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八千代エンジニヤリング、クラウド設備保全システム「MENTENA」にどこでもマニュアルや手順書を参照できる機能などを追加

 八千代エンジニヤリング株式会社は8日、グループ会社の八千代ソリューションズ株式会社が提供するクラウド設備保全システム「MENTENA(メンテナ)」に、現場対応力、セキュリティ設定の柔軟性、導入・問い合わせスピードの向上に寄与する新機能を追加すると発表した。

 新機能では、モバイル版で共有ファイルを閲覧できる機能を追加。これまではブラウザー版でのみ可能だったため、例えば複数の設備に共通する手順書を各設備情報にひも付ける作業が必要だったが、今回のアップデートにより、現場でも共有フォルダー内の手順書やマニュアルなどのファイルをすぐに閲覧できるようになった。

 特に、点検記録を紙やExcelで行っている場合には、現場から共有フォルダー内のファイルを即座に参照することは困難だったが、新機能によりそれが可能になる。これにより、急なトラブル対応時にも手順書や設備情報を迅速に確認でき、トラブル解決までの時間短縮が期待され、また、新人担当者が現場でマニュアルをすぐに参照できるなど、教育面での負担軽減にも貢献するとしている。

 また、IPアドレスの範囲指定(CIDR記法)に対応し、セキュリティ設定の柔軟性が向上。従来は、MENTENAへのアクセスを許可するIPアドレスを一つずつ登録する必要があったが、複数のIPアドレスをまとめて設定できるようになった。これにより、設定の手間が軽減され、管理が容易になるとともに、より柔軟なセキュリティ運用が可能となる。この新機能は、従来の登録上限数である20件を超える多数のIPアドレスを管理する場合や、プロバイダーとの契約や社内のセキュリティ設定などにより、特定の範囲内でIPアドレスが変動する場合に有効となる。また、設定の柔軟性が向上することで、MENTENA導入時の環境構築のスピードが向上するため、迅速なシステム実装にも貢献する。

 問い合わせに関する機能では、アプリ版の「お問い合わせ」画面で、デバイス情報やOSバージョンなど、サポートに必要な情報が自動で表示されるようになった。これまではアプリ版から問い合わせる際に、デバイス名やOSバージョン、アプリのバージョンといったサポートに必要な情報をユーザー自身が調べる必要があり、時間と手間がかかるほか、情報不足によるやり取りが発生することもあった。今回の機能追加により、アプリ内の「お問い合わせ」画面を開くだけで、サポートに必要な情報が自動的に表示されるようになる。この情報は簡単にコピーして、問い合わせフォームに貼り付けられ、スムーズな問い合わせが可能になり、必要なサポートを受けるまでの時間を削減する。

サポート情報をコピーして問い合わせが可能

 外部APIの機能も強化し、部品・在庫情報管理API(プレビュー版)により、部品の在庫状況の確認および更新が可能となった。このAPIを活用することで、ERPサービスの在庫管理機能や調達機能との連携が容易になり、MENTENAに登録している在庫数を自動的に更新できる。データの二重管理の手間を削減できるほか、データ更新が自動化されることにより、人為的な入力ミスやデータの更新漏れを防止し、在庫情報の正確性を維持できる。なお、APIはプレビュー版としての提供で、将来的に仕様が変更される可能性がある。

 さらに、承認フローで自分自身をスキップしないオプションを追加。従来は、起票者以外の承認が必要なルールを運用する場合、専用の承認フローを別途構築する必要があったが、今回のアップデートにより、起票者が含まれる承認ステップを自動承認するかどうかを設定できるようになる。これにより、既存の承認ルールに沿った柔軟な運用設計が可能となり、導入時の環境構築にかかる負担と時間を軽減する。