直接現在に伝わる、角度を細かく分けていく方法と、一日を細かく分けていく方法が
よく似ているのは、どちらも、同じバビロニア生まれだからです。
元々、バビロニアでは、12進法・24進法・60進法などがよく使われていました。
6や12が約数が多くて便利という面もあったでしょうし、1年間に月が12回ほど
満ち欠けのサイクルを繰り返すこと、その周期が約30日ほどであること、なども
大きな理由になったでしょう。実用的には、円を6つに分ける(正6角形の作図)
のが、とても簡単で、さらに12,24に分けていくのも、難しくない、というのも、
理由の一つかと思われます。(円を10等分するのに比べたら、うんと楽ですね)
なので、日時計を使って時間を計る場合、日の出ている間を、いくつかに分けて
いくことを考えると、6つ、あるいは、12に分けるというのは、とても自然なことで、
1日を24時間に分けるのも、ここからきています。
また、そういう切り分け方が、直接角度の切り分けにつながっていくのも、ごく
自然なことで、円に内接する正6角形を書いて、それを、6つの正3角形に
分け、その角を60等分したものを、角度の単位とした、というのも、1周が
その単位360個分になり、ほぼ1年の日数に等しい、ことを考えれば、ごく
ごく当然のことだったでしょう。この単位が「度」です。
さて、そうしてできた「時間」「度」を、さらに細かく分けていくとき、60等分
していくのは、やはり自然なことだと考えられますが、バビロニア人は、その
分割した単位を、「第一微小部分」さらに60等分した単位を「第二微小
部分」のような呼び方をしました。
英語で言えば、「第一微小部分」が「the first minute」または「the
primary minute」この「minute」は「微小な」という意味で、「マイニュート」
のように発音されます。この「minute(マイニュート)」が残って「minute(ミニット)」
=「分」になりました。「第二微小部分」は勿論「the second minute」ですから、
そのうち「second」だけが残って、「second」=「秒」になりました。英語で(他の
ヨーロッパの言葉の多くでも)、「2番目」と「秒」が同じなのは、こういう理由なので、
決して偶然ではありません。