音名(おんめい)とは、音の高さを示す名前である。
簡単に言えば「ドレミファソラシド」のことであるが、各言語によって様々な音名がつけられている。
ピアノの白鍵で鳴らせる音(幹音)の名称。現在日本で使われる表記はほぼ以下の4種類である。
イタリア語 | Do | Re | Mi | Fa | Sol | La | Si |
---|---|---|---|---|---|---|---|
日本語 | ハ | ニ | ホ | ヘ | ト | イ | ロ |
英語 | C | D | E | F | G | A | B |
ドイツ語 | C (ツェー) |
D (デー) |
E (エー) |
F (エフ) |
G (ゲー) |
A (アー) |
H (ハー) |
ピアノの黒鍵で鳴らせる音(派生音)の表記と名称は以下の通り。ここでは例として「C」に変化記号を付けた場合を記載するが、ドイツ語のみ例外が多いため全種類を記載する。
半音2つ下 | 半音下 | 幹音 | 半音上 | 半音2つ上 | |
---|---|---|---|---|---|
イタリア語 | Do♭♭ | Do♭ | Do | Do♯ | Dox |
日本語 | 重変ハ | 変ハ | ハ | 嬰ハ | 重嬰ハ |
英語 | C♭♭ (ダブルフラット) |
C♭ (フラット) |
C | C♯ (シャープ) |
Cx (ダブルシャープ) |
ドイツ語 | Ceses (ツェセス) | Ces (ツェス) | C (ツェー) | Cis (ツィス) | Cisis (ツィシス) |
Deses (デセス) | Des (デス) | D (デー) | Dis (ディス) | Disis (ディシス) | |
Eses (エセス) | Es (エス) | E (エー) | Eis (エイス) | Eisis (エイシス) | |
Feses (フェセス) | Fes (フェス) | F (エフ) | Fis (フィス) | Fisis (フィシス) | |
Geses (ゲセス) | Ges (ゲス) | G (ゲー) | Gis (ギス) | Gisis (ギシス) | |
Ases (アセス) Asas (アサス) |
As (アス) | A (アー) | Ais (アイス) | Aisis (アイシス) | |
Heses (ヘセス) Bes (ベス) BB (ベーベー) |
B (ベー) | H (ハー) | His (ヒス) | Hisis (ヒシス) |
この表からわかるように、英語音名の「B (ビー = ロ音)」とドイツ語音名の「B (ベー = 変ロ音)」は別の音を表す。また、英語音名の「A (エイ)」とドイツ語音名の「E (エー)」は日本人の耳には区別が難しい。他にも、イタリア語のものは音名のほかに階名として用いられることもある。そのため、通常はこれらを混ぜて使用することはない。
ただし日本では、幹音をイタリア語音名、派生音をドイツ語音名で「ラ Cis(チス) ミ」「Es(エス) ソ B(ベー)」のように混ぜて使用する流派もある(参考)。
なお、オランダ語ではドイツ語音名を基本としつつ、ロ音は「B」、変ロ音は「Bes」、重変ロ音は「Beses」と表記する。こっちのほうがドイツ語よりも格段に分かりやすそうだし、英語音名と混ぜても齟齬が生じないため使いやすそうだが、日本ではまず使われることはない。
このままでは「高いド」と「低いド」を区別できないため、音の高さを示すための表記が存在する。
以下は音名表記ではないが、参考までに記載する。
国際式 | 日本語 | 英語 | カラオケ板方式 | 周波数 | MIDI | FlMML |
---|---|---|---|---|---|---|
C10~B10 | 七点 ハ~ロ |
Seven-lined C~B | A10=28160Hz C10=16744Hz |
範囲外 | 範囲外 | |
C9~B9 | 六点 ハ~ロ |
Six-lined C~B | A9=14080Hz C9=8372Hz |
120~127 (C9~G9) |
範囲外 | |
C8~B8 | 五点 ハ~ロ |
Five-lined C~B Triple High C |
A8=7040Hz C8=4186Hz |
108~119 | 範囲外 | |
C7~B7 | 四点 ハ~ロ |
Four-lined C~B Double High C |
hihihihiA~B hihihiC~G♯ |
A7=3520Hz C7=2093Hz |
96~107 | o8 |
C6~B6 | 三点 ハ~ロ |
Three-lined C~B High C |
hihihiA~B hihiC~G♯ |
A6=1760Hz C6=1046.5Hz |
84~95 | o7 |
C5~B5 | 二点 ハ~ロ |
Two-lined C~B Treble C |
hihiA~B hiC~G♯ |
A5=880Hz C5=523.25Hz |
72~83 | o6 |
C4~B4 | 一点 ハ~ロ |
One-lined C~B Middle C |
hiA~B mid2C~G♯ |
A4=440Hz C4=261.63Hz |
60~71 | o5 |
C3~B3 | ハ~ロ | Small C~B Bass C |
mid2A~B mid1C~G♯ |
A3=220Hz C3=130.81Hz |
48~59 | o4 |
C2~B2 | は~ろ | Great C~B Pedal C |
mid1A~B lowC~G♯ |
A2=110Hz C2=65.406Hz |
36~47 | o3 |
C1~B1 | 下一点 は~ろ |
Contra C~B Double Pedal C |
lowA~B lowlowC~G♯ |
A1=55Hz C1=32.703Hz |
24~35 | o2 |
C0~B0 | 下二点 は~ろ |
Subcontra C~B Triple Pedal C |
lowlowA~B lowlowlowC~G♯ |
A0=27.5Hz C0=16.352Hz |
12~23 | o1 |
C-1~B-1 | 下三点 は~ろ |
Octocontra C~B | A-1=13.75Hz C-1=8.1758Hz |
0~11 | o0 |
さだまさしの「シラミ騒動」に涼宮ハルヒの憂鬱の映像を乗せた動画。メロディーのイタリア語音名がそのまま日本語の歌詞になっている曲である。動画中では、さだまさしがどういうきっかけでこの歌を作ったかについても語られている。
なお、シラミ騒動は第2楽章・第3楽章も存在する(YouTubeリンク)。第3楽章ではドイツ語音名の「A(アー)」「H(ハー)」「B(ベー)」も用いられている。
同じ発想で、イタリア語音名・日本語音名・英語音名・ドイツ語音名を器用に組み合わせて作られた曲。
カラオケ板方式の音名表記が用いられている動画。調性に従えば「B♭」「E♭」「B♯」になる箇所でも、音域を比較するという本来の目的を達成するために「A♯」「D♯」「C」と表記されていることが確認できる。
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最終更新:2025/04/20(日) 06:00
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