回答(4件)

何をもってほぼ同じというかによるが、ほぼ同じものといって同意する人がいない程度には別物。 クエン酸と酢酸の構造式を調べて御覧な。全く違うから。

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名称も違うし、全く別物です。 クエン酸は常温で固体、気化せず無臭。 酢酸は常温で液体、強烈な刺激臭があり、98%以上の高濃度のものは約16℃以下で固体になるので氷酢酸と呼ばれる。

1. 化学構造と性質 ○クエン酸 (C₆H₈O₇) 構造: クエン酸は三価のカルボン酸で、分子中に3つのカルボキシル基(-COOH)を持ちます。また、1つのヒドロキシル基(-OH)も持っています。 構造式: HOOC-CH₂-C(OH)(COOH)-CH₂-COOH 性質: 水に非常によく溶ける。 酸性度は比較的弱い(pKa ≈ 3.1, 4.7, 6.4)。 天然に存在し、柑橘類(レモンやオレンジなど)に多く含まれます。 キレート作用(金属イオンと結合する能力)を持つ。 ○酢酸 (C₂H₄O₂) 構造: 酢酸は単価のカルボン酸で、分子中に1つのカルボキシル基(-COOH)を持ちます。 構造式: CH₃-COOH 性質: 水に非常によく溶ける。 酸性度は中程度(pKa ≈ 4.76)。 揮発性があり、特有の刺激臭(酢の匂い)を持つ。 天然に存在し、発酵過程で生成されます(酢の主成分)。 2. 産生方法 ○クエン酸: 生産過程: 工業的には、微生物(主にカビの一種であるアスペルギルス・ニガー)を利用して糖類(グルコースやスクロース)を発酵させて得られます。 天然存在: 生物のエネルギー代謝(クエン酸回路)において重要な役割を果たします。 ○酢酸: 生産過程: 酢酸菌(Acetobacter属)を用いてエタノールを酸化することで得られます。また、化学工業ではメタノールから合成されることもあります(モンサント法)。 天然存在: 果物や発酵食品の中に含まれる。 3. 用途の違い ○クエン酸: 食品添加物: pH調整剤、酸味料として清涼飲料水や菓子に使用。 医療分野: 尿をアルカリ化する薬剤やカルシウムの吸収を助けるサプリメント。 掃除: キレート作用を利用して水垢やカルシウム沈着物を除去。 化粧品: 保湿剤や酸化防止剤。 ○酢酸: 食品: 酢として調味料に使用。 工業: 酢酸ビニル樹脂や酢酸セルロースの原料。染料や繊維産業にも利用。 医薬品: 局所消毒剤や薬剤の製造原料。 掃除: 殺菌・消毒効果を持つ。 4. 安全性と注意点 ○クエン酸: 食品添加物として安全性は非常に高い。 高濃度の場合、皮膚や目に刺激を与える可能性がある。 ○酢酸: 食酢として使用する場合は安全。 高濃度の酢酸(氷酢酸)は腐食性が強く、皮膚や目に重大な損傷を与える可能性があるため、慎重な取り扱いが必要。 まとめ ○クエン酸は主に食品・医療分野で使用され、キレート作用や緩やかな酸性を特徴とします。 ○酢酸は食品や化学工業で広く利用される酸性化合物で、刺激臭と中程度の酸性が特徴です。 どちらも人間生活に欠かせない化合物ですが、特性と用途が異なるため、目的に応じて使い分けられます。