支持率が上がらない民進党 - 敗北必至の北海道5区補選と同日選
昨日(3/27)、民進党の結党大会があり、すぐにマスコミ各社から世論調査が発表された。共同では、民進党について「期待する」が26.1%、「期待しない」が67.1%となり、日経では、「期待する」が26%、「期待しない」が66%の結果となった。NNN(日テレ)の調査では、「期待する」が26.6%、「期待しない」が59.7%となっている。NNNの結果のみ、「期待しない」の数字が少し小さいが、基本的に2週間前のNHKの世論調査と同じ結果であり、国民の3分の2が期待していない現実が浮き彫りになっている。注目するべきは共同の政党支持率で、前回2月の調査では民主党9.3%、維新の党1.2%だったのが、今回3月の調査では、民進党8.0%と低い結果に出てしまったことである。二党が合流して新党を結成したことで、逆に支持率が下がってしまった。事前に十分に予想された醜態だ。代表は岡田克也、幹事長は枝野幸男で変わらず、綱領から原発ゼロの目標を外し、何も代わり映えしてないのに、延々と永田町族の自己宣伝である「新党結成ショー」をテレビで見せられて、国民は辟易としているのである。野合を美化する政治業界の身内話で国民の支持が集まるはずがない。世論調査には国民の拒否感と倦怠感が現れている。
民主党と維新の会の合流劇は、昨年の秋からずっとテレビの政治ニュースのネタとして報道され続けてきた。毎晩毎晩、見たくない岡田克也と松野頼久の顔が出て、重要な出来事のようにニュースの時間に割り込んでいた。松野頼久の維新の党など、支持率が0.2%と小数点以下のどうでもいい政党で、選挙で生き残るために単に民主と維新が野合するというだけの話なのに、合流だの、政権交代可能な野党だの、マスコミは新党の宣伝に協力し、政治業界関係者が必死で国民の中に関心を刷り込んでいた。そんなことが半年近く続いた。正直な気分を言えば、これでようやく松野頼久の顔を見なくて済むという、ホッと一息の解放感が私の中にある。多くの国民も同じだろう。左系マスコミの一つである東京新聞は、今日(3/28)の記事で「政権交代も目指せる野党勢力の結集が実現した意味は大きい」と言い、民進党を「国民の声の受け皿」だと評価している。こんな評価を誰がしているのだろうと呆れるが、国民の4分の1の世論の代弁ではあるのだろうか。しかし、それにしても東京新聞は、「政権交代も目指せる野党勢力の結集が実現」と、いったい何を根拠にこんな断定ができるのだろう。党機関誌でもないのに、この論説に責任がとれるのか。
左系マスコミのもう一つである毎日新聞は、「結集の旗印となる理念や政策の柱は『反安倍政権』のほかは明確ではなく、期待も高くはない」と慎重に書き、「参院選で敗れたらまた分裂する可能性がある」と客観的に書いている。この論説が妥当な線だろう。支持率8%しかない政党が、どうして「政権交代も目指せる野党勢力」であり、反安倍の「国民の声の受け皿」と言えるのだろう。民進党に「期待しない」と答えている国民は、安倍内閣を支持する50%よりも多い、全体の3分の2もいるのである。反安倍であっても民進党を支持していないことは、マスコミの世論調査で明らかではないか。7月に同日選が打たれ、民進党が惨敗して分裂の事態に陥ったとき、東京新聞は3か月前に書いた論説にどう責任をとる気だろう。あまりにも無責任だ。本来、政治ジャーナリズムが掬い取らなくてはいけないのは、受け皿を持たない国民の絶望と空虚であり、永田町と国民の距離の遠さであり、受け皿でないものを受け皿として押しつけられている国民の疎外感だろう。それこそが、リベラルの政治ジャーナリズムが内在し代弁しなくてはいけない真実だ。これでは、東京新聞は民進党と共産党のイヌと呼ばれても仕方がない。政党のプロパガンダ機関になってしまっている。
一方、安倍晋三の同日選戦略は着々と進んでいて、3/26には朝日が1面で「消費増税先送り検討」のリークを記事にした。3/18に読売が出した一週間後に、今度は朝日が、続いて官邸広報になって既成事実固めを手伝う動きに出た。安倍晋三の目論見どおり、じわじわと消費増税先送りと同日選の布石を打っている。同じ3/26には、公明党の山口那津男の発言が出て、「首相が決断すれば受けて立たざるを得ない」という一言が記事の見出しになった。本来、消費税先送りは公約違反であり、アベノミクスの失敗を認めるもので、消費税先送りを口実にして解散総選挙をやるなどと2年前と同じ茶番だが、選挙ハングリーで商売オリエンテッドなマスコミは、道理を逸脱した安倍晋三の蛮行を制止する正論は吐かず、官邸に癒着して同日選歓迎の報道にシフトしてしまっている。今週から体制が一新するマスコミ報道は、政局小咄と安倍ヨイショしか能のない後藤謙次と星浩がコメントを仕切る位置につく。最初から同日選ありきの政局報道に固め、7月の同日選イベントに国民の関心を盛り上げようとするだろう。テレビ報道の環境がガラリと変わる。安倍晋三と会食を重ねている腹心たちが政治を解説し、一ヶ月後の北海道5区補選までの世論をナビゲートする。
毎日の記事を見ると、現状、295の小選挙区のうち民進党が候補者を擁立したのは3分の2の190選挙区にとどまっている。今、民進党は尻に火がついた状態にあり、必死で候補擁立を図ろうとしている最中に違いないが、候補者が決まってない100の小選挙区というのは、圧倒的に自民党が強い保守の岩盤地帯だ。これから、残りのマスコミの社の世論調査が全部出揃った後、週刊誌が追いかけて衆参同日選の当落予想の記事を売り始めるだろう。売れる商品だ。それが市場で読まれている頃、北海道5区補選の告示がある。告示が出たときは、投票の二週間前で、すでに選挙の大勢は決まっている。同日選になったときは、どうしても「政権選択の選挙」となり、したがって「安倍政権にお灸をすえる選挙」になりにくい。昨年の安保法制について、その是非の一票を投じる選挙になり、共産党の支援を受ける民進党を支持するかどうかのイデオロギー判断の選挙になる。参院よりも衆院が重視される。週刊誌が出す当落予想は、自民党有利の記事にならざるを得ず、参院も、非改選と合わせて安倍与党が3分の2以上になるという予想になるだろう。現在、非改選の議席数は、自民+公明+お維+こころの4党で84議席ある。この数を2倍すれば、つまり3年前の参院選と同じ結果になれば、安倍与党の議席は168となり、3分の2の162議席を超える。
これから一か月、政局の焦点は4/24投票の北海道5区補選となり、その間、消費税増税の先送りやら、アベノミクスの成否の問題やら、待機児童問題を含めた補正予算の中身やら、TPPの問題やらが議論される展開になる。経済政策が表で論争されつつ、民進党は候補者擁立を急ぎ、共産党は衆院小選挙区の選挙協力を要求して動くだろう。が、経済政策の議論を始めれば、TPPや原発や消費税など、共産党と民進党の間の隔絶が露わとなり、目の前の同日選が政権選択の選挙ということもあって、選挙協力が容易に進まない障害が生じてくる。政権選択のマニフェストの策定だから、政策が対立する二党間で調整ができない。その間、北海道5区の選挙予測が漏れ、悲観的な空気が漂う中で民共共闘はモメンタムを失う流れになるだろう。4/24の補選が自公勝利に終わったとき、「野党共闘」は敗北の犯人捜しを始めて責任のなすり合いを始める。そして、憲法記念日となり、安倍晋三の側は同日選に向けてフォーカスを改憲へと移し始める。民共分断の最終作戦のフェーズだ。次のマイルストーンは5/26の伊勢志摩サミットで、ここでは南シナ海の安全保障がテーマに設定される。反中反共宣伝の場となる。5月は、4月とは一転して安全保障が報道の前面に来て、安保法制が論じられ、憲法が論じられる環境に変わるに違いない。
そうなったときは、民共共闘はほとんど破綻同然となり、民進党は同日選敗北後の分裂が必至の情勢となっている。同日選のあと、勝ち誇った安倍晋三が改憲の日程を詰めるファシズム完成のステージに入るだろう。一強多弱の永田町体制は、平成の大政翼賛会へと編成替えされる。
民主党と維新の会の合流劇は、昨年の秋からずっとテレビの政治ニュースのネタとして報道され続けてきた。毎晩毎晩、見たくない岡田克也と松野頼久の顔が出て、重要な出来事のようにニュースの時間に割り込んでいた。松野頼久の維新の党など、支持率が0.2%と小数点以下のどうでもいい政党で、選挙で生き残るために単に民主と維新が野合するというだけの話なのに、合流だの、政権交代可能な野党だの、マスコミは新党の宣伝に協力し、政治業界関係者が必死で国民の中に関心を刷り込んでいた。そんなことが半年近く続いた。正直な気分を言えば、これでようやく松野頼久の顔を見なくて済むという、ホッと一息の解放感が私の中にある。多くの国民も同じだろう。左系マスコミの一つである東京新聞は、今日(3/28)の記事で「政権交代も目指せる野党勢力の結集が実現した意味は大きい」と言い、民進党を「国民の声の受け皿」だと評価している。こんな評価を誰がしているのだろうと呆れるが、国民の4分の1の世論の代弁ではあるのだろうか。しかし、それにしても東京新聞は、「政権交代も目指せる野党勢力の結集が実現」と、いったい何を根拠にこんな断定ができるのだろう。党機関誌でもないのに、この論説に責任がとれるのか。
左系マスコミのもう一つである毎日新聞は、「結集の旗印となる理念や政策の柱は『反安倍政権』のほかは明確ではなく、期待も高くはない」と慎重に書き、「参院選で敗れたらまた分裂する可能性がある」と客観的に書いている。この論説が妥当な線だろう。支持率8%しかない政党が、どうして「政権交代も目指せる野党勢力」であり、反安倍の「国民の声の受け皿」と言えるのだろう。民進党に「期待しない」と答えている国民は、安倍内閣を支持する50%よりも多い、全体の3分の2もいるのである。反安倍であっても民進党を支持していないことは、マスコミの世論調査で明らかではないか。7月に同日選が打たれ、民進党が惨敗して分裂の事態に陥ったとき、東京新聞は3か月前に書いた論説にどう責任をとる気だろう。あまりにも無責任だ。本来、政治ジャーナリズムが掬い取らなくてはいけないのは、受け皿を持たない国民の絶望と空虚であり、永田町と国民の距離の遠さであり、受け皿でないものを受け皿として押しつけられている国民の疎外感だろう。それこそが、リベラルの政治ジャーナリズムが内在し代弁しなくてはいけない真実だ。これでは、東京新聞は民進党と共産党のイヌと呼ばれても仕方がない。政党のプロパガンダ機関になってしまっている。
一方、安倍晋三の同日選戦略は着々と進んでいて、3/26には朝日が1面で「消費増税先送り検討」のリークを記事にした。3/18に読売が出した一週間後に、今度は朝日が、続いて官邸広報になって既成事実固めを手伝う動きに出た。安倍晋三の目論見どおり、じわじわと消費増税先送りと同日選の布石を打っている。同じ3/26には、公明党の山口那津男の発言が出て、「首相が決断すれば受けて立たざるを得ない」という一言が記事の見出しになった。本来、消費税先送りは公約違反であり、アベノミクスの失敗を認めるもので、消費税先送りを口実にして解散総選挙をやるなどと2年前と同じ茶番だが、選挙ハングリーで商売オリエンテッドなマスコミは、道理を逸脱した安倍晋三の蛮行を制止する正論は吐かず、官邸に癒着して同日選歓迎の報道にシフトしてしまっている。今週から体制が一新するマスコミ報道は、政局小咄と安倍ヨイショしか能のない後藤謙次と星浩がコメントを仕切る位置につく。最初から同日選ありきの政局報道に固め、7月の同日選イベントに国民の関心を盛り上げようとするだろう。テレビ報道の環境がガラリと変わる。安倍晋三と会食を重ねている腹心たちが政治を解説し、一ヶ月後の北海道5区補選までの世論をナビゲートする。
毎日の記事を見ると、現状、295の小選挙区のうち民進党が候補者を擁立したのは3分の2の190選挙区にとどまっている。今、民進党は尻に火がついた状態にあり、必死で候補擁立を図ろうとしている最中に違いないが、候補者が決まってない100の小選挙区というのは、圧倒的に自民党が強い保守の岩盤地帯だ。これから、残りのマスコミの社の世論調査が全部出揃った後、週刊誌が追いかけて衆参同日選の当落予想の記事を売り始めるだろう。売れる商品だ。それが市場で読まれている頃、北海道5区補選の告示がある。告示が出たときは、投票の二週間前で、すでに選挙の大勢は決まっている。同日選になったときは、どうしても「政権選択の選挙」となり、したがって「安倍政権にお灸をすえる選挙」になりにくい。昨年の安保法制について、その是非の一票を投じる選挙になり、共産党の支援を受ける民進党を支持するかどうかのイデオロギー判断の選挙になる。参院よりも衆院が重視される。週刊誌が出す当落予想は、自民党有利の記事にならざるを得ず、参院も、非改選と合わせて安倍与党が3分の2以上になるという予想になるだろう。現在、非改選の議席数は、自民+公明+お維+こころの4党で84議席ある。この数を2倍すれば、つまり3年前の参院選と同じ結果になれば、安倍与党の議席は168となり、3分の2の162議席を超える。
これから一か月、政局の焦点は4/24投票の北海道5区補選となり、その間、消費税増税の先送りやら、アベノミクスの成否の問題やら、待機児童問題を含めた補正予算の中身やら、TPPの問題やらが議論される展開になる。経済政策が表で論争されつつ、民進党は候補者擁立を急ぎ、共産党は衆院小選挙区の選挙協力を要求して動くだろう。が、経済政策の議論を始めれば、TPPや原発や消費税など、共産党と民進党の間の隔絶が露わとなり、目の前の同日選が政権選択の選挙ということもあって、選挙協力が容易に進まない障害が生じてくる。政権選択のマニフェストの策定だから、政策が対立する二党間で調整ができない。その間、北海道5区の選挙予測が漏れ、悲観的な空気が漂う中で民共共闘はモメンタムを失う流れになるだろう。4/24の補選が自公勝利に終わったとき、「野党共闘」は敗北の犯人捜しを始めて責任のなすり合いを始める。そして、憲法記念日となり、安倍晋三の側は同日選に向けてフォーカスを改憲へと移し始める。民共分断の最終作戦のフェーズだ。次のマイルストーンは5/26の伊勢志摩サミットで、ここでは南シナ海の安全保障がテーマに設定される。反中反共宣伝の場となる。5月は、4月とは一転して安全保障が報道の前面に来て、安保法制が論じられ、憲法が論じられる環境に変わるに違いない。
そうなったときは、民共共闘はほとんど破綻同然となり、民進党は同日選敗北後の分裂が必至の情勢となっている。同日選のあと、勝ち誇った安倍晋三が改憲の日程を詰めるファシズム完成のステージに入るだろう。一強多弱の永田町体制は、平成の大政翼賛会へと編成替えされる。
by yoniumuhibi
| 2016-03-28 23:30
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