X-32とは、JSF(統合攻撃戦闘機)計画においてボーイングが開発した実証機である。
1990年代から始まったアメリカの戦闘機開発計画JSF(Joint Strike Fighter)のCDP(概念実証段階)において、2機が製造された。※JSFについては → JSF
1号機のX-32A(CTOL)は2000年9月に初飛行、2号機であるX-32B(STOVL)は2001年3月に初飛行した。JSFではCTOL、STOVL、CVの3タイプの試験を行う必要があったが、ボーイングではX-32AでCV型用の試験も行った(ロッキード・マーティンはX-35Aで試験を実施した後にX-35Bに改造してSTOVL用の試験を実施)。X-32Aは66回、50.8時間、X-32Bは78回、43.3時間の飛行を行った。飛行審査の結果、2001年10月に、CDPに続くSDD(システム開発及び実証)に進む企業には、ロッキード・マーティンが選ばれた。[1]
機体はステルス性を考慮し、水平尾翼を廃したデルタ翼機となっている。このため垂直離着陸を行うための(大量の空気を取り入れる)大型のエアインテークもあって、どこか紅茶の香りが漂う特徴的な機体形状となっている。ジェットエンジン噴射口は上下20度ずつ稼働する推力偏向ノズルが採用されており、低空高速飛行時の機動性を高める役割を負う。
ちなみにSTOVL型では垂直離着陸を行う際、エアインテークが変形してワリオあごが外れたような見た目になるとか。
機体は炭素繊維複合材を多用している。
エンジンはF-22用F119を元にしたプラット&ホイットニーF135ターボファンエンジンを搭載する。
ボーイングはX-32がロールアウトする前に大幅な設計変更を行なった想像図(コンフィグレーション373)を公表したが、その図では機体は水平尾翼を持った後退翼機となっており、空気取り入れ口の形状も変更されていた。[2]
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最終更新:2025/03/26(水) 07:00
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