datetaira’s blog

日々の生活で思うこと

娘と二人での食卓

昨日の夕方、末娘が沼津にやって来た。

今日が「家族+舎弟での忘年会」なのだが、忘年会での御馳走ではなく「学校の課題としての料理を一緒に作ろう」ということで、一足先に末娘がやって来たのだ。

「冬休み中の家庭科の宿題で炊き込みご飯と豚汁と出汁巻き玉子を作りなさい」とのこと。そして、その調理過程をちゃんと写真に納めること…との指示だが、偏差値の低いアホ学校に通う学生というのは「ウェブの拾いものの完成写真」を平気で使用したりするのだろう。しかし、それを防ぐために「作っている様子を写真に撮れ」なんていうことをわざわざ指示する教師も程度が低い。

スマホなんて当たり前に持っている子供たちには「写真で報告」とだけ指示しておけば、楽しく料理した子は調理過程も撮るだろうし、ズルをする奴の中にも頭を使う奴は、ズルがバレないようにするために「程よくシロウトっぽくて下手くそなどこかのブログの写真」などをパクることだろう。

そうした中で提出する課題の出来に差が生まれ、そのクオリティの差を成績結果に結びつければいいと思うのだけど、程度の低い教師というのは「やる気のない馬鹿学生に無理やり何かを押し付けること」が大切だと思っているのだろう。「馬を水辺に連れて行けても水を飲ませることはできない」のに…。

さて、我が家の料理の話。

昆布と雑節で出汁をとる。あくを丁寧にすくう。野菜は大きさを揃えて切り、火の通り安さと食べるときの歯応えや味を想像しながら鍋に加える。そしてまた丁寧にあくをすくう。

そんなことを教えながら、途中段階のものを何度となく味見させて、出来上がった豚汁がこちら。

すまし汁だ。

出汁と豚肉と野菜の甘味と油揚げのコクと牛蒡の香りと仄かな塩味しかしない「シンプルだけど、柔らかで、でも力強い味」。食材にはそれぞれの持ち味があり、それらをちゃんと活かせば料理の味付けなんてだいたい決まる。

「そんな食材の個性や魅力」を粉末になった調味料でベタッと上塗りするなんて、食材には失礼だとは思わんかね…。そんなことを言いながら、二人ですまし豚汁を食べた。このあと、味噌と酒粕を加えるのだけどね…。

そう言えば、この冬、この娘に「新しい玉子焼きフライパン」を買ってやったのだった。彼女が使っているものは既に何年も経ってツルッとした加工などとうの昔になくなった「ものを焦げつかす為に使う」ようなボロいものだった。

クリスマスプレゼントに欲しいものがあるか?と僕は尋ねた。何か洋服でもリクエストされるのかと思っていた。秋に「ルビーの指環」のことを話していたら「ベージュのコートが欲しい」と言っていたから…。

しかし、その予想に反して末娘からの返答は「ツルッとした玉子焼きのフライパンが欲しい」だった。僕はフライパンは消耗品でどうせボロくなるものなのだから、古くなってくるとストレスを感じる前に買い替えるようにしている。

なので、そのリクエストを聞いたのは12月の上旬だったが「善は急げ」とばかりに、すぐにフライパンを新調してやったのだった。

今日は僕の使っている既にくたびれて来ているフライパンでの出汁巻き作り。

そして出来上がった「当たり前の美味しさのメシ」。庶民的な献立だし、材料費も特に高価ではない。食材が持つ本来の味に敬意を払い丁寧に料理をすればなんだって「大御馳走」になるのだと思う。

そして、人と一緒に作って人と一緒に食べるメシというのは本当に美味いものだと強く思った。