この手の質問は知恵袋によくありますが
根本的なところを言うと
パソコンを運用管理する上で
初歩的な知識の欠如によるものですから
現在の状況に関わらず、身につけておくべきなのは
HDDの状態を把握するための知識と
状況に応じた、廃棄のための処置ってことになります。
基本的な廃棄の備えは、データを抹消することです。
コンピューター技術は論理的なルール付けで
高速に処理することを是としていますから
ファイルの削除は、ファイルの管理情報の破棄のみを以て行われます。
ですから、管理情報から離れた、情報自体の残滓が
想定外の結果を招くことがあります。
あさはかなMicrosoftはその機能をWindowsに用意しませんでした。
結果、市場の支配者としての責任を果たさず
そういった完全にデータを抹消する方法が無いことによって
その処置を指す用語を定着させることをしていません。
おかげで、HDDやPCの廃棄に関わる質問では
質問者の認識がどの程度かわからないため
説明が0から必要になるようなことがあります。
また、好き勝手な造語が横行し、既存の言葉の意味が
ねじ曲がっていくこともよくあります。
たとえばSSDに途中で追加されたセキュアイレース機能の名称を
安全なデータ削除という意味あいで使おうという人がいて
本来のセキュアイレース機能と混乱を引き起こしかねません。
当然、XP時代のHDDにセキュアイレース機能は無いので
「セキュアイレースを行う」では間違いですが
「安全な削除を行う」では間違いとは言えなかったりします。
安全な削除とは、正確には安全に手放せるようにする削除処置で
ファイルの削除に安全なタイプな削除があるという意味ではなく
手放す場合、管理情報の削除(破棄)によるファイル削除だけではなく
データそのものを上書きし、情報自体を消す必要があります。
その上で、大昔のHDDは書き込み密度が低かったため
一度上書きした媒体でも、残留磁気を磁気顕微鏡などで読み出すことで
データを復元できると言われていました。
ですから、米国防総省が定めたDoD 5220.22-Mのような規格も
それなりに広く知られていますが
現在のHDDでは、そこまでやる必要は無く
一度の上書き、たとえば単なる全面のゼロクリア(ゼロフィル)で
充分と言われています。
ゼロを上書きして全部消すゼロクリアと
ゼロで埋め尽くすゼロフィルは、同じ処置を指します。
ただ、それがどのHDDを対象となるのかはよくわかりません。
2006年にDoD 5220.22-Mが制定されているので
この時期に廃棄されていたHDDには必要と考えられます。
つまりWindows XP初期のHDDはこれをやるのが安心と考えられます。
もっとも電子顕微鏡がある施設はほとんど無いでしょうし
父がスパイで母が暗殺者みたいな特殊な家庭でもなければ
XP時代のHDDでも、ゼロクリアで充分と考えられます。
ともかく、以前は完全消去や完全削除といった表現で
DoD 5220.22-Mの処置を指していたんですが
今は単なるゼロクリアを、そう呼ぶ場合もあるようです。
ともかく、ゼロクリアもDoD 5220.22-Mの処置も
対応したソフトがいろいろあり、無料配布されていたりします
光学ドライブが使えるなら、伝統的なDBANを使えばいいでしょう。
今はUSBメモリーからの起動が一般的ですが
XP時代のPCは、本当にUSBメモリーからは起動できない機種が多く
光学ドライブ前提に考えるのが妥当だと思います。
ただ、そういった種類のソフトでの処置がエラー停止するなら
問題は単にHDDが壊れているためという場合があります。
進捗が不明のまま、異常に時間がかかるような場合にも同様です。
ただXP時代のHDDは遅いので、容量がそれほど大きくなくても
ゼロクリアにまる一日かかるようなことがあり得るでしょうし
DoD 5220.22-Mのような複数回の上書きを行うと
数日かかったりするのが普通です。
そういった所要時間の目安は想定外で長くかかることもあるので
うまくいかないという判断が間違っている場合もあり
状況やエラーメッセージなどを正確に伝えないことには
第三者に適切な判断はできません。
HDDやSSDの壊れ方としても、書き込みができなくなるだけで
読み出しはできるという壊れ方もあり得るので
上書き処置が終了できないものを
そのまま手放していいものかというと微妙なところで
データの上書きはすでにできているという確証が無いと
物理的に故障しているものは
物理的に破壊しなければ、安心できないということにもなります。
ただ、HDDをそのままハンマーなどで叩き潰す方法は
資源化処理の事業所で、ねじが回らず解体が困難になる
迷惑行為になりますから、自分で解体するのが推奨です。
XP時代はまだノートPC主流とまでは行かなかったので
HDDは3.5inchのものか2.5inchのものかわかりませんが
いずれにせよ、分解にはトルクスの細いものが必要で
いろんなビットのセット売りを買っても
対応する小さいものが含まれない場合があり要注意です。
また3.5inch HDDに比べると2.5inch HDDのほうが
より小さいトルクスを使っている傾向がありますが
いずれにせよ2,3種類のものが使われていたりして
工具を揃える系の人はちゃんとしたの揃えるのが推奨です。
急場しのぎに安いセットを買ってみたら
焼入れはいっていない、すぐ変形するものだったりするので
安物買いの銭失いには注意が必要です。
3.5inchのものは、普通プラッターは金属板ですから
一枚一枚両面を、強力な磁石で撫で回したり
紙やすりで磁性体を剥がしたりすれば安心だと思います。
2.5inchのものは普通ガラスプラッターなので
割っても良いんですが、どちらかというと砕けるので
破片が飛び散るので要注意です。
隠しネジなどで解体が難しい部分があったりもしますが
HDDをやっつけるとネオジム磁石がドロップするので
それ目当てにやってもいいかもしれません。
まぁ接着されている磁石を取り外す時点で
割れてしまう恐れがあり
特に2.5inch HDDのものは注意が必要ですし
磁石の強さも3.5inchのものに比べて弱いので
ガラスプラッターとそれ以外を分別して捨てることを
主目的としてやってもいいと思います。
ガラスプラッターはガスバーナーで溶かしてもいいかと思いましたが
これやってみたら冷える過程で砕けるので(笑)無しでした。
結局破片になるなら、ガスバーナー使うだけ無駄でした。