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私は毎日鼻にほじるしてます。^^‼︎ 好きな言葉は"根本治療"

孤島のモンサンミッシェルに行こう!個人手配ガイド

 

海に浮かぶモンサンミッシェルを見たいですよね?行きましょう。

2024年の10月にモンサンミッシェルに行った際にかなり情報が少なかったので、人のためになればと思い執筆します。日本語、フランス語で調べた情報と現地で得た情報です。

 

流れ

  1. 満潮の日を調べる
  2. 宿を予約する
  3. 交通手段を予約する

英語またはフランス語になるので大変そうに感じます。実際に読み解くのに時間がかかりますが、国内旅行とやることはほぼ同じです。

ツアーの場合、モンサンミッシェルエリアのホテルに泊まるツアーならば満潮を見られますが日帰りの場合は無理です。そして満潮狙いの観光客は世界中にいるので満潮が見られるツアーは早くに埋まりやすいです。

今回、満潮をどうしても見たかったので個人手配しました。

個人手配のメリット

自由に見られる

島内の参観がゆっくりできます。

私は写真を撮るのが大好きで、良い画角を狙って人がどくのを待つことも多いです。ツアーでは落ち着いて写真を撮るのは難しいでしょう。個人手配ならばより良い写真を撮れます。

人に合わせて進まなきゃいけないということはありませんので、気に入ったところはじっくりと時間をかけて、そうでもないところは駆け足で通り過ぎることもできます。

自由に旅行日程を組める

モンサンミッシェル行きのツアーは日帰りだと大体6時か7時にパリ集合です。

私の手配したこの前の旅行では10時前にパリ発です。

ちなみに、満潮は見られませんが10時前出発でも日帰りできます。その場合現地の滞在時間は3時間になります。食事のことも考えるとかなりハードですが、オムレツを諦めて食べ歩きしたりガレット屋(クレープリー)で食べたりして、修道院を駆け足で見れば(もしくは修道院を見なければ)行けます。笑 

安く済む

自分以外の手がかからないので手数料が発生しません。全て正規の値段で済みます。

個人手配のデメリット

遅延・乗り遅れに弱い

ツアーのバスと違い乗り継ぎが発生するので何かが遅延したり乗り遅れたりしてしまうとその後に影響します。後で説明しますがモンサンミッシェルは田舎ですので本数が少ないです。

寝ているだけでは着かない

ツアーならバスの中で寝ているだけで行きも帰りも着きますが、個人手配では必ず乗り換えが発生します。渋滞にハマった場合など、次の予定のキャンセルや予約し直しを乗り物の中からやる必要も出てきます。

時間がかかる

電車やバスの乗り継ぎだけでなく、美味しいご飯屋さんや乗り換えの時間の過ごし方などいろいろと調べるのに想像以上に時間がかかります。その時間を短縮するお手伝いとしてこの記事を書いていますが、それでもご自分で調べる必要はあるでしょう。旅行のスケジュールをいつも組んでる人には楽しいことだと思いますが、いつも誰かに任せている人には大変に感じるでしょう。

 

1.満潮の日を調べる

公式サイトにカレンダーがあります。Les horaires de marées - Destination Mont Saint-Michel Normandietéléchager les horaires de marées=カレンダーをダウンロードする

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カレンダーは左の列から順に、日付 | 朝の満潮係数 | 朝の満潮の時間 | 夜の満潮の時間 | 夜の満潮係数 | 朝の干潟時間 | 夜の干潟時間

カレンダーの濃いオレンジで白字の部分は水位がかなり高くなる日です。係数の数字が高いほど水位が高いです。夜は暗くて見えませんから朝の満潮を狙ってください。島内参観を右端の干潟時間に合わせ、翌朝の満潮を見ると良いでしょう。

このカレンダーは月の満ち欠けに連動するためかなり正確です。

ライトアップについて、以前は定期的に行っていたそうですが、現在は気まぐれにやっているそうです。もしあるなら22時くらいからライトアップで、実際見に行ってみないとわからないとのこと。ホテルのフロントの方が教えてくれました。ライトアップがどうしても見たい場合はSpectacle(ライティングショー)がある期間に行くと良いでしょう。

2.宿を予約する

日程を決めたら、まずは宿を予約してください。宿の数が少ないからです。交通手段は後でも全然問題なし。

満潮狙いなら絶対に対岸ホテルがおすすめです。満潮になって島から出られなくなる心配がないからです。

部屋からモンサンミッシェルを見るのは諦めてください。部屋から見えるホテルが一つありますが見えるのは一室のみです。そのホテルはオーバーブッキングしてツアー客を優先し、個人客は島内の系列ホテルに移動させるようです。窓から見えるものではないと思ったほうが身のためです。ちなみにそのホテルはLe Relais Saint Michel(ル ルレ サン ミッシェル)です。

私はLe Relais de Roi(ルルレデュロワ)に宿泊しました。agodaで予約。エレベーターはありませんがフロントはフレンドリーです。広くはないけれど、寝るだけなので必要十分でした。

エレベーターがないホテルが多いのでスーツケースはパリに置いてきて荷物は一泊分にした方が良いです。私はパリで連泊にしてホテルの部屋に荷物を固定して置いて行きました。

また、参観の前にホテルに荷物置いて(もしくは預けて)いった方が良いです。特に修道院を見る場合は急な階段をたくさん登り、さながらハイキングなので軽い方が良いでしょう。足の悪い方は修道院を見るのはやめた方が良いです。ちょっと心が折れそうなくらい階段を登ります。

予約時の決済でエラーになることが多々あります。カード会社が不正利用を疑って止めていてくれているだけです。 いつも日本で決済しているのに突然フランスで決済しようとしたので怪しんで止めてくれているわけです。海外利用の申請をカード会社のチャットや電話などでしてからもう一度決済してみてください。決済完了メールが来たのを確認してようやく予約成功です。

 

3.交通手段を予約する

Rennes(レンヌ)経由を紹介します。

新幹線 TGV + 路線バス Keolis

まずは路線バスのKeolis armorを予約します。バスの方が運行時間が限られているからです。

予約は公式サイトからできます。英語に変えられます。

https://www.destination-montsaintmichel.com/en/?uuid=feacfe01-489c-40f3-bf3a-208df097e295

まずは画像のように出発地にRennes - Gare Routière - を選びます。到着地はモンサンミッシェルしか選べません。

"NEXT STEP"を押します。日付を選ぶとその日の便が表示されます。出発時刻が四角いボタンになっていて押すとチケットの枚数を選べます。"残り〇〇席!"と焦らせるようなメッセージが赤く出ますが個人手配の人しか乗りませんので残り9席でもない限り全く心配要りません。成人チケット、26歳以下チケット、4歳以下チケットがあります。枚数を選択したら "+ Add a ride back"を押して帰りの分も予約します。往復予約で€4〜5も安くなりますよ。

"Payment"を押して予約内容を確認します。

名字、名前、都道府県、Japan、メアド、電話番号を順に入れます。電話番号欄は国を選ぶタイプで自動で検出してくれません笑 日本を選べたら頭の0をひとつ消してください。黄色くエラーになったら0を消せてないか、国が間違っているか、電話番号を間違えています。

2か所チェックを入れたらカードのマークのボタンを押し、決済します。決済でエラーになることが多々あります。(2回目の説明)カード会社が不正利用を疑って止めていてくれているだけです。 いつも日本で決済しているのに突然フランスで決済しようとしたので怪しんで止めてくれているわけです。海外利用の申請をカード会社のチャットや電話などでしてからもう一度決済してみてください。決済完了メールが来たのを確認してようやく予約成功です。

 

続いて新幹線であるTGVを予約します。SNCF(フランス国鉄)のサイトまたはアプリ(SNCF connect)を開きます。必要に応じて英語表記にしてください。会員登録を済ませたら行き先にRennes(レンヌ)を入れます。出発地にParis Montparnasse(パリ モンパルナス駅)を入れます。このときMontparnasse(モンパルナス)をキーワードにしてください。乗る日付を入れて、旅行者を登録して"料金を見る"的なボタンを押します。旅行者を登録するのは、26歳までと高齢者には特定の条件下で割引があるからです。

"料金を見る"的なボタンを押すとこのように実際の運行時間が出てきますので良いものを選びます。

 

 

TGVをRennes(レンヌ)駅で降りたら、バスに乗ります。

Keolisでモンサンミッシェル行きを予約します。往復割引があるので帰りも同時に予約するのがおすすめです。

高速バスFlicker

唯一乗り継ぎが必要ない手段です。パリから駐車場まで行くのでシャトルバスに乗るだけ。

しかし、バス会社として非常に評判が悪いです。口コミサイトにフランス語や英語で、思わず笑ってしまうほどボロクソ書かれています。実際にFlickerを使ってモンサンミッシェルに行かれた方のブログを見ると、乗り場が非常にわかりづらいとか30分遅れてきたのに謝罪も補償もなしとか到着が1時間も遅れたとか書かれています。乗り場がわかりづらいのはなんとかするとしても、遅れるのは非常に困ります。せっかくの旅行ですからなるべく無駄な時間を少なく、楽しい時間を多くしたいです。安くて乗り継ぎも少ないので楽ではありますがリスキーすぎると判断し除外しました。

 

シャトルバス

無料シャトルバス( Les navettes gratuites)のスケジュール

Mont Saint-Michel : actualités et infos pratiques - Destination Mont Saint-Michel Normandie

11月-2月の閑散期でも8:30-22:00の間に約12分間隔で走っています。時刻表はありません。

※時間外でも電話すれば来るようです。記載がないのでおそらく無料です。

駐車場からは徒歩45分、島外ホテルからは徒歩約30分です。バスが遅い気がしても、来るのを待って乗った方が歩くよりも早いです。なかなか来ない気がして歩いてみましたが、途中でバスに3台も追い越されました。(12分×3台)

このシャトルバスは遅延の心配はありません。循環バスで、モンサンミッシェルまでの一直線の道を走るので混んでいません。一台が循環しているのではなく同時に違う場所で何台も運行しています。ただ、ツアー客と被ると乗り損ねる可能性がありますので、1本見送るつもりでスケジュールすると困らないでしょう。

拘置所に行こう!東京拘置所矯正展2024

読み上げ(語り、ラジオ)はこちら↓

 

 2024年10月5日、天気は雨。Let's go 拘置所!東京拘置所矯正展2024!

f:id:poyapoyako:20250106032140j:image

拘置所は一般人からすれば刑務所だが、厳密に言うと違いがある。裁判中で判決待ちの被告人が主に収容されている他、死刑囚も収容されている。

 

すぐそこの建物に死刑囚がいるというのに、矯正展の空気は平和そのもので自分がどこにいるのか忘れてしまう時間が多かった。

f:id:poyapoyako:20250106035442j:imageテーブルに座っている人々

地元の大きな公園でたまにやっているお祭り(夏祭りではない)のような雰囲気だった。屋台もあるしバザーっぽい出店もあるし地域の吹奏楽部の演奏もある。

おそらく9割は地元の人だ。見たところ子連れが最も多かった。他には地元に住んでいるカップル、高学歴っぽいカップル、老人のコンビや集団など。男性二人組、一人で来ている男性もちらほらいた。私は途中まで一人参加だったので密かにシンパシーを感じていた。

 

楽しみにしていたのは食べ物!プリズンコッペにプリズンカレー。午前中ギリギリに到着し、小走りでプリズンコッペへ。ピーナッツバター味をゲット。f:id:poyapoyako:20250106033437j:imageめちゃくちゃ大きい。おいしい!

プリズンカレーはかなり並んでいた。先頭の様子からしてもう無くなりそうな気がしたので断念。f:id:poyapoyako:20250106035055j:image雨なのに人通りが多くて並ぶのは結構辛い。

 

地元のお祭りと違うことのひとつは、普段見られない車両を近くで見られること。警視庁から護送車含め3台、消防庁からは4台、自衛隊の車2台、矯正局のパトカーっぽい車1台。全て違う車だった。

私たちが乗れる(運転席に座れる)車両もある。自衛隊のジープがかっこよかったので運転席に座らせてもらった。

f:id:poyapoyako:20250106032216j:image私は大人なのにあちらから「乗りますか?」と声を掛けてくれて親切だった。今回は傘の開閉が面倒に感じて1台しか乗らなかったが次回は積極的に車両に乗りたい。はしご車が子供に人気らしい。

自衛隊の南極の氷と石を触らせてくれるブースが興味深かった。 私の大好きなペンギンがきっと歩いただろう。ペンギンの看板に吸い寄せられたので自衛隊に笑われてしまった。

 

もうひとつ楽しみにしていたのが性格検査。人気なようで整理券式だった。何もアナウンスされないので性格検査会場の建物入り口に張り出された案内を見るしかない。f:id:poyapoyako:20250106033333j:image受験時に担当のスタッフの方に聞いてみたら、受刑者が受ける性格検査を一般向けに変えたものとのこと。受刑者が受けるものと全く同じものが見たかったので少し残念。どんな文章なのか、何を聞かれるのかに興味があったので。検査はマークシート式で受験を思い出させた。設問は40くらいだったように思う。"はい"、"いいえ"、"?"の3択。提出後1分くらいで検査結果の紙をもらえる。概ね当たっているがとても精度が高いわけではない。2択であるので"どちらかといえば"で選ぶため極端な評価になりがち。少し当てはまってるから選んでいるのにな…という項目があった。これは他の性格診断にも同じことが言えるが。

 


旧庁舎の見学は60分待ちと掲示されていたが結局20分待ちだった。傘の分、列が伸びるので実際の待ち時間が短かったのかもしれない。内装が結構かわいい。f:id:poyapoyako:20250106032657j:image

 

受刑者の書道を見ていたらこんなことが書いてあった。「世界平和」「戦争のない世界」「子供や家族が病気になりませんように」f:id:poyapoyako:20250106032527j:image 心が揺れた。やはり私たちは同じ人間なのだと感じられて嬉しかった。

 

初めての拘置所はとても楽しめた。和やかなのに、ところどころに受刑者の面影があるのが癖になる。是非また行きたい。今度はプリズンカレーを!そして府中刑務所にも早く行きたいものだ。

f:id:poyapoyako:20250106032733j:image

聴き比べ:ラフマニノフ交響曲第2番第3楽章

Rachmaninov Op.27, Symphony No.2 in E minor, III Adagio比較 ※随時更新

前提:
  • クラシック畑の出身ではないがホルン奏者
  • 第3楽章のみの比較
  • AppleMusicのサムネ引用
  • サビ=主題
  • 乙サビ=最後の主題
  • 悲劇=6分半〜7分半あたりの短調
  • 多重ハーモニー=15分あたり

この曲への愛についてはこちら→私の全てを知る者 - 鼻

 

ロンドン交響楽団 + アンドレ・プレヴィン / 1973

London Symphony Orchestra, André Previn

f:id:poyapoyako:20241217002408j:image

お気に入り度★★★★★

  • テンポがちょうど良い 結構ゆっくり(15:45)
  • 響きと楽器のバランスが良い
  • クラリネットのビブラートがうまい
  • 悲劇は耳うるさくなくて悲しさと美しさが共存している
  • 悲劇の弦と管がよくマッチしてる
  • ソロのホルンが美しい
  • ソロのオーボエも美しい
  • 終盤の多重ハーモニーがとてもとても美しい
  • 関係ないけどフランス語読みしたらアンドレ・プフヴァンじゃない?
  • 各箇所の理想を突いてくる、かゆいところに手が届く録音
  • 今のところ1番好きな録音

 

RTÉ国立交響楽団 + アレクサンドル・アニシモフ / 2001

National Symphony Orchestra of Ireland, Alexander Anissimov

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お気に入り度★★★★★

  • テンポは気持ち早め(14:48)
  • 抑揚の付け方がうまい
  • ホルンうますぎ
  • 悲劇が耳うるさくない
  • 悲劇の後ろにいるホルンの芸術点が高い
  • ソロのホルンもうまいが、しゃくりが少し気になる
  • 乙サビの入り方が情感たっぷりで好き 適切なクレッシェンドから始まり縦も揃っていてティンパニも適切な音量でとても良い
  • 全体的になめらかで美しく、耳触りも良く、とても完成度が高い録音
  • ロンドン響アンドレの方がテンポが好きだが甲乙つけ難いほどこちらの録音もお気に入り
  • この曲に出会ってすぐにプレリスに入れた録音で1番聞いている録音でもある

 

Darren Ray Thorn (Castaway Concerto, Vol.3)

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お気に入り度★★★★★

  • 第3楽章をアレンジした現代音楽
  • 多分ジャズ、でもテンポゆっくり
  • サンセットビーチを想起させる波の音やカモメの声が入っている
  • サックスとピアノの掛け合いの中でたまに違う楽器が聞こえてくる
  • 音数少なくシンプルなので本当にサンセットビーチで聴いているかのように感じられ、癒される
  • 展開的には弱い部分もあるがサックスがうまくて情感たっぷり
  • 10分あたりからのピアノがいい仕事している
  • クラシックから遠い人にもこの曲を好きになってもらえるようなアレンジ
  • 最初別の曲だと思って聞いてた

 

フィルハーモニア管弦楽団 + エフゲニー・スヴェトラーノフ / 2012

Philharmonia Orchestra, Evgeny Svetlanov

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お気に入り度 ★★★★★

  • そもそも調が違くて新鮮 これはこれでアリ
  • 1サビの入りがかなりズレてる
  • 1サビ後の主線にオーボエがいるのも珍しい
  • オーボエの美しい音色が際立つ構成
  • 悲劇の緩急が素晴らしい 本当に悲劇的
  • 悲劇の氷のようなヴァイオリンが雹(ひょう)のよう
  • ソロのオーボエもうますぎる
  • 2サビ後のホルンがよく聞こえて楽しい
  • 最後に拍手や足音などの環境音が入り、趣がある
  • 全体的に完成度が高くて美しい

 

ロンドン交響楽団 + サイモン・ラトル / 2021

London Symphony Orchestra, Simon Rattlef:id:poyapoyako:20241217001246j:image

お気に入り度★★★★☆

  • 結構ゆっくり(15:22)
  • 高音域は非常にユニゾン度が高く、ピッチとタイミングをよく合わせている 機械で倍にしているかのように正確で美しい
  • イントロ主題の入りが少しズレる
  • Aメロの不協和音出す金管が大きめで新鮮
  • Bメロ(4分半あたり)の抑揚の付け方が強く、引き込まれる うまい
  • 悲劇は未亡人の涙のようにしとしとと控えめな中に美しさがある
  • 1サビ(主題2つ目)にぬるっと入ってしまうのが残念 もう少し抑揚が欲しかった

 

 

 

ロンドン交響楽団 + ワレリー・ゲルギエフ / 2012

London Symphony Orchestra, Valery Gergiev

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お気に入り度★★★☆☆

  • 少し早め(14:22)
  • 全体的に音が柔らかくて聞きやすい
  • バランスが良い
  • 悲劇にしっかりと圧がありハーモニーも良いが縦が気になる
  • 悲劇のホルン高音を柔らかく出しててうまい
  • ソロのホルンは詰まったような音色で残念
  • 乙サビの入りがずれまくりで萎える

 

ロイヤル交響楽団 + アンドレ・プレヴィン / 1985

Royal Philharmonic Orchestra, André Previn

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お気に入り度★★☆☆☆

  • かなりゆっくり(17:12)
  • 他の演奏知ってると間も長く感じるが、この曲に浸るには良い
  • ところどころ縦が気になる
  • ホルンが上手くないので楽しくない
  • 序盤クラリネットソロのピッチが悪い
  • 悲劇の金管割れてて音量も大きくてうるさい 聞くのやめたくなる
  • 1サビの入りはちゃんと揃えてきて逆にびっくり
  • 乙サビの入りはズレた

 

ロンドン交響楽団 + ゲンナジー / 2005

London Symphony Orchestra,

Gennady Rozhdestvensky

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お気に入り度★★☆☆☆

  • 最初のピッチが合っていないため聞き続けるのは辛いという残念録音 イントロ主題が終わればピッチも気にならないが最初がひどい
  • 1サビはかなりゆったりだが笛が縦ズレてる
  • 悲劇は情感たっぷりでかなり良いバランス 耳うるさくない
  • 悲劇後の多重前〜多重中の金管が割れてて下品
  • ソロは各パート申し分ない ホルンもオーボエもいて嬉しい
  • 乙サビ入りずれまくり

 

フィルハーモニア管弦楽団 + マリス・ヤンソンス / 1988

Philharmonia Orchestra, Mariss Jansons

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お気に入り度★★☆☆☆

  • イントロ主題の抑揚や音量が控えめすぎて薄っぺらい
  • 低音よく聞こえてきて良い
  • 序盤ソロのクラリネットのピッチが気になる
  • 悲劇の部分は金管が目立っていて新鮮だが、耳うるさい
  • 悲劇後の主題は高音がただ強いだけで美しくない

 

ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 + エフゲニー・スヴェトラーノフ / 2022

USSR State Symphony Orchestra, Evgeny Svetlanovf:id:poyapoyako:20250106084411j:image

お気に入り度★★☆☆☆

  • テンポ良い(15:40)
  • 本数少なめなのか薄く聞こえる
  • ホルンうまくないので楽しくない
  • 悲劇うるさい
  • 乙サビの入りひどい
  • 1996とは違う録音っぽい エフゲニー没後20年のため何のやつだか不明

 

以下描きかけ

ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 + エフゲニー・スヴェトラーノフ / 1996

USSR State Symphony Orchestra, Evgeny Svetlanov

悲劇うるさい
2サビズレすぎ 
 

ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団+マリス・ヤンソンス

★★★★なやむ

ピッチが良く

ユニゾンしていて

基礎力が高く、練習量が多そう 良く合わせている

サビも悲劇も圧が良い

悲劇は圧があり、奥行きもありとても豊かな美しさと悲しみ

悲劇後の2サビが痛烈な叫びのようで劇的な演奏

おっ!と思う録音

裁判を見よう!傍聴レポート

読み上げ(語り、ラジオ)はこちら↓

 

念願だった裁判の傍聴へ。

法曹関係者になるつもりはなく、犯罪者への心理学的な興味から。

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※トロフィーは誕プレ、裁判所と無関係

訪れたのは東京高等・地方・簡易裁判所庁舎。合同庁舎で、つまりひとつの建物である。

 

裁判は会議だった。想像するようなあの戦いのような雰囲気はない。みんな棒読みで流れ作業、台本読みのようだ。次の日程も法廷で決める。「次は何月何日どうですか?」「その日は…何日ならどうですか?」「じゃあ判決は何日で。閉廷」日程の擦り合わせを傍聴人がみんな聞いている。後でやれば?

裁判官も弁護士も検察も被告もみんな声が小さくて傍聴席まで聞こえない。基本ぼそぼそ喋ってる。多分柵の内側では聞こえているのだろうが、外側の傍聴席まではあまり聞こえていない。

裁判開始と終了の時だけ傍聴席も全員立ち上がって礼をするのが卒業式みたいで面白かった。声が小さいし、ぬるっと始まったり終わったりするので傍聴席の人が少ないといつ立つのか判りかねる場面もあった。合図を聞き逃さないよう注目したが、気が付いたら終わっていたこともある。

 

傍聴席は仕事関係者が多いようでみなスーツや眼鏡のかっちりした装いで年齢層も上。私服の20代女性は私たちだけで完全に浮いていた。裁判所内ですれ違う人達も皆仕事で来ているようだ。昼休憩を終えて午後になると学生が急増したが午前から来る一般人はほぼいないようだ。被告や原告の関係者っぽい人もほぼいない。 そして基本満席ではない。こんなに面白いのに、もっと見にくればいいのに。

 

裁判所内は異様な眼鏡率。全ての種類の眼鏡男性が集まっていた。態度が大きい眼鏡、ルールにうるさそうな眼鏡、卑屈な眼鏡、ビビリの眼鏡、オタクな眼鏡、親切そうな眼鏡、ちょっとチャラそうな眼鏡。

そして女性が全然いない。1%くらいだろうか。法廷の中では裁判官側の事務員と傍聴人以外では見なかった。弁護士や検察官にはとても少ない様子。なお、お昼休憩の時間には女性が多く見られた。

 

法廷(部屋)はそれぞれ101号室102号室のように部屋番号が割り振られており、膨大な数がある。雑居ビルや病院のようだ。静かで人がいないのもまさしく。各階に20,30ほどの法廷(部屋)があり、それが10フロアくらいあった。ただ、実際に全て使用されているわけではなさそうで、同じ部屋に別の裁判で3回も入った。無駄なところがなんだか公的機関らしくて笑みが溢れた。

人がたくさんいるはずなのに廊下には私たちだけしかいない時間も多く、異様な空間だ。授業中の廊下のようでもあるけど、なんの音も聞こえない。防音のためなのか廊下と法廷(部屋)の間にもう一枚扉があるのも関係しているだろう。とても不気味だった。昼休憩になるといなかったはずの人々がB1Fに大量に集まっていておかしかった。

 

食堂の牛すじカレーがおいしい!特別牛すじに興味はないが15食限定に惹かれて注文。辛すぎず美味しかった。牛すじカレー(580円)の他は全部そば、定食はない。15食限定なのに絶対15食以上出ていた。

 

各裁判所のHPで傍聴券交付情報に記載されている裁判以外は当日庁舎内のタブレットでのみ知ることができる。タブレットは20台はあるし、特別混まないはずなのであまり朝早く行く必要はない。朝イチだとしても9時45分で良い。ただ、膨大な量の裁判が1日に行われているのでめぼしい裁判を見つけるのに苦労する。

法廷では罪状や犯行理由などの説明は基本ない。あらすじなしで完全に途中から専門用語まみれの映画(会議)を見ることになる。それを避けるには、地裁刑事裁判の新規事件第一審を見ると良いそうだ。それなら面白いとエレベーターに滑り込んできた検事が教えてくれた。あなた、さっきまで柵の向こうに居ましたよね?帰るのがとても早いみたいだ。

 

裁判は途中から入ることも途中で出ることも出来る。だが、注目を集めてしまいかなり目が合うので苦手な人は注意。裁判官はもちろん被告とも目が合う。小さな法廷(部屋)だと傍聴席は2列(20席ほど)しかない。

裁判はとても短いのでトイレが近い人や落ち着きがない人も気にしなくて大丈夫。もしたまたま長い裁判に入ってしまったら途中で出れば良い。咎められることはない。

 

以下備忘録として各法廷の感想。影響のない範囲で、ぼかしつつ認める。

1. 性的姿態等撮影 (盗撮)

入った瞬間判決を言い渡しておりかなりタイミングが悪かったので視線を集めてしまった。

全員声が小さくて何も聞こえない。

被告は絵に描いたような被告だった。背を丸め、男性にしては少し長めの伸びっぱなしの髪と髭、眼鏡、小さな声。人生で初めて被告を(被告と認識した状態で)生で見たので、閉廷後にロープに繋がれていく被告をいろんな思いでじっと見つめてしまった。

2. 損害賠償請求(宗教系・抽選傍聴)

本件は高等裁判所管轄で事前に抽選があるとHPに記載があった裁判。本件目当てに朝イチで訪れた。抽選券配布の時間になると配布されたのは傍聴券だったのでどうやら並んだ人数が定員以内で抽選せずに済んだようだ。

その日行った中で1番大きな法廷(部屋)はたくさんの女性で埋め尽くされていた。 他の法廷とは明らかに層が違う。原告である教会の関係者が傍聴しているのだ。おばあちゃんやおばちゃんが多くを占めていて、その割におじいちゃんはおじちゃんはいなかったので老人の社会体験や趣味ではないことがすぐにわかった。

検察官は2名ほど遅刻してきて、合計で10名近くいたが検察官はそんなに必要なのだろうか。弁護士だったのかもしれない。しかもコートを着たまま入ってくるので会社員とは感覚が違うようだ。社内でコートを着るのはマナー違反だろう。

抽選予告した割には重要な法廷ではなかったようだ。原告側は弁護士1人のみで、一般人には何を言ってるのかわからないまま(おそらく何も進展しないまま)何かを確認していき3分で閉廷した。期待していただけにとても残念だった。抽選があるからといって面白い法廷とは限らない。

3. 性的姿態等撮影 (盗撮)

入った瞬間被告は裁判官に怒られていた。とても驚いたが裁判官は親身になって怒っているのが伝わってきた。裁判官も良いが先生にも向いているかもしれない。少なくとも裁判官としては良い人だと感じた。声も大きくて聞き取りやすいのでありがたかった。

被告は無害そうな顔のサラリーマンだ。無害そうな人こそ陰湿で危険な可能性を秘めているということは知っていたが、本物を見て少し動揺した。確かに警戒心を抱きにくい見た目をしている。

こうした人物は真面目そうに見えるので色々と得をするようだ。 真面目とは一体なんなのか。仕事で真面目なら何でも良いのか?罪を犯していても真面目そうなら会社には害がない?私が社会への苛立ちを感じた法廷だった。

被告と何度か目が合ってしまった。警官が2人控えていて且つ私たちの間には柵があるのにそれでも少し怖かった。

被告は声が震えていてそれが不思議だったが、被告にとっては人生で初めての判決だったのだ。被告は緊張しないと思っていた自分に驚いた。

4. 覚醒剤等取締法違反

被告は子供を裏切って申し訳ないと言っていた。東京拘置所の展示で、我が子を想う書道作品があったことを思い出した。被告の人間らしさになんだか嬉しくなった。

弁護士と検察官が学生のようだった。裁判官に話を振られた時に、机に手をついたまま腰を上げて前のめりになって話し、すぐに座っていたのが印象的だ。大人になっても、裁判でも、そんなことをするんだなと感慨深かった。いくつになっても感性は大して変わらないのだ。すぐに座るのに立ち上がるのは面倒だ。教科書の音読を当てられた学生のように怠そうな様が忘れられない。

5. 覚醒剤取締法違反、麻薬及び向精神薬取締法違反、大麻取締法違反、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例に関する法

被告にとっての家族、つまりお仲間の方が傍聴席にいらしていてこれまた他の法廷とは違った層だった。他の法廷には関係者のような人は見受けられなくて哀しかったが、この傍聴席には何人も来ていたので絆が強くて感動した。

薬物中毒者とその売人に興味があったので本物に会えたのが嬉しかった。テレビの向こう側の人に会えた感覚だ。

終わりかけに入ってしまったようで、なんだかよくわからないうちにすぐ終わった。閉廷後に被告が振り返ってお仲間とアイコンタクトを取っておりここでも絆を感じた。血が繋がっていなくてもこんなに想ってくれる人がいるってなんかすごくいいな。

6. 不当利得返還請求(多分)

入ったら柵のこちら側には私たち以外は誰もいなかった。無観客法廷。なんでここ見に来た?という視線が刺さった。代理人のみで1分で終了した。これはもはややらなくて良いのでは?わざわざ予定を合わせて集まっているのが時間の無駄だと思った。しかもやっぱり声小さいし用語も知らないから何もわからない。手違いか何かで全く同じ法廷に全く同じ時間で2つの裁判がスケジュールされておりどちらも気になったので入ったが、結局どちらの裁判を見たのかわからなかった。

7. 殺人未遂

頼る人がいなくてストレスが発散できず爆発してしまったという旨の供述をしていた。絵に描いたようだが実在しているのだ。また、生活保護と言っており、貧困と精神状態は大きく関係していることにやりきれない思いを抱いた。

 

以上7つの裁判を見ることができた。途中入室も相まってほとんどが10分以内に終わってしまった。次回は初心者向けの法廷を楽しみたい。とても興味深いのに完全無料で楽しめるのは本当にすごい。また行こう。

配信者がなぜ無理なのか

大前提:ヲタク嫌い

配信者が無理なのはヲタクアレルギーだから。どうしてヲタクが嫌いなのかについてはこちらの記事で詳しく書いた。ヲタク嫌いのヲタク - 鼻

イラストの裏で冴えないオタクくん、オタクちゃんが喋っているのかと思うと気持ち悪くなってしまうのだ。彼らは美意識が年相応でないので大抵芋臭いのに、イラストになると途端に美少年や美少女だ。本人とかけ離れてるであろうビジュアルに、ウッとなってしまう。

もはや私のヲタク嫌いは条件反射で、まさしくアレルギーのため個人を知ろうとすることは少ない。声優が苦手な理由もこのヲタク嫌いにある。だって彼らはヲタクだからだ。

 

一般人の発信に興味がない

今や事務所所属が当たり前になりつつあるYouTuber、Vtuber、歌い手、その他配信者(これをまとめて配信者と読んでいる)だが、やはり彼らは一般人である。

一般人が目立ちたくてインターネットに投稿していて、そのマーケットの拡大に目をつけた人たちが事務所を立ち上げて誰もが事務所所属になっているだけだ。

事務所所属していても、面白さやクオリティの高さが全く担保されていない。大抵内輪ノリに過ぎない。 基本的に配信者の動画や配信は、内輪ノリが面白いと感じられるかそうでないかだけ。

歌ってみた、100万円で〇〇してみた、全部注文してみた、コスメの紹介、ゲーム実況、これらは全部〇〇してみただけであってそこに努力やプロフェッショナルが感じられない。歌なら誰でも歌えるし上手い人なんかザラにいる。企画系の動画も企画しただけで他の人でもできるから専門性を感じられない。ゲーム実況なら世界レベルで上手ければリスペクトに値するが、そうでもなければずっとゲームをやっているだけの人という印象だ。

一方、演奏してみたや作品を作る工程を投稿する動画の人はそこに努力やプロフェッショナルを感じるのでむしろ肯定的に捉えている。数日では成せない。例えその動画の準備時間や制作時間が短かったとしても、それはこれまでのその人の努力があるからである。 彼らを自然とリスペクトしている。

 

好きになれる配信者

逆にどういった配信者ならば私は好きになれるのかと考えてみる。

配信者の分身となるキャラクター

  • 人間ではない
  • キャラクターなし
  • ブサイク
  • とても私の好みのビジュアル

まずはビジュアル面について考える。想定される本人の容姿とフロントマンであるキャラクターの乖離がひどいため気持ち悪くなるのであり、そもそもキャラクターがない、人間ではないといった条件であればビジュアル面での気持ち悪さは避けられる。また、とても私の好みのビジュアルだった場合は知りたいと思うきっかけになったり特効薬となる可能性がある。

性格や癖

  • 口調がヲタクではない
  • 笑いのセンスがある

上記二つは必須条件だ。

私が配信者のどこから芋を感じ取っているのかと言えば、それは口調である。ヲタクの口調であるということは、それ即ち昔からヲタクであり周囲もヲタクだということだ。ヲタク嫌いになった原因の"輪に入らないヲタク"が想起される。例え、身なりに気を使うようになっていたとしてもやはり"輪に入らないヲタク"は嫌いである。ヲタク口調の人でヲタク外のコミュニティーで上手くやっている人を見たことがない。上手く話せていると思っているのは本人だけである。

ヲタク口調ではない配信者を見つけたとて、面白くなければ好きにならない。だから笑いのセンスも必須である。

 

例外の配信者

例外として、友達の推しがいる。配信者は無理だが、友達の推しとなると話は別だ。

積極的に動画を見ることはないが、友達がトリミングした動画をTwitterに投稿していたらそれは見る。Twitter上の動画なら見るが、URLには飛ばない。

友達が推しについて話してくれると、なんだかよくわからないけど楽しそうだから嬉しい。民度の低い場所で心配になる。できる限り永く、平穏に活動が続いて欲しいと思う。平穏な界隈や運営であれ。

 

終わりに

配信者は生理的に無理だが、好きになれる条件も挙げてみた。実際、ヲタク嫌いのヲタク - 鼻からもわかるように私はとりわけアニヲタを嫌悪してきたけれど今じゃしっかりアニヲタだ。突然好きになれる乙女ゲームのキャラクターに出会って、そこから他のゲームにもハマって、アニメも見るようになった。配信者でも同じように革命が起こるかもしれない。お友達は心のどこかで期待していてね。

ヲタク嫌いのヲタク

こんにちは。自らもヲタクだと言うのにヲタクが嫌いな私です。

ファンからヲタクに変わったのはいつだっただろうか。人生の半分はヲタクである。

自分のヲタク嫌いをきちんと掘り下げないでヲタクをしてきたけれど、自分の内面と向き合いよく考えてみた。

一緒にするなという思いから

始まりは学校生活

みんなの輪に参加しない人を理解できなかった。私たちはクラスみんなで楽しもうとしているのになぜか彼ら(もちろん女子も含む)は逃げる。彼らは意見を求めている場面でも意見を言わないが、そのくせ私たちの聞こえないところでこそこそと愚痴っていた。昔からそれが気に入らなかった。何か希望があるのなら言えば良いのにこそこそと文句を言う。私が何か意見があるかと振っても何もないと言う。彼らも楽しめるようにと何度も歩み寄っても跳ね除けられる。輪に入る気がないのだ。卑屈で被害妄想傾向にある人も多い。自分の意見をはっきり言わずにうじうじしているやつは嫌いだし、何より私たちが一生懸命考えた催しや企画を愚痴られて、否定されて良い気分になるはずがない。

だから私はそういった人が給食の時間に流すボーカロイドが嫌いだった。不愉快な音楽。初音ミク?カゲプロ?何それ。アニメだって同じだ。彼らはプリントやノートに絵を描いてばかりいるから、アニメも苦手だった。美少女・美少年アニメを見ている人は嫌いだった。どんなコミュニティでも輪に入ろうとしない人は大抵ボカロとかアニメが好きだったから、蓄積されて彼らの好きなものを私は嫌いになった。

ひょんなことから私は二次元にハマり、アニメを見てボカロも聴くようになった。あんなに気持ち悪いと思っていたアニオタに私もなっていた。インターネットでアニメやゲームの友達もできた。だが、私の友達は、輪に入ってくれるタイプが多い。もちろん例外もいるが、そういう人じゃないと仲良くするのは難しいのだ。

友達を除き、大多数のヲタクのイメージは昔の学校生活の印象のままだ。 だから私はヲタクになって、ヲタクの友達が出来てもヲタクが嫌いなままだ。

 

美的感覚のズレ

基本的に、ヲタクは身なりに気を遣っていない。対して私は美についていつも考えている。だからこんな芋臭いひとたちと同列にされたくないという思いがある。

今やスカートしか履かない私だが、幼い頃から兄の背中を追いかけ男の子に憧れていたので次第にスカートは履かなくなっていた。スカートが嫌すぎて友達に「スカート履いてくれたらこのぬいぐるみあげる」と何度も言われたほどだ。ぬいぐるみは大好きなキャラクターだったので苦痛に耐えながら頑張って履いたのが小学校高学年の頃。制服でスカートを履き始めてもまだ美には目覚めていなかった。

そんな私が美に目覚めた理由は紛れもなくジャニーズのアイドルを好きになったからである。小学生の頃からジャニーズが好きではあったがドーム規模の人気で遠かったのだ。新しく好きになったその人はホール規模の人気で、ハイタッチしたり目の前を通ったりすることが普通だった。相手に見られているという意識が私に生まれた。それは周りのヲタクも同じで、ドームクラスのヲタクよりも圧倒的に、かわいくて小綺麗な割合が高かった。この人たちみたいに私もかわいくなりたいと思った。それが中3の頃。コスメとワンピースを買った。高校では3年間きっちりメイクして先生にたまに怒られた。十年経った今も美意識がとどまることを知らず今日の私がある。

この美意識がとどまることを知らないのは、"私が元々芋であり、なんなら今も芋である"という意識が常について回っているからである。過去の私の芋加減が大変受け入れ難く、もうこんな思いー過去の自分を見て苦しむーはしたくないという後悔がある。そして、いつもそう思って美を追求するのに数年後にはかつての自分の写真で苦しむことも知っている。芋は完了形ではない、現在進行形である。

私はこれほどまでに苦しみながらも美を試行錯誤し、アップデートさせてきたというのに、ヲタクときたらなんだ。その容姿は。中学生か?美に目覚める前のとんでもなく芋くさい自分を思い出して苛立つし、私は芋からこんなにも頑張って綺麗な芋になったのにも関わらず芋臭いまま生きてる中学生みたいな見た目のヲタクにはもっと腹が立つ。

三次元のヲタクはまだしも、二次元のヲタクは本当に酷い。全員中学生みたいな見た目なのに40代の人もいる。年齢不詳。女性ではない性として生きていたり、かわいさを求めていないファッションスタイルだとしたら何も文句はない。しかし、ボサボサに結んだ髪にリボンをつけたり、モチーフアクセサリーつけたり、コラボコスメのアイシャドウだけ塗ったり、はみ出したネイルしていたり、すっぴん(ではないかもしれないが)でロリータを着ていたり、ガタガタのアイラインでコスプレしていたりする。一体なんなんだ。可愛らしさや女性らしさを求めていることは感じ取れるのにも関わらず、髪の手入れやメイクやファッションセンスや審美眼が全く追いついていない。ヲタクしか着ていないあのファッションは一体なんなんだ。小さな文明か?どこで買ってるんだ。みんな似たようなセンスや美的価値観を持っているあたり、やっぱり文明なのだろうか。私には美しくないものが美しく見えているようで怖い。

つまるところ、やればできるのにやらないからムカつくのだ。努力しないからムカつくのだ。元の良し悪しはともかく、小綺麗にすればみんな似たようなもんだ。髪を整えて肌を整えてメイクして服を選べば、ある程度見られる姿になる。だから元の顔が悪いなどと現実逃避をして諦めるな。これは私の哲学だが、美は美を諦めていないことの証明だ。

 

ヲタクなのにヲタク嫌いでイベントや池袋に行くといつも苦しい思いをするから治れば良いなと思って書いたけれど、これは治らない。やっぱりヲタクアレルギーだ。

親の顔が見てみたいと思われたら負け

「短気は損気」とは全くその通りである。

 

私は短気だ。

知らない人にイラッときてひとこと文句でも言ってやりたいなぁとか舌打ちくらいしてやろうかなんて考えることは良くあることだ。

家の中では虫を発見しただけで瞬間沸騰し怒鳴りつけることもあるし、パソコンなどの機器がうまく動かないだけで罵声を浴びせるし、家族の中の常習犯が皿を洗わなかったり電気を消し忘れたりトイレットペーパーを変えなかった時には独り言として文句を言っている。

基本的に人に直接怒りをぶつけていないというのは救いだが、短気に違いはないし顔には出ている。

 

最近考える。私が短気でいると将来の子供も短気に育つのだ。自分に対しての短気という評価ならまだしも、子供を通して「きっと短気な親だ」と評価されるのは我慢ならない。まさに損気である。

親の生活と性格の癖は子供にうつりやすい。デブが育てるとデブに育つし、口が悪い親が育てると口が悪い子に育つ。

それ以外にも、食べ方が汚い子供を見て「注意されないということは汚い食べ方の親なんだな」と考えることもある。

つまり子供を見れば親が半透明くらいには透けて見えるのだ。

私の欠点は大抵我が子にもうつってしまう。このままではPTAの役員に「親の顔が見てみたいわ」なんて思われてしまう。

我が子の名誉のためにも、自分の名誉のためにも。短気を含めたあらゆる欠点を治すように努力せねばならない。

 

20年はこの性格でやっているから、数年で治るなんて甘いことを考えてはいけないが、少しでも短気のレベルを下げる努力をしているつもりだ。例えばなるべく気を逸らすために歌ったり、笑いどころを探したりしている。結果、前よりも怒りの持続時間が大幅に減少した。

こんなふうに他の欠点、例えば面倒くさがりなんかもレベルを下げていこうと思う。

「こんな素敵な人間に育てられるなんて、親の顔が見てみたい」と思われたら勝ちである。