慮した改変を行わざるを得ず、それを不快に思うファンも多い。
- 他にもクロスオーバーの中には「ぼくのかんがえたさいきょうのさくひん」になってしまっている作品も少なからず見られる。そういう作品と混同されたくないためにクロスオーバータグを付けられれるのを忌避する人も居る。
アメコミのクロスオーバー
アメリカン・コミックスの二大レーベルであるマーベルとDCは、日本の漫画と異なり、キャラクターの著作権のほとんどがクリエイターではなく、出版社に帰属する契約で制作される(ただし、二大陣営に次ぐ中堅レーベルのダークホース・コミックスやイメージ・コミックスから出ている作品は、日本と同じ「著作権を版元ではなく原作者が所有する」というのが原則)。
つまり、出版社は作者に断りなく別の作品のキャラクターを混ぜてしまうことができるわけで、シリーズの枠を超えた共演が日常茶飯事である。マーベルでは、「スパイダーマン」のコミックにハルクがゲスト出演したり、「キャプテンアメリカ」第○号の話が、「アイアンマン」第○号に続いたり、といった具合に頻繁に行われている。DCでも、スーパーマンとバットマンのクロスオーバーシリーズである「The World's Finest」などは独立した映画化が企画されるぐらいの一大タイトルになっている。
また、マーベルとDCではクロスオーバーがやりやすいように「自分達が出版している作品(=権利を持っている)のキャラクター達は同じ世界に住んでいる」という設定でクリエイターに作品を作らせることが多い。こういった出版社ごとの世界観のことは、「ユニバース」と(俗に)呼ばれている。具体的に言うと、マーベル・ユニバース、DCユニバースなどが挙げられる。(このシステムによって、)とても他の作品と同じ世界観でくっついているとは思えない独自性の強い作品であっても、平行世界やタイムパラドックスがどうこうといった感じで、(まるで理屈と膏薬はどこにでもくっつくと言っているかの如く、)同じユニバースであるとしてしまうのがアメコミ出版社のお家芸となっている。
アベンジャーズやジャスティス・リーグといった「同じ出版社の別作品のヒーロー同士のチーム」が生まれたのは、ユニバースという仕組みがあったからこそとは言える。もっとも、クロスオーバーが当然となってしまうと、同時に驚きもなくなるという弊害があるのか、年に1回は「大型クロスオーバーイベント」が行われるのもアメコミの慣例となっている。この時は主なヒーロー達が一堂に集結した上で、読者の予想を超えるような衝撃的なことをする(ある作品の主人公をクロスオーバーのお祭り作品で殺して、その作品の単独タイトル本編の方でもその設定を引きずらせるとか)。最近の例でいうと、「キャプテン・アメリカが、実はずっとヒドラの一員でした」というイベントが行われた。こういったアメコミでおなじみの手法が、MCUの成功をきっかけに現在はコミックの実写映画や、他のジャンルでも行われるようになっている。こういった映画におけるクロスオーバーは、ユニバースの項を参照されたい。
同じ出版社内のみならず、DCとマーベルを跨いだクロスオーバーも行われている。『スーパーマンvsスパイダーマン』『バットマンvsハルク』といった個別のタイトル同士のクロスオーバーはもちろん、『DCvsMARVEL』といった、ユニバースそのものの対決クロスオーバーが行われていた(のちに、それぞれの世界とキャラが合体した『アマルガム』という一大イベントが行われた)。
また、映像作品のコミック化に定評のあるダークホース・コミックは、『エイリアンvsプレデター(AVP)』のような、原作が映画作品同士のクロスオーバータイトルも多数手掛けている(AVPは後にゲームや映画化されて有名になった)。同社ではこの他、『バットマンvsプレデター』、『ロボコップvsターミネーター』といった多数のクロスオーバータイトルが存在する。
外部リンク
Category:トレーディングカードゲームのクロスオーバー作品
関連イラスト
関連タグ
コラボレーション(関連タグまとめあり) スターシステム アメリカン・コミック
オールスター 夢の共演 / 夢の競演 / 夢の狂演 合体攻撃 / 合体技 SRC
クロスオーバー作品 悪夢の共演 出会うな危険 あーあ、出会っちまったか
多重クロス(三本以上の作品をクロスオーバーさせる作品に使用)
クロスオーバーカップル クロスオーバーカップリング(異なる作品のキャラ同士のカップリング)
評価タグ
イラスト・漫画
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