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映画オッペンハイマーを観て面白いと思った方に質問ですが、何が面白いんですか? これは唯一の被爆国だから許せない、観る気にならないと言う様な感情論によるものではないです。

補足

訂正 "これ理解できる俺かっけー"以外で支持されてるだけ? ↓ "これ理解できる俺かっけー"で支持されてるだけ? あとは、良かれと思ってやった事が更なる悪い結果に繋がることもあるとか、理論と現実は違いますよ、みたいな教訓?

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回答(5件)

「原爆は 徹底抗戦を叫ぶ日本兵から 米将兵を守るため しかたなく投下した」のだよ 君!

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レンタルDVDは日本語ですからトイレの時も安心です3時間の超大作ですから日本人には劇場版は初めからわかりにくいですのですすめられません

核兵器は今や当たり前になったからこそ フラットな目線で彼らの経緯を眺める事ができる。時代を利用した映画なんですよ。 仮にちょっと前に公開していたなら偏りが強い見方になる人が多かったでしょうね。 アメリカは戦争を終わらしたなどなど… しかし、そこを伝えたい映画ではなく あくまでロバートオッペンハイマーの真実と心情を伝えるのが本意の作品。 それを時代を利用して伝え方を慎重にしたというのが素晴らしいんです。

「心から伝えたいと思うストーリーなのか?それが作品を選ぶ基準だ」 コレは 以前からクリストファー・ノーラン監督が よく口にしている言葉 今作は そのノーラン監督の集大成的な出来の良さがある 700ページを超える原作を見事にまとめ 仕上がっている この自ら完成度の高い脚本が書けるというのが ノーラン監督最大のストロングポイントだ 今作で特筆すべきは「撮影」である 2008年『ダークナイト』で商業映画として 初めてIMAX撮影を取り入れて以降 監督の代名詞と化したIMAXだが 今作では更に新しい事に挑戦している 「モノクロ撮影」である そもそも 古い技術のモノクロフィルムで IMAXに対応した65mmという大判サイズは存在しない Kodak社とFOTOKEM社の協力を仰ぎ それをゼロから作ったのだ 何故そんな事をしたかと言えば「最高の映像」を撮るために他ならない 今作のメインストリームは「公聴会」における ルイス・ストローズ(ロバート・ダウニー・Jr)とJ・ロバート・オッペンハイマー(キリアン・マーフィ)との対決である この長く簡単ではない物語を語る上で ストローズの視点・物語を「モノクロ」 オッペンハイマーの視点・物語を「カラー」とした これは時代が前後しながら 攻防を繰り返す両者の映像を「分かり易く」観客に伝えるためだ この際にカラーで最高画質の「オッペンハイマー パート」に対し モノクロで解像度の低い「ストローズ パート」となると 明らかに映像に「差・違和感」が出てしまうのでそれを避けるため その「IMAX65mmフィルム」とは 家にあるガムテープより もう1cm程度太く その大判フィルムに刻まれた映像の解像度は「18Kに相当する」という事は覚えておいて欲しい そして「大判フィルムの被写界深度は浅い」 この物理法則は最新のIMAXカメラに対しても同様だ 当然選択するレンズにも依存するが IMAXがアップに弱いのはこの為で 簡単に言うと「鼻」にピントを合わせれば「目」がボケる と思ってもらえば分かり易いと思う 広大で雄大な風景を遠距離からとらえるなら まるで「肉眼で観ているような」映像が撮れるが手元の物は苦手 コレはトレードオフです だが そこで諦めないのが「拘りの男 ノーラン監督」 「出来ない事」なら その「デメリット」を「メリット」に変える この柔軟なマインドシフトが出来るのも彼の強みだ 今作のもう一つの特徴で 印象的かつ象徴的なのは 徹底的に「一人称」である事 そして「クローズアップ」が異常に多い事 殆どの作品でオリジナル脚本を自身で書いているノーラン監督において 原作付きの作品は2006年『プレステージ』 以来となる この緻密に取材された原作に基づく 演出は監督クリストファー・ノーランとしても新たなチャレンジだったでしょう 徹底的に「オッペンハイマー視点」で描き続ける この撮影はスタッフにもキャストにも相当な負担だったはず 特にアクセス権更新のための「委員会」のシーンでは あの日本のワンルームアパート程度の部屋に映ってるキャストとカメラの後ろに20人程度のスタッフがいる状況を想像して欲しい カメラを目の前に据えて 顔の前30cmにレンズがある状況で 自分の芝居を目の前で監督がチェックしてる緊張感を 「撮影環境」という点だけでいえば スタジオにセット組んだ方が遥かに自由度が高く快適に撮れるだろう でもそうしなかったのは「本物で撮る」ため あの委員会の部屋はオッペンハイマーが聴聞を受けた実際の部屋です 実際に聴聞が行われた現場で撮る事 ココにオッペンハイマー他「本人たち」がいた事 それらをキャストが感じて演じれば芝居に大きく影響するのは明白であり それを映像として撮影すれば必ず観客に届く事を良く知っているから その表現も見事 画面に大写しになった人物の せいぜい顔にしかピントが合わないその後ろは眼鏡を外したようにボケていてなんだか分からない だが その後ろに「誰か」いる事が観客には分かる それは同時に聴聞を受けている人物が後ろに居る人の存在を感じてプレッシャーを受けている心象風景の表現としても十分に機能している こういった難しい撮影を可能にしたのが ホイテ・ヴァン・ホイテマ 彼とは2014年『インターステラー』以降4作目のタッグ この積み重ねがアカデミー賞受賞かつ世界興行9億ドル以上という最高の評価をもたらした 本物での撮影というと ロスアラモスのオッペンハイマーの自宅や プリンストン高等研究所の建物もそうです 所長就任のオファーを受け研究所を訪れて自室に案内され 窓から池に佇むアインシュタインを見つめるシーン あの部屋も本物です 正確には「アインシュタインの部屋」でした この部屋は当時のまま保存されています オッペンハイマーの部屋は線対称に建てられた研究所のちょうど反対側に位置していますが 彼の部屋は改修されていていたため 撮影には「アインシュタインの部屋」が使われています この場面は今作のテーマであり象徴でもあります オッペンハイマーに「卑しい靴屋」と言われ 2人の天才が会話した後 アインシュタインがストローズを無視するシーンです この件で ストローズは自分が蔑ろにされたと邪推し敵対心を芽生えさせる瞬間です 今作は「聴聞会」に始まり「聴聞会」で終わります この聴聞会を通して「軍人」と「サイエンティスト」という 全く違う人種の決して交わらない異文化の乖離を全体を通して描いています ストローズが「笑い者にされた」というAECでのアイソトープ輸出の件も 純粋にノルウェーの優れた化学者にリソースを提供すれば「良い結果」に結びつくと思ってるから聞かれた事に「率直な感想」を述べてるに過ぎない 確かに軽口ではあったが コレが「サイエンティスト」の思考 それに対し「名誉・尊厳」と傷つけられたと感じたら「敵」とみなし 自身への脅威ならば同じ米国民であっても全力で「排除」する コレが「軍人・政治家」の思考 この二つの人種は同じ「英語」を話しても「言語が違う」ので 話し合いは通じません それを今作が全体を通じて描いている事です 「サイエンティスト」であるオッペンハイマーは 他の研究者と対話し新しい意見や考えも柔軟に受け入れる事が出来る 「軍人」であるストローズは自分と違う意見を敵意とみなし 聞き入れる事なく排除しようとする 現にBD「特典ディスク」内で カリフォルニア工科大学(ノーベル賞受賞者)キップ・ソーン博士は「当時でもソ連の科学者とは交流があった」と話しています ただ そんなサイエンティストが英知を結集して作った爆弾も それをどう使うかを決めるのは軍人であり政治である ただ その「結果」を踏まえて これ以降の「サイエンティスト」と「軍人・政治家」との乖離は広がり 大統領とオッペンハイマーとの会談で それは決定的なものになる 機を見るに敏なストローズはオッペンハイマー排斥に動き出す その結果が聴聞会です 作品全体は約一時間ごとに 大きく三分割されている ・冒頭聴聞会から始まるパート 英雄と思われていたオッペンハイマーが詰問されていて 観客が予想していたのとは違った展開で関心を掴んでいく この辺は「ハリウッドタイマー」か ・その後 ロスアラモスの立ち上げから 原爆開発までのパート ・原爆投下後のパート この全てで「過去」と「オッペンハイマー(カラー)パート」「ストローズ(モノクロ)パート」と行き来を繰り返す この辺りが「分かり難い」と言われる所以でしょう ただ その助けとして「音楽」も上手く使われています 今作の多くのシーンで「スリングス楽器」が使われています その中でも特にオッペンハイマーの心情を表現する場面では「バイオリン」が使われています つまり「バイオリンが鳴っているシーン」はオッペンハイマー視点で 彼の心情を表現しているという事です この音楽表現で特に印象的なのが中盤ロスアラモスから完成した原子爆弾を出荷するシーン トラックが走り出し 荷台に乗せられた原子爆弾を囲った箱に繋がれたチェーンが「ガチャガチャ…」と鳴っています この音はシーンが変わって自宅に帰った後も 更に変わって翌日オフィスで連絡を待ってる時まで鳴り続けます 出荷された原子爆弾が実際に投下される事を オッペンハイマーがいかに危惧して脳裏から離れないという心象風景を音として上手く表現している この音楽を担当した 若き才能ルートヴィッヒ・ヨーランソンも 2020年『TENET テネット』に引き続いての起用 そして最後 ストローズが敵対心を芽生えさせた研究の池でのシーン ココまで観た賢明な観客なら 数年ぶりに会った2人の天才サイエンティストが このタイミングでストローズの事など話題にするはずがない事は気付いているだろう だが そんな当たり前の事も上昇志向で功名心に燃える軍人には「想像もつかない事」なのだ 今作はこの「軍人」と「サイエンティスト」という交わる事のない異文化のコミュニケーションがもたらす 安全保障上の影響力を観客に提示している アカデミー会員はみんなこういった「生みの苦労」「実現する困難さ」をよく理解してるので その辺も評価できるわけです 「画面に映ってる物」が全てではないんですよ 「画面の向こう側」も見えるからこその評価です まぁ 分からない人には分からないと思いますよ 簡単な作品ではないので

今作をもっと理解したいなら 是非セルBDの特典映像を見て欲しい 3時間もある今作が ただのダイジェスト版に感じるでしょう 「核兵器なんて 誰も興味ないよ」 コレは今作のアイデアを聞いた クリストファー・ノーラン監督の息子が言った言葉 監督「だから撮るんだ オッペンハイマーを評価するのではなく考えを理解したいから撮るんだ」 コレが今作が徹底して一人称で撮られている理由だ そして監督はこうも言っている「映画の中に答えは無い」 オッペンハイマーの実際の演説 「私がこの仕事をしたのはやらずにはいられなかったからだ 科学者なら抗えない 世界の仕組みを知る事は良い事だと信じている そして世界を管理する力を人類全体に与える事も良い事だと信じている」