古代日本語、「は行」は「ぱ」や「ふぁ」の発音だったというのが定説ですが、 何を根拠にそんな説があるのですか?

補足

みなさん、ありがとうございます。 もう一つの同様の質問と合わせ、定説の根拠が 理解できました。 ありがとうございました。

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2008/8/18 1:39

中国語のB, P, Fと日本語の「は行」は互換性があります。 また朝鮮語のB, Pとも関係します。 例を挙げると「發」は中国官話でFaと読みます。 朝鮮語ではBalと読みます。 これらの外国語との比較からも察することができます。 しかし「ぱ」は「は」の字に半濁点をつけただけなので それだけでも十分に推測の余地はあります。

ものの本によれば、 慈覚大師円仁の「在唐記」(842)に、 [pa]という音節は、日本語の「ハ」に相当するが、 それよりももっと唇音らしく発音する、という記述が あること、 また、在唐記とほぼ同時期に作られたと推定され ている古今和歌集所収の歌に、 「~うぐひすの ひとくひとくと いとひしもをる」 とあり、その「ひとく」は「人来」に鶯の鳴き声である 「ピーチク」を掛けたものと解釈されること、 などから推定(再構)されているそうです。 在唐記では「ファ」行、和歌では「パ」行が使われ ていたことになり、「P→ɸ」の変化がいつ起こったか については、よくわかっていないようです。

なぞなぞで「母と呼べば会えるけれど、父と呼んでも会えないもの」というのがあり、 その答えは「唇」です (この時代は「ふぁふぁ」になっていました)。 「は」が「ha」であれば、上下の唇は離れたままで、合うことがありません。 また、仮名文字を見ればわかるように、「ば行」は「は行」に対応する濁音 という形になっています。 「か行」と「が行」、「た行」と「だ行」の関係からも、「は」が「pa」でなければ「ba」に対応しません。 題知らず 読人知らず (『古今集』巻十九、雑躰、誹諧歌) 梅の花 見にこそ来つれ うぐひすの ひとくひとくと いとひしもをる 「ひとくひとく」は「人来人来 (人が来る、人が来る)」の意を鳴き声の擬音「p―t―k」 (今なら「ピーチク」) に掛けたとする論考があります。(亀井孝「春鶯囀」) http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/limedio/dlam/M41/M415224/3.pdf 27/39 天草版『平家物語』 http://taijiro.tama.net/Kuni2Sato/sanpo/sanpo.cgi?page=3 (ちょっと読みにくいので、下記の翻刻版で御覧下さい) http://www.geocities.jp/masa_nip/Misemono/hon.html N I F O N N O C O T O B A T O Historiauo narai xiran to FOSSURU FITONO TAME- NI XEVA NI YAVA RAGVETA- RU FEIQE NO MONOGATARI NIFON=にほん FOSSURU=ほっする FITO=ひと FEIQE=へいけ と、「は行」の音を「F-」で写していますね。

ポルトガル人が日本を訪れた室町時代、日本語-ポルトガル語辞典を作っていきました。日葡辞書といいます。 それには日本語の単語がローマ字で記載されていました。 これを手がかりに当時の発音が推測されたのです。