万能ゲーム

最近、「万能ゲーム」というものを考えている。このアイデアの元は「万能チューリングマシン」である。チューリングマシンとは、現在のコンピュータを模倣するに足る単純なモデルで、詳しい説明は他のページにお願いする。このチューリングマシンというのはまぁ言ってみればプログラムみたいなものだから、さまざまな働きをするものを考えられる。単純なものでは入力がn文字かどうかを判定する、入力がaba(a,bは任意の文字列)というパターンかどうかの判定、少し工夫を凝らすと、2進数の足し算なんかが出来たりする。そのようにさまざまなチューリングマシンを考えることが出来るが、通常そういったチューリングマシンはある特定の機能に特化したものである。文字数がn文字か判定するマシンによって、2進数の足し算はいくら入力に工夫を凝らしても出来ない、気がする。厳密な証明はしていない。さて、ここで「万能チューリングマシン」の登場である。このマシンは、他のチューリングマシンをデータ化、入力することによって、任意のチューリングマシンを模倣する、という機能を持つチューリングマシンである。詳しい構成方法はやはり他のページに頼もう。さて。前置きが長くなった。これにしたがって、「万能ゲーム」というのを考えてみる。「ルール変更を少し(これは主観的ではあるが)採用することで他のあらゆるゲームを模倣できるゲーム」と定義しよう。さて、ゲームには大きくわけてハードの制約とソフトの制約がある。ハードの制約とは使う器具の指定であり、ソフトの制約とはいわゆるルールのことだ。まず、ハードの制約であるが、非常に汎用性の高い(まあつまりほぼ真っ白、ゲームのたびに自分で書け、という)グリッドとカードを用意し、乱数発生に使う諸道具(コイン、サイコロ、ルーレットetc...)を統一する、ぐらいしかいい方法が思いつかない。この世には、カゴ、辞書、粘土など他のものでは代わりがきかないハードを要求するゲームも存在するので、これらに関してお手上げなのだ。次に、ソフトの制約である。この世に存在するあらゆるゲーム中のイベントの判定フェーズを作り、採用するか否かを事前に決めてしまえば一番早い。が、解決としては美しくない。ルール上表記が違う(フレーバーテキストのようなもの)のみで、実際に行う動作が同じものを統合することは出来るが、それもそれ止まりである。はて、私はいったい何について考えていたのだろうか。あれか。「12種類のゲームが楽しめるよ」みたいなあれか。絶対それダイヤモンドゲームは入れなくてもよかっただろ、的なあれか。ここで私ははたと気がついた。全てのゲームは「人生」中に行われる。つまり、「人生」こそ「万能ゲーム」だったのである*1。just play your life!

*1:そうすると人生ゲームってなんだ?