顧客がすでにソリューションを把握している

 現在のB2B営業で最も難しいのは、顧客がかつてのようにはあなたを必要としていないということである。営業担当者たちは、ここ数十年の間、顧客のニーズを発見して「ソリューション」(一般に製品とサービスを複雑に組み合わせたもの)の販売に熟達してきた。これがうまくいったのは、顧客が自分自身の問題についてよく理解しているにもかかわらず、それを解決する術を知らなかったからである。

 しかしいまや、顧客企業では、調達チームや購買コンサルタントがデータの山で武装して洗練の度を増したおかげで、自力でも容易にソリューションを決めることができるようになった。

 それだけではない。コーポレート・エグゼクティブ・ボードが最近実施した、B2B顧客1400社以上を対象とした調査によると、これらの顧客は一般的な購買の意思決定(ソリューションの調査、選択肢のランク付け、要件の設定、価格のベンチマークなど)のうち、平均して60%近くを、サプライヤーと話をする前からすでに完了させていた。