結論からいうと、「It is quite recent that it became easy for us to get food.」という言い方自体は不自然ではありません。また、「It has been quite recent …」とするのが必ずしも正解というわけでもなく、むしろあまり使われない表現になります。
1. 「It is quite recent that 〜」という構文
• It is quite recent that S+V
直訳すると「SがVしたのは、(時期として)かなり最近のことだ」という意味になります。
• 「recent」は形容詞なので、「It is 形容詞 that 〜」という定型的な構文の中で「(その出来事が)最近のことである」という“現在の事実”を述べています。
この場合、「became easy」という過去形で、“いつの時点かで「簡単になった」”こと自体は過去の出来事として扱われています。ですが、「それが最近のことだ」と評価しているのは“今この時点”における捉え方なので、主節の be 動詞は現在形の is になっているわけです。
例)
It is only recently that people have started buying groceries online.
(人々がオンラインで食料品を買い始めたのは、ほんの最近のことだ)
このように「It is only recently that 〜」という言い方もよく使われます。
2. なぜ「It has been quite recent …」ではないのか
「It has been quite recent …」という表現は、実はあまり聞かれない(ほぼ使われない)英語です。文法的に破綻しているわけではありませんが、“最近であり続けた”というニュアンスが不自然だからです。
• It has been + 形容詞 + that〜
この形にすると、「(ある状態が)ずっと〜なままだ」というような継続を強調する印象になります。たとえば It has been obvious that〜 のように、「ずっと明らかなままだ」のような継続表現なら成り立ちやすいですが、「recent(最近)」は時間的に短い範囲を指す言葉なので、「最近の状態がずっと続いている」というのは論理的にやや矛盾しやすいわけです。
3. 別の自然な言い換え例
もし「現在完了っぽいニュアンス」を入れたい場合は、次のように表現するほうが自然です。
1. It has only recently become easy for us to get food.
• 「我々にとって食べ物を得ることが簡単になったのはごく最近のことだ」
• 「has become」を使うことで「過去から現在に至るまでの変化」を表しています。
2. It is only in recent years that it has become easy for us to get food.
• 「我々にとって食べ物を得ることが簡単になったのは、ほんの近年のことだ」
• 「in recent years」を使うことで、“これまでの長い歴史の中でもごく最近になってようやく”というニュアンスを出しています。
まとめ
• It is quite recent that it became easy … は、現在の目線で「(何かが起きた)その時期が最近のことだ」と言いたい場合に使う形です。
• It has been quite recent … という形はあまり使われず、不自然に響くことが多いです。
• 「最近になって〜となった」というニュアンスを自然に表現したいなら、It has only recently become … や It is only recently that it has become … のように「recently」を副詞的に使い、動詞を現在完了形にする方法が一般的です。