正確な経緯は知りませんが。知っている範囲で書きます。
まず「年度末」という概念は歴史的にかなり新しいと思います。おそらく明治時代にできたものでしょう。年の瀬に大掃除をするという慣習は、明治時代よりも前の江戸時代から庶民に広まっていました。つまり「年度末」という概念が全くない時代に、年末の大掃除の慣習が固まったのです。だから年度末に掃除をするという慣習は確立しようがなかったはずです。その頃は旧暦を使っていたので年により変わりますが、今のカレンダーでいうと、2月の立春の前後に元日がきていました。だから大掃除の時期は今の時代に直すと1月の終わりころとなります。
大掃除について書きます。
今は大掃除と言いますが、当時は「すす払い」を年の瀬にしていました。昔は電気もガスもなく、薪などが燃料でしたから、家の中に煙が多く、建物内部が煤で汚れました。それを年に一度、年の瀬に払うことで建物をきれいにしたのです。
建物に限らず人も、1年間の汚れを落としました。たとえば普段あまり風呂にはいらない人でも年の瀬には風呂にはいるなどしたようです。1年間の汚れを人も建物も落として、きれいな状態で正月を迎えることにしていたのです。これは元日に神様を迎える慣習とも関係したと思います。
昔は、大みそかの夜から元日にかけて神様が天から降りて来て、各家まで訪ねてくるという信仰が各地で広まっていたようです。その神様をお迎えするために、普段は食べないような豪華な正月料理を用意して待ちました。年に一度神様をお迎えするのですから、その直前に人々も建物も清めておくというのは自然なことだったのです。
あなたか嫌ならやらなくていいのですよ。ただ年度末に掃除するとなると、正月はかなり汚れた状態ですから、神様は来ないと思います。