ラファエル・ナダルにとって、2015年シーズンは苦闘の日々だった。2004年以来のグランドスラムタイトルなしに終わり、得意にしていた全仏オープンでも連続優勝が途切れた。
それでもシーズン終盤に復調の兆しを見せたナダル。彼は2016年の完全復活に自信を持っている。
「最高のシーズンではなかったけど、世界5位で終えることができて、それほどひどくもなかった。ランキングは2位から5位になったけど、来シーズン開始に向けて準備を整え、本来のレベルで戦えるようにしたい。今シーズンはこれでよかったと思うし、そういう気持ちで続けていきたい」
期待される15度目のグランドスラム制覇については、「また勝てるかどうかは分からない。最高の大会で勝負できるようなチャンスを生むために必死で頑張っているところだ」と話し、再び決勝を争えるところまで自分を持っていきたいとしている。
今シーズン前半の勝てなかった時期、「ナダルはプレースタイルを変えるべきだ」との声が多数挙がった。ベースラインの遥か後ろで構え、コートを縦横無尽に駆け巡りながら相手のショットを打ち返し、最後はフットワークを生かしたフォアに回り込んでの逆クロス。テニスファンの胸を熱くする名場面を何度も作ってきたナダルのテニスだが、近年のテニス界のトレンドは明らかにこの逆、よりコンパクトな方向へ向かっている。
ロジャー・フェデラーが1ポイントを短くしたテニスで復活したことも、こうした声を後押ししている。だがナダルは2016年も自分のスタイルは譲らないと明言した。
「僕はフェデラーではなく、ラファエル・ナダルだ。彼には彼のスタイル、僕には僕のスタイルがある。もちろん自分の向上には努めるし、キャリアを通してずっとそうしてきた。より良い選手になれるよう必死に頑張っていくのは間違いない。今よりいい選手になれれば、より長くプレーできる可能性がある」
《岩藤健》
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