こんにちは、id:cockscomb です。Apple World Wide Developers Conference (WWDC) 2014まで残り1週間を切りました。今年のWWDCにはてなからは僕が参加します。
さて、今年のWWDCではなにが発表されるのでしょうか。様々な噂がありますが、iOSアプリエンジニアとしてもいろいろ期待しています。WWDCの内容はキーノートを除いて秘密保持契約の下におかれますから、何も知らない今のうちの予想であれば秘密保持契約違反に当たりませんので、期待や願望も込めて予想してみたいと思います。
大予想
iOSにアプリ間連携の仕組みが導入される
iOSにいま一番望んでいるのは、より柔軟で自由なアプリ間連携の仕組みです。iOS 7でInter-App Audioと呼ばれる機能が導入されたのは記憶に新しいところ。アプリ間でより広範な連携ができれば、例えばSafariからもっと簡単にはてなブックマークできるようになるかもしれないなど、大きなメリットがあります。
OS Xにはすでに導入されている、プロセス間通信を抽象化するXPCといった仕組みや、iOS 6からすでに内部的に利用されているらしいUIRemoteViewControllerなど、アプリ間連携の仕組みに繋がるキーワードはすでに出てきています。アプリを開発する立場では、次世代のiOSに関して最も期待が集まる部分ではないかと思います。
Objective-Cにネームスペースが導入
Objective-Cにはネームスペースがないので、シンボルの衝突を避けるために、クラス名などのグローバルなシンボルにはプリフィックスを付けるといった習慣を義務づけられてきました。AppleのNSやUIなどのプリフィックスが有名です。もしネームスペースがあれば、もっと便利になることも多いはず。
WWDC 2013ではModulesという機能が導入されました。clangのドキュメントにも少し記載されていますが、例えば#import <UIKit/UIKit.h>
に代わって@import UIKit;
とすることでこの機能が利用できます。Appleのリリースノートにおいても、コンパイル速度の改善や、Auto LinkingのようなクリーンなAPIモデルによる新機能といったメリットが紹介されています。
残念なことに、いまのところAppleの提供する組み込みのフレームワークにしか利用する場面のないこのModulesの仕組みですが、さらに仕様が拡張され、ネームスペースのように使えるときがくるかもしれません。もちろんObjective-Cの柔軟さを活かして、NSClassFromString
をはじめとする動的にClassを作るような場面においてはランタイム側にもなんらかの仕組みが必要ですから、Modulesによってすべて解決するとも思えませんが、期待感はあります。
まったく新しいプラットフォームの発表
アプリケーションエンジニアとしても、サービス事業者の従業員としても、そしてひとりのAppleファンとしても、やはり新しいプラットフォームの発表が一番楽しみです。ウェアラブルデバイスか、あるいはスマートテレビか、はたまたもっとすごい何かか。
もしまったく新しいカテゴリの発表があるなら、ファン冥利に尽きるというものです。もちろん新しいプラットフォームではてなとしてどういうことができるのか、忙しくなりそうです。
みなさんも予想してみませんか
エンジニアであれば、少し先の技術を精度よく見通せるような、そういった先見性を求められることもあります。皆さんのWWDCに関する予想をぜひ読ませていただけたらと思います。
今年のWWDCでは何が発表されるのでしょうか。OS XやiOSはどのように変わって、何が追加されるのでしょうか。メジャーな機能の追加からマイナーなAPIの変更まで、針小棒大なんでも予想してみてください。
ご自身のブログやダイアリーに予想を書いてください。その後、URLを以下の方法のどれかでおしらせくださると嬉しいです。
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- Twitterにハッシュタグ「#expectWWDC」を付けてURLを投稿する
WWDCのキーノートが始まる日本時間2014年6月2日午前2時まで、盛り上げていきましょう!
注意
- 秘密保持契約がありますので、基調講演の内容以外では予想が的中したか発表することはできません
- 参加者はそれぞれ秘密保持契約を遵守してください
- 予想の内容に関して一切の保証はいたしません