シネサルの「映画のブログ」

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『水槽』 ★☆

2022年、日本、51分、カラー、1:1.78、日本語、劇場未公開、英題:Aquarium
監督:中里有希
PFFアワード2022(第44回)エンタテインメント賞(ホリプロ賞)
2025/01/01(水)13:00~、TOKYO MX2にて放映
2025/01/01(水)鑑賞

https://pff.jp/jp/collection/%20Aquarium.html


【あらすじ】

高校の図書室で見かけて気になった男子の後を追った女子は、
彼が化学室で死んだ金魚の解剖をして「水槽の残りの金魚が死んだら僕も死ぬ」と言ったのが気になり
2人は時々会話をし合う仲になる。


【感想】

雪、図書室の書棚のいちばん上の棚の本を背伸びして取る(『Love Letter』)
ドビュッシーのアラベスク第一番(『リリィ・シュシュのすべて』)
フラフラした手持ちカメラの映像
などから、
岩井俊二監督の影響を感じる。

岩井作品は、リアリティよりも、
「ウソの映像や作り物のストーリーで、映画の中に世界を作る」
「その作り物の世界の出来具合で勝負する」
という印象で、
この作品でも、
「雪が積もっているのに女子の靴はローファー(靴の中が濡れる)」
「雪で真っ白な屋外で、赤い花の鉢植えにジョウロで水をやる」
など、

「リアリティより、ウソついてでも見た目」の方針を感じた。

その他、
全編に渡って「意味が有りげで無意味に思えてしまう映像&言動」の連続で、
やはり「映画の中に作り物の世界を作る」の方方針なのだと思うし、
その路線を選んで突き進むのも自由だが、
思い付きレベルでなく、観る者を惹きつけるレベルの作品にするまでには、
かなり困難ないばらの道のりになるジャンルだと思う。