日本時間2020年1月14日、Windows 7のサポートが終了しました。 |
Windows 7(以下7)とは、マイクロソフトが発売したWindows系OSである。
概要
Windows Vistaの後継として、日本では2009年10月22日に発売された。
機能的にはVista(内部バージョンは6.0)の改良版なので、内部バージョンは6.1となっている。開発コードネームは初期には「Blackcomb」、その後「Vienna」と変更され、最終的に「7」に固まってこれがそのまま製品名となった。
なお「7」の由来は、Windows「1.0/2.0/3.x/4.x(95・98・98SE・Me)/5.x(2000・XP)/6.0(Vista)」と数えて第7世代の製品という理由。ただし、上記の通りバージョンは6.1である。
なお、CPUレベルのサポートはWindows 8.1と同様、Skylakeまでとなっており、後継のKabylakeは動作保証外となっている。
マイクロソフトによるサポートは2020年1月14日に終了、追加でセキュリティアップデートや重要な更新を最大3年間提供する「Extended Security Update(ESU)」も2023年1月に終了している。[1]
サポートを既に終了している過去Windowsの記事にも掲載されている通り、(サポート終了状態で)インターネットに繋ぐのはセキュリティの関係上非常に危険。サポートが数年続くウイルス対策ソフトはどうしても使用しなければいけない場合に必ず導入するものであり、安心しきってインターネットに繋ぐことは厳禁である。単独で使用しない限りは早急のアップグレードを。また、セキュリティ強化などでWindows7で起動できないソフトやブラウザも増えており、メインとなるhome editionは64bitでも16GB未満しかメインメモリを扱えない上、デフォルトでUSB3.0系のデバイスをサポートしていない(マザーボードのドライバが必要)等現在メインで使用出来るOSではないことも付け加えておく。
現在でも役所や組み込み系などで動いているのを見ることが出来る・・・かもしれない。(執筆者は2023年に三菱UFJのATMで動いているのを見かけた。)
MinWinカーネル
MicrosoftのWindows開発チームは、「7はVistaを基に改良したものであり、新規開発はしていない」としている。
実際、機能的には2000(NT5.0)を基にしたXP(NT5.1)と同様にVistaを改良・拡張したものだが、内部的には「MinWin化」が行われており、拡張を重ねて複雑化しすぎていた基本構造が大幅に整理されて派生品や後継品の開発が容易になっている。
「MinWin」は「NTカーネルと最小限の周辺コンポーネント」というような意味で、整理されて新しくなったWindowsの中枢部を指す言葉なのだが、発表された当時は「RAM消費量25MB!」というデモの内容(実際に起動していたのはMS-DOSに相当するようなMinWin本体の基幹機能のみ。当然ながら単体販売の予定はない)から「Windows NT系とは全く異なる、劇的に軽量化された完全新設計のWindows」という誤解が広まった。
実際に要求されるスペックは、Windows Vistaとほぼ同じである。
普及状況
初期のWindows XPパソコンの発売から8年経過していたこともあり、初期モデルのユーザーの買い換え需要も相まって、リリースから3ヶ月で全世界9000万本を販売、1年で2億4000万本を売り、歴代最速のペースで普及していった。
その後2014年4月でWindows XPのサポートが終了することに伴い、2012年より大手企業を中心にWindows 7への買い換えが進んでいった。
2014年6月時点で、世界で他のOSを含めたすべてのシェアの5割超えに達している。
ただし、Kabylake以降のCPU搭載のPCに至っては動作保証外とし、SkylakeのCPUを搭載したPCのサポート期限は重要な更新を除いて、2018年7月に短縮され、それ以外は2020年1月である為XP同様のリプレース問題が2018年から発生すると見込まれているが、セキュリティホールやバグ修正などが主な重要な更新は延長サポートまで継続されるため、大した問題ではないだろう。
その後、マイクロソフトがWindows 10へのアップグレードを発売開始から1年間に限って無償で行えるとしたため、今のWindows 7搭載のパソコンを使い続けたい場合は、Windows 10に乗り換える手も十分考えられる状況となっている。
なお、これらの制限については同一ビルドで鯖向けのWindows Server 2008 R2へは影響を受けない。
Windows 10への自動アップグレードについて
ITmediaによれば少なくとも2016年5月以降、Windows 10への自動アップグレードが開始された模様。
121wareによればKB3095675が原因との事で、GigazineではWindows Updateの設定を変更する事で回避可能と報じている。但し、更新プログラムを手動適用しなければならなくなる。アップグレードに関する画面が表示された場合は上記121wareの他こちら(@IT)とこちら(ねとらぼ)、こちら(121ware)及びこちら(FMVサポート)を参照。表示されなくても念の為参照した方が良い。なお、Get Windows 10をクリックしただけで予約されると言う報告もあるのに注意。
以前はOSが変更される前に意思確認が行われるとのマイクロソフト側の発言も有ったのだが、現在はこの方針は撤回しており121wareにおいてもOSアップグレード中に表示されると記述している。
なお、マイクロソフトは回避手順としてコマンドプロンプトを操作する様に発表している。
これに付いては2016年3月の時点で既にTwitter上でWindows 10への自動アップグレードが開始されたとの報告が相次いでおり、121wareも自動的にアップグレードされる場合が有るとしていた。この事を扱った@ITの記事内では予約ユーザーに限定されるとしているが、予約が自動的に行われるとの記述も有り一貫していない。確かなのは2016年3月を境に、自動的なアップグレードに翻弄されるユーザーが多発していた事である。また、同記事では非予約ユーザーへの拡大の可能性にも言及されていた。
現在は無償アップグレード期間終了により、問題は収束している。
エディション一覧
※日本で発売されるもの
エディション名 | Vistaとの準拠 | 概要 |
---|---|---|
Starter | なし | 低価格PC向け。 OEM販売のみ 機能制限あり |
Home Premium | Home Premium | 一般向け。 |
Professional | Business | ビジネス・上級者向け。 |
Enterprise | Enterprise | 一般ユーザーには提供されない。大企業向け |
Ultimate | Ultimate | 最上級者向け |
7は、Vistaと違い、上位のエディションは、下位のエディションの全機能を兼ね揃えている。(例えば:Vistaだと、Businessには、エンターテイメント関係の機能はない。)
尚、新興市場(発展途上国)向けにHome Basicが存在する。
主な機能
- ■動作改善
- Vistaに比べパフォーマンスの向上と軽量化がされ、起動などが速くなり、全体的に軽くなった。
- ■エクスペリエンス改善
- Windows 7マシンのパフォーマンスを測定するツール「Windows エクスペリエンス インデックス」が搭載されており、プロセッサ・メモリ(RAM)・グラフィックス・ゲーム用グラフィックス・プライマリハードディスクの性能を1.0~7.9のスコアで測定できる。(Vistaからスコアの上限を変更)
- ■表記変更
- 日本語表記について、内閣告示に基づいた表記に変更した(例えば「コンピュータ」→「コンピューター」など)。
- ■無償ダウンロード化
- Windows フォトギャラリーやメール、ムービーメーカー等が、付属ではなくWindows Liveからの無償ダウンロードに変更された。
- ■リモートデスクトップ接続
- Ultimate版の場合、リモートデスクトップ接続を使用する際に、操作する側にもAeroが有効になる。なおProfessional版にはこの機能はない。Vistaも同様である。
- ■セキュリティーとユーザーアカウント制御
- ■ユーザーインターフェイス
-
- タスクバー
クイック起動の廃止(これに伴い、タスクスイッチが追加→後述)。 - タスクスイッチ
大きなアイコンのみが表示される(設定で変更可能)。タスクスイッチには、現在起動しているアプリケーション以外で、よく使用するアプリケーションを登録できる。ウィンドウが開いている場合は今までと同じく、そのアイコンのデザインがそれぞれ変化する。 - ジャンプリスト
タスクスイッチの右クリックの機能。アプリケーションごとの履歴を保存。(対応するアプリケーションならば)簡易的な操作が可能。 - Aero Peekとデスクトップを表示
タスクスイッチのサムネイルをクリックすることにより、その目的のウィンドウ以外を透過する。また、タスクバーの右端にある「デスクトップを表示」ボタンをマウスオーバーすると、開いているウィンドウがすべて透過し、デスクトップが見える。ちなみに、このボタンをクリックすると全ウィンドウを「最小化・元に戻す」。 - Aero Snap
ウィンドウのキャプションを画面の端へドラッグすると、それぞれの対応する画面大きさの変更が行われる。ちょっとしたマウスジェスチャーに似たもの。ちなみに、上が最大化、下が縦方向に伸びる。左右は、それぞれの方向へ、ウィンドウをリサイズする。 - Aero Shake
- ウィンドウのキャプションを、上下左右いずれかに揺らす感覚でドラッグすると、非アクティブウィンドウが全て最小化される。
- タスクバー
- ■Windows XP Mode
- Windows XP Professional SP3の仮想マシン環境。Windows 7 Professional以上のエディションに無償ダウンロードという形で提供される。ただし、本来は古い業務用ソフトのためPC買い替えが難しい企業ユーザーのための機能であり、あくまでも仮想環境であるため、XPの動作環境を100%再現するものではない。
- 当初は特定の仮想化支援機能を持ったCPUでないと実行できなかったが、後に仮想化支援なしでも使用できるようになるパッチが公開された。なお、サポートは2014年4月8日で終了している。
関連動画
関連項目
脚注
- *Windows 7 (ESU)とWindows 8.1、製品のサポートが終了 2023.1.11
- *Vistaでは、ソフトウェアが設定変更やシステムフォルダへの書き込みを行うときに手動認証を要求するUACが話題になったが、ただ有効か無効の切り替えしかないという極端なものだった(しかも無効にするとタスクバーに表示され続け、警告メッセージも出続けるので非常にウザい)。
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