黄大仙の blog

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スウェーデン警察、海底ケーブル破壊の疑いのある中国船に乗り込み検査

デンマーク当局は19日、デンマーク沖に停泊している中国の貨物船「伊鵬3」について、海底ケーブルを破壊した疑いのある同船を「検査」した結果、航海を再開できる可能性があると発表しました。伊鵬3号はデンマーク沖に1ヶ月間停泊しています。

  フランス国営ラジオ放送局RFIの記事より。

カテガット海峡に停泊中の「伊鵬3号」

  これに先立ち、スウェーデン警察は、中国代表による同船の調査を「観察」するため、「オブザーバー」として伊鵬3号に乗り込むと発表しました。

 

  11月17日から18日にかけて、バルト海のスウェーデン領海内にある2本の海底ケーブルが切断されましたが、これは中国の貨物船伊鵬3号が現場付近を航行中に起きたとされています。

deepredrose.hatenablog.com

 

  11月19日以来、同船はスウェーデンとデンマークの間の狭いカテガット海峡に停泊しています。

 

  デンマークのラスムセン外相は記者団に対し、「4カ国の合同調査団が調査を終えれば、船は帰還できるだろう」と述べました。

 

  さらにラスムセン外相は、中国、スウェーデン、ドイツ、フィンランドの代表が船内を視察しており、デンマークは関係国間の「橋渡し役」に過ぎないと強調しました。

 

  スウェーデンは11月28日、伊鵬3号のケーブル切断疑惑に関する調査への協力を中国当局に正式に要請した最初の国です。デンマーク外相は、先週から関係4カ国の代表がコペンハーゲンで数回にわたり会合を開き、この件について協議してきたことを明らかにしました。

 

  スウェーデン警察は、中国当局の代表が船上で捜査中であり、スウェーデン当局にオブザーバーとして捜査に参加するよう要請しているとの声明を発表しました。「スウェーデン警察は船上でいかなる捜査措置もとらない。 デンマーク当局が捜査を促進している。」

 

  スウェーデン事故調査局(SHK)も、ケーブル切断が破壊行為かどうかを確認するために現場を調査しており、SHKのジョン・アルバーク委員長はAFPの取材に対し、次のように述べました。「ケーブル切断が船のアンカーに関係していると主張する人々がいます。 そのため、この件について乗組員の言い分を聞きたいと思います。」

 

  デンマーク海軍は11月20日、国際水域に停泊中の中国貨物船を監視していると発表し、スウェーデン沿岸警備隊は3週間前からこの海域に駐留しています。

 

  スウェーデン警察は、スウェーデン検察当局が主導する捜査の一環として、フィンランド警察、リトアニア警察とともに捜査を進めています。

 

  11月17日に断線した通信ケーブル 「Arelion」はスウェーデンのゴットランド島とリトアニアを結んでおり、11月18日に断線した2本目のケーブル 「C-Lion1 」はフィンランドとドイツを結んでいます。

 

  事件直後、複数の欧州首脳がロシアによる妨害工作の可能性を指摘しましたが、ロシア政府はこの指摘を「ばかげている」「ばかばかしい」と非難しました。中国側は、スウェーデンの調査に協力することを約束しました。

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  2023年にも中国のコンテナ船「新新北極熊」がバルト海でフィンランドのガスパイプラインと通信ケーブルを破断させた疑いが持たれており、これらの事件は欧州各国の安全保障に対する懸念を高めています。

 

  台湾海峡では海底ケーブル切断事件は5年間で27回発生しており、中国船が切断した疑いが強く持たれています。

apnews.com

  これらの事件は、国際的な通信インフラの脆弱性を浮き彫りにし、各国政府や企業にとって海底ケーブルの保護と監視の重要性を再認識させるものとなっています。特に、海底ケーブルはグローバルな通信ネットワークの基盤であり、その損傷は経済活動や安全保障に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

 

  米国当局も、中国の海底ケーブル修理船がスパイ活動を行う可能性に対し警戒を強めており、位置情報を隠すなどの行動が確認されています。 これにより、商業データや軍事情報が盗まれるリスクが懸念されています。

 

  これらの状況を踏まえ、各国は海底ケーブルの保護に向けた国際的な協力や法的枠組みの強化を検討する必要があります。また、企業においても、通信インフラの安全性確保のための対策やリスク管理が求められています。

 


 

参考記事

<rfi>瑞典警方登上涉嫌破坏海底电缆的中国货船检查

https://x.gd/ZpiHs