ゲームで子育て「バーンアウト・パラダイス」
「ゲーム脳の恐怖」などと、まるでB級ホラーみたいなタイトルで脅しかかる人がいる。しかし、もし「ゲーム漬け」になるとしたら、わが子ではなく、間違いなくわたし自身だろう。徹夜プレイというよりも、落ちるまで頑張るからね。俺、息子が高校生になったらKanonやらせるんだー(死亡フラグ)
ところが、困ったことに息子はあんまりゲームをしたがらない。いや、遊ぶことは遊ぶんだが、ちょっと壁があるとすぐあきらめてしまう。失敗することに臆病になっている、という感じだ。ゲームなんだから、何度でもやり直せるんだよ!と口酸っぱくしても、「どうせパパは上手だし」と引っ込んでしまう。
これではいかん!ということで、急遽「Burnout Paradise/バーンアウト・パラダイス」を購入する(ホントはわたしがしたかったのだ)。いや~これはリアルだわ。架空の街「パラダイス・シティ」を疾走するレースゲームなんだけど、爽快と熱狂のないまぜにさせられる。自由で激しく緻密に作られた世界を、風圧を感じさせるスピードで轟音を響かせる。HDMIにつないだら、あまりのリアルさにビビる。
レースやスタント、看板やショートカット探したりするのがたまらん。人のクルマにぶつけて壊して→ゲットだぜという極悪さがたまらん(シャットダウンという)。コンクリ壁や橋げたに激突→大破→空を飛ぶスクラップがたまらん。もちろんオープニングのガンズは絶叫しながら走る。
わたしが好きなのはレースだが、息子はロードレイジがお気に入り。要するに、「クルマで鬼ごっこ」であり、敵車にぶつけてシャットダウン(破壊)する数を競う。クラッシュがド派手で見事にハマる。
ところが、やっぱり「壁」がある。敵車が速くて強かったり、目標シャットダウン数に届かなかったり、逆に敵にシャットダウンされてしまったり、ボコボコにされる。息子涙目。これはゲームなのだから、この壁を越えられる/越えられないは全て自分次第だ。それが分かっているからこそ、悔しさにプルプルしている。
そこで、とーちゃんが一席ぶつわけ。曰く、現実は一発勝負的なところがあるが、ゲームはやり直せるし、くりかえせる。ゲームで何度も失敗して、「どうすれば上手くいくか」を調べて考えて試す。そして、できない→できるに変わるときが、いっとう楽しいんだよってね。見てみろ、ふつう時速300kmで激突したら、生きてられないよ。でもゲームだからできる。失敗しても、いいんだよ。
学校であれ友人関係であれ、なんとなく、「失敗を許さない空気」があるような気がする。常勝を求めるのではなく、逸脱を恐れる気持ち。ルールやらキソクやらで、予め囲われた中で、のびのびとやらせたい、というのは親のゴーマンかもしれぬ。も少し大きくなったら、その縛りを破ろうとするだろうが、今はまだ気づいていない状態だ。
だから、せめてゲームの中だけも、「失敗してもいいんだよ」ということに気づかせてあげたい。そして、失敗しながらも目標に近づく方法を模索することに、慣れてほしいなーと思いつつ。現実世界ではそいつは、試行錯誤と呼ばれており、かなり強力な方法なのだから。試行錯誤を楽しめるのなら、必ずゴールにたどり着けるのだから。リアルだったら100回死んでる、でもゲームだから100回クラッシュしても大丈夫なのだから。
息子は分かったのか分からないのか、うなずいた後に取り組む。なぜ上手くいかなかったのかを、ルート、走り方、車種に分けて幾度か試す→程なくして成功する→ニッコリ。ほら、とーちゃんの言ったとおりだろ!
とはいうものの、やっぱり馬鹿親だったようだ。先週、ジャスコの駐車場で強引な割り込みをかけてきたクルマに向かって、息子が一言つぶやく。
「パパ、あれシャットダウンしちゃいなよ」

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コメント
そんな息子さんにはiHandgunをおすすめします☆
イラつく交通渋滞、車を銃で撃ちまくる男(ただしiphoneで)
http://www.zaeega.com/archives/50864512.html
嵌るのがKanonかToHeartか君が望む永遠かで人生観変わりそう。
投稿: まふまふ | 2009.12.10 07:25
>>まふまふさん
マイケル・ダグラスの「フォーリング・ダウン」みたいなやつでしょうか…残念ながら、iphone 持ってないので指をくわえています。葉鍵なら安心して(?)見ていられますが、君望は論外でしょう。あれはリアル高校生禁止です。
投稿: Dain | 2009.12.11 06:55