1959年生まれ。西洋近現代美術史、美術評論。上智大学教授。
(最終更新:2009年3月31日)
[論考]
東京のイメージとして日比谷公園は今、なんら象徴的な力をもっていない。かつては日本初の近代洋風庭園として、モダン都市東京を象徴するトポスであったこの公園は、いまや、公園だけの比較で言っても、東京を代表するものとして多くの人に認識されているかというと、はなはだあやしい。事実、現在の大学生世代にアンケートをとったり、インタビ...
『10+1』 No.30 (都市プロジェクト・スタディ) | pp.194-201
[論考]
東京という都市の現在を考える上で、「屋上」はひとつのキーワードとして流通している。そしてそれは、言わずもがなかもしれないが、二つの異なる文脈においてそうなっている。それを確認することから始めよう。 ひとつは、宮台真司の「『屋上』という居場所」と題されたエッセイに代表されるように、都市の死角としての屋上を、その「どこでも...
『10+1』 No.26 (都市集住スタディ) | pp.158-165
[論考]
裏──宅地的都心 ここのところの東京をめぐる情報の流通を見ていると、「裏原宿」や「裏青山」といった「裏」の街に関するものがずいぶん多い。今まで脚光を浴びてきた表のストリートや商業地区に対して、一本奥に入った通りや街。原宿、青山、代官山、恵比寿、中目黒など、おもに明治通りや山手通り周辺のエリアに現われつつある「裏」の街々...
『10+1』 No.28 (現代住宅の条件) | pp.147-155
[論考]
一九九〇年代、私は東京にいなかった。二、三年に一度の短期滞在を除けば、この一〇年間東京という街を実際には体験していない。その間のほとんどをニューヨークで過ごしたので、東京とのつきあいは、もっぱら、活字や映像による報道、そして映画、文学、マンガなど、なんらかのメディアの中に表われるそのイメージを手がかりにしてのものだった...
『10+1』 No.19 (都市/建築クロニクル 1990-2000) | pp.147-155