1966年生まれ。臨床脳生理学、医療社会学、医療人類学。京都大学医学研究科助教(高次脳機能総合研究センター)。
(最終更新:2011年1月27日)
[バイオエシックスの場所 3]
ニューロエシックスという言葉 日本でも乱用が問題になったリタリンのような精神刺激剤の類似薬が「頭の良くなる薬(スマートドラッグ)」として開発され、仮に副作用がほとんどないとすれば、どう対処すべきか。 嘘発見機を進化させて脳科学技術と組み合わせることで、マインドリーディングが可能となった場合に、司法のなかに利用すべきか。...
『10+1』 No.50 (Tokyo Metabolism 2010/50 Years After 1960) | pp.47-49
[バイオエシックスの場所 2]
一九三五年、ロンドンでの第二回国際神経学会議にて、脳破壊による動物実験の発表の直後、会場にいた六一歳のある医師が立ち上がって発言を求めた。 外科的なやり方で人間のこころの不安を取り除いたって構わんじゃないか? 会場から声をあげたのは、ポルトガルの医師アントニオ・エガス・モニス。 「精神外科(psychosurger...
『10+1』 No.49 (現代建築・都市問答集32) | pp.69-71
[バイオエシックスの場所 1]
第二次世界大戦末期、敗色の濃くなり始めたドイツ軍と士気あがる連合軍の対峙する北アフリカ戦線。連合軍のもとに、米国からの軍事重要物資として細菌感染症への特効薬である抗生物質ペニシリンが届けられた。そのころ、欧州や中東に比べて医療環境が貧困だった北アフリカでは、治療のためのベッド数は十分ではなく、傷病兵で病院はあふれかえっ...
『10+1』 No.48 (アルゴリズム的思考と建築) | pp.56-58