可哀そうですよ。かわいそうすぎます。
被害者が匿名(とくめい:実名公表なし)であるのは、ある意味、当然。性被害を受けたということなら、名前を出すことでネット社会からあらぬ批判を受け、二次被害となりかねない。
佐々木恭子アナの名前を限定して出すことに、何かの根拠があるかと言うと、何もないんです。
文春が言うとおり極悪? 3人組がいるとすれば、その3人の名前を全部実名にすべきでしょう。
なのになぜ文春が佐々木アナだけを実名公表したのか。理由は文春が明確にしていないから、以下、推測するしかない。
建て前は「佐々木さんという世間に知られた人が関与していたという事実の重み。そして性加害事案をもみ消した可能性があるという事態の深刻さ」とするでしょう。しかし、それは今回「悪人」とされた中でなぜ佐々木さんだけが実名だったのかーーという疑問に答えてはいない。
すばり文春の本音を文春編集者に代わって述べましょう。
佐々木恭子の名前を出せば、それだけで読者が飛びつき、雑誌が売れるからです。販売戦略の中で佐々木恭子の名前を利用した。それだけの話です。
文春側で予測される建て前の言い分なら、もっと責任が重い、アナウンス室長や取締役である編成制作局長の人物も全部実名にすべきです。それが匿名(とくめい:実名公表なし)になっているのは、その人たちの名前が出されても、読者は知りようがないし、関係ないし、ましてその名前のために雑誌を買おう、ネットでお金を払って読もうというモチベにはつながらないからです。「佐々木恭子」の名前があって、初めて「何が起きた?」という関心を喚起することができる。雑誌が、ネット記事が売れる。会社は儲かる。単純にそれだけ。
この中居性加害案件がもみ消されたと仮定して、その決定をしたのは誰でしょう。佐々木恭子アナでしょうか。違うでしょう! もっと上の人でしょう。編成制作局長だし、社長の港浩一だし、フジテレビの実権を今も握って離さない相談役の日枝久なんじゃないか。こいつらがいまも陰に隠れているのに、佐々木アナだけが矢面(やおもて)に立たされているーーいかに佐々木アナがフジテレビという会社の一人のサラリーマンであったとしても、ひどい話じゃないですかね。
佐々木アナが「もみ消し」の闇の一端を担ったーーということはあるかも。その罪を確かに指摘はできます。しかし今の佐々木アナは日本中から非難を浴びる立場に追いやられた。彼女の輝かしいキャリアも全部パー、ご破算です。もうアナウンサーとして表に出られない。これがかわいそうじゃなくてなんなのか。かわいそうでしょう! 文春の販売戦略の犠牲、そして会社の偉い人たちの風よけにされてるんです。
回答者が考えるに、佐々木アナを文春記事の尻馬に乗って、過剰に責め立てることで事件の本質が見えなくなります。ホントに悪いヤツらは誰なのか。プロデューサN、そしてその上部の、「上納システム」を支えている役員、トップ、さらには同じ構造から脱しきれないテレビ各局、さらにそのテレビ局をバックで支えている全国紙、さらにひるがえって言えば、消費者である私たち国民にまでさかのぼる問題です。
文春にだまされてはいけない。佐々木アナだけに帰結されて終わる、そんなことじゃ決してないことによく目を凝らさないといけません。