「どう言う意味?」
言った人がどう言う意図で言ったのかは、その人に聞かないとわからないですが…主に二つの意味があります。
そして、そのどちらも微妙に間違いです。
1 「交通事故は、柔道整復師施術所で対応することもあるが、まずは医療機関に行くべき」
ここでの「整形外科」は、柔道整復師施術所と対比される医療機関の代名詞、もしくは"整形外科を標榜する医療機関"と言う意味で使っていますね。
「フケが多いなら、美容室ではなく皮膚科へ行け」みたいな使い方です。
2 「交通事故は、どこの部位の不調や怪我であっても、まずは運動器の専門科である整形外科に行くべき」
ここでは、「医療機関の科の中での整形外科」として使われています。
前者は間違いとは言い切れませんが、後者は間違いです。
1はあまり言及されていないですね。唯一「レントゲン」と言う回答が、このことを言っているのかなと感じます。
柔道整復師施術所は、国家資格として運動器の怪我に対して対応できます。ですので、交通事故だろうと、ただの転倒だろうと柔道整復師施術所に行くことは国民の権利です。
ただし、医療機関に比べてできることはかなり限られます。さらに、骨折は単独では対応できないです。画像検査などもできないので、骨折でないことの判断すら容易ではないです。
ですので、この令和の世で最初から最後まで柔道整復師施術所で必要十分な対応ができるのは、「そもそも放置で良い怪我」くらいと思います。
柔道整復師施術所は、交通事故かどうか関係なく「まずはしっかりとした医療機関で診断を受けて、「柔道整復師施術所でも対応しきれる怪我である」と判断されたのちに行くべき」と言う意味では「まずは医療機関」は間違いではありません。
しかし…そもそも放置で良いくらいの怪我って…行く意味ありますかね。
「まずは」ということは、「その後は(別のところ)」と言うニュアンスがあります。先に書いたように、放置で良いくらいの怪我に、あえてその後に柔道整復師施術所に行く必要があるとは思えません。
また、交通事故では「柔道整復師施術所の前に医療機関」というのは、「柔道整復師施術所単独では保険や補償の面から不利益がある」と言うからという意味もあります。
しかし、まともな医療機関は柔道整復師施術所との併用は認めません。先に医療機関に行っても、結局柔道整復師施術所へ行くことを禁止されるので、単独で行ったのと変わりません。
1 はそういう意味で、間違いです。
ですが、「放置で良いくらいの怪我では、柔道整復師施術所に行ってはならない」という訳でもないので、「放置で良いくらいの怪我であることの確認のために、まずは医療機関に行くべし」というのは、間違いとは言い切れないかも知れません。
2です。
皆さんこちらの意味で捉えていますね。
「大怪我ならまずは内臓や頭部を診るべき」であり、「まずは整形外科ではない」という意見はありますが、
「外来受診できるくらいの怪我ならまずは整形外科」と言う意見が多いですね。
「大怪我ならまずは内臓や頭」というのは全くもってその通りです。
ですが、「外来受診できるくらいの怪我ならまずは整形外科」というのは大嘘です。
「陰部(男性器)に内出血があってそれを診てほしいのに、まずは整形外科に行かないとならない」とか「頬を強くぶつけてそれを診てほしいのに、まずは整形外科に行かないとならない」なんてことは一切ありません。
これは、完全な誤解です。
「最初から、診てほしいところの科に行けば良い」です。もちろん、四肢や背部(腰など)を診てほしいなら整形外科です。
「骨折が何より怖い」とか妄言です。骨折なんかより内臓損傷が怖いし、男性器損傷も怖いです。さらに、顔の骨折は整形外科ではありません。
陰嚢をピンポイントにぶつけて、骨やらはぶつけていないと言う場合だってあります。陰部を診てほしいくらいなら骨も危険、というのも妄言です。
股間をぶつけて、男性器と恥骨部が痛いなら…優先は男性器で泌尿器科でしょう。整形外科こそ"ついで"です。
「整形外科にいけば、適切な科へ案内される」「整形外科へいけば、大したことないものはそう判断される」というのも大間違いです。
整形外科は別に怪我全般ののプロではありません。ただ、運動器の専門です。他の部位の怪我などさっぱりわかりません。適切な科へ紹介することすらろくにできません。
整形外科は、交通事故の"補償"などには慣れていますが、それだけです。ちゃんとした整形外科は運動器以外のことを触ろうとはしません。
場末のクリニックなどはその限りではないかもしれせんが…それだってわかっていて手を出しているのではなく、運動器以外のことをなーんもわかってないのに手を出しているに過ぎません。
この2は、1との混同により発生した誤解と思われます。
柔道整復師施術所に行く前に医療機関に行くべきかもしれませんが、医療機関に行くなら最初から診てほしい部位の科に行けば良いです。
追記
他の方が載せているホームページが、まさに1と2をうまく混同させた内容となっていますね。
あの書き方では素人は、「交通事故は、どの部位であろうと整形外科に行かないとならない」と誤解してしまうのも仕方ないかもしれません。
こう言うのが私が回答や返信で述べた不適切な対応であり、これによって広まっている誤解が呪いです。
柔道整復師施術所よりは各段に評価可能ですが、それだってあくまで運動器についてであるのが前提です。
「頭部と脳神経外科」にだけ言及されていますが、同様に顔面や陰部や体幹も整形外科は無力であり、当該科での評価が必要です。単にそういう怪我の頻度が少ないだけです。
返信で言及(リンク)していますが、ある質問では、「内臓損傷があった小児が、整形外科に案内され、骨は大丈夫」という評価しかされず見落とされた話もあります。
その質問の回答の最後にも載せましたが、同じことを書きます。
この質問回答を見た中に、「整形外科は、交通事故などの怪我で、全身を適切に評価できる能力がある」と誤認している人がいたら直ちにその考えを改めて下さい。
整形外科は、運動器のプロであり、交通事故や怪我のプロではありません。運動器以外の怪我は一切わかりません
最初からその部位や症状の専門の科へ行って下さい。