プロテインは筋トレ効果を高めたい人だけでなく、日常的なたんぱく質補給にも役立つ優れた栄養補助食品です。しかし、種類や成分、飲み方など考慮すべき点も多く、初心者には選び方が難しいもの。本記事では、プロテインの基礎知識から効果的な選び方、おすすめ商品まで、プロテイン選びのポイントを徹底解説します。
監修は、日本体育大学教授で日本オリンピック委員会科学サポート部門員でもあるバズーカ岡田さん。トップアスリートから一般の方まで幅広く指導経験を持ち、自身もボディビルダーとして活躍しています。
ホエイ、ソイ、カゼインなど様々な種類があるプロテイン。自分に最適なものを見つけて、健康的な体づくりを始めましょう。
プロテインを飲む目的とその効果
一般的に筋トレのイメージが強いプロテインですが、主な目的と効果はたんぱく質を効率的に摂取することにあります。
筋トレを行う人にとって、プロテインは筋肉の成長と回復を促進するために欠かせない栄養素です。特に、プロテインに含まれる必須アミノ酸の一つであるロイシンは、筋タンパク質の合成を刺激する重要な役割を果たします。トレーニング後にプロテインを摂取することが多いのは、それによって筋肉の修復と成長を効果的に促進できるからです。
しかし、プロテインのメリットは筋トレをする人だけのものではありません。たんぱく質は体の基本的な構成要素であり、筋肉に加え、皮膚、髪、爪、内臓器官の形成と維持、さらには免疫機能の維持やホルモンの生成にも重要な役割を果たしています。日常生活での摂取が不足している人にとっても、プロテインは有用な栄養補助食品です。
プロテインの効果を最大限に活かすためには、自分に適した種類を選ぶことが重要です。次は、主要3種類のプロテインの特徴と違いについて詳しく見ていきましょう。
まずはプロテインの種類を決めよう|ホエイ・ソイ・カゼインの違い
プロテインは、大きく分けてホエイ、ソイ、カゼインの3種類です。
ホエイプロテインは吸収が速く、筋肉の成長や維持に最も有利だとされています。しかしながら、場合によっては他の種類のプロテインが適している場合もあるので自分に当てはまるものがないかチェックしてくださいね。
ホエイプロテイン|最も筋肉の成長に効果的!【迷ったらこれ一択】
ホエイプロテインには、WPI(ホエイプロテインアイソレート)とWPC(ホエイプロテインコンセントレート)の2種類があります。
WPIとWPCのどちらを選ぶかで、自然と価格と品質のどちらを優先するかが決まります。それぞれの特徴をよく理解して、自分に最適な選択をしましょう。
WPIとWPCの大きな違いは、たんぱく質の含有量と価格にあります。
WPIは高度に精製されており、たんぱく質含有量が約90%と非常に高いため、乳糖や脂肪がほとんど含まれていません。このため、消化吸収が良く、お腹を下しやすい乳糖不耐症の人でも摂取しやすくなります。
一方、WPCはタンパク質含有量が80%程度で、若干の乳糖や脂肪を含みます。WPIほどの純度ではありませんが、それは様々な栄養素が残されているメリットとも言えますし、またコスパのよさが魅力です。
ソイプロテイン|植物性たんぱくを選びたい方に
ソイプロテインは、植物性タンパク質を求める人に適しています。健康的にタンパク質を摂取する際には、動物性と植物性のバランスも重要で、理想的には1:1の比率がいいとされています。
ただし、筋肉増強の観点からは、ホエイプロテインの方が効果が高いです。ソイプロテインは、乳製品アレルギーの方や、動物性タンパク質の摂取が多すぎると感じる方にとっていい選択肢となります。
カゼインプロテイン|就寝中や食間の栄養補給に
カゼインプロテインは、ゆっくり吸収されるという特徴があります。このため、例えば就寝前や食事と食事の間隔が長いときなど、長時間の栄養補給が必要な場合に適しています。
結論として、目的や体質、生活スタイルに応じて適切なプロテインを選ぶことが大切です。それぞれの特性を理解した上で、自分に合ったプロテインを選びましょう。
自分に合うプロテインを選ぶポイント
コストパフォーマンス|継続して飲めるかの鍵
プロテインを継続して飲むためには、コストパフォーマンスが重要です。比較する際は、1袋の価格ではなく1食あたりの価格、より詳しく見る場合はたんぱく質1gあたりの価格で判断するのが最も適切です。各メーカーが想定している1食分の量を確認し、それに基づいて価格を比較しましょう。
ちなみに、編集部の調査の結果、ソイプロテインを選ぶと1食あたりの価格が他の種類の半額以下の場合が多いことが判明。1食あたりのたんぱく質量は控えめになりますが、手軽に始めたい方にはおすすめです。
たんぱく質含有量|1食あたりのグラム数
価格と同じく、1食あたりのたんぱく質含有量を確認しましょう。単純な含有率ではなく実際に摂取できる量を比較することが大切です。
カロリー|炭水化物や脂質など余分な成分も要確認
たんぱく質量だけでなく、カロリーの低さも重要な指標です。特に、甘味料の種類や量によってカロリーが変わることに注意しましょう。タンパク質量とカロリーのバランスを見極めることが大切です。
人工甘味料の有無|おいしさ・飲みやすさ・品質・価格との関連性あり
人工甘味料の使用有無で製品は大きく分かれます。使用すると安く、甘く、カロリーが低くなるメリットがありますが、健康面を気にする人も多いため、自分の好みで選択しましょう。人工甘味料不使用のものは自然由来の甘みのため、味のパンチは弱くなる傾向があります。また、高品質へのこだわりであり、価格は上がります。
グラスフェッド認証の有無|主原料の品質指標の一つ
主原料であるプロテインパウダーの品質を示す指標の一つです。グラスフェッド認証は牛が放牧され牧草を自由に食べる環境で育てられるためストレスが少なく、牛成長ホルモンなどを使用していないことを示します。高品質な主原料であり、その分価格は上がります。
ホエイプロテインのおすすめランキング
それでは、ホエイプロテインのおすすめを1食あたりのコスパ順に紹介します。WPCとWPIで平均価格が大きく違うため、ランキングはそれぞれ分かれています。
プロテインを選ぶポイントに合わせて特徴を記載しているので、自分が重視したいポイントの表示をぜひチェックしてくださいね。
WPC(ホエイプロテイン)のおすすめランキング
ホエイプロテインの吸収速度が魅力的だけれど、コスパも重視したい。そんなあなたにおすすめなのがWPC。1食あたりの価格が安い順に並べていますが、たんぱく質量も確認しながら自分にぴったりな商品を探しましょう。
WPI(ホエイプロテイン)のおすすめランキング
とにかくたんぱく質含有量を重視したい方には、WPIがおすすめです。コスパランキング1位はなんと、WPCの相場と同等レベルの低価格!?それでいてたんぱく質量も24.5gと十分な商品なので、必見です!
ソイプロテインのおすすめランキング
植物性たんぱく質を摂りたい方にぴったりなソイプロテイン。編集部の調査によると、1食あたりのコスパが最もよく、低カロリーなのがこの種類です。
ホエイやカゼインに比べると1食あたりのたんぱく質量は劣りますが、手軽に始めたい人にはぴったりなのでぜひチェックしてください!
カゼインプロテインのおすすめランキング
消化吸収がゆっくりで就寝時や長時間食事の間が空くときにおすすめなカゼインプロテイン。編集部の調査によると、たんぱく質含有量が多いWPIよりも1食あたりの価格が高めな傾向がありました。
カゼインだけだと費用がかさむので、目的に合わせてホエイやソイと飲み分けるのがおすすめです。
効果的なプロテインの飲み方
プロテインを選んだ後は、効果的な飲み方を知ることが重要です。適切なタイミングと方法で摂取することで、より高い効果を得ることができます。
プロテインを飲むタイミング
トレーニング直後が理想的ですが、1日の総たんぱく質摂取量が重要です。たんぱく質が不足しがちな時間帯、例えば朝食や間食時など、通常の食事でたんぱく質が不足するときに補うのが効果的です。
例えば、朝7時に起きて夜10時に寝る場合、16時間起きている間にたんぱく質を均等に摂取することが望ましいでしょう。朝食時や昼食時など、たんぱく質が不足しがちな時間帯にプロテインを補うことで、効果的にたんぱく質を摂取できます。
また、10時や15時頃のおやつ代わりにプロテインを摂取するのもいい方法です。
水?牛乳?プロテインは何で割るといい?
最近のプロテインは水で割っても美味しく飲めます。牛乳で割ると美味しくなりますが、カロリーや乳糖の量が増えるため注意が必要です。カロリーを抑えたい場合は水やカロリーオフの飲み物を選びましょう。
- 水:最もシンプルで、カロリーを抑えたい人におすすめ
- 牛乳:飲みやすくなるが、カロリーと乳糖が増え、牛乳に割り戻す行為
- 豆乳:植物性たんぱく質を摂取でき、乳糖不耐症の人にも適している
参照:①【神コーヒー】プロテインのプレーン味に革命が起きる神アレンジ紹介【新・バズーカ岡田チャンネル】
参照:②【プロテインラテ革命】プレーン味のプロテインは万能か?ラテとミルクティーの概念が変わる! 【新・バズーカ岡田チャンネル】
参照:③【筋肉珈琲】プレーン味のプロテインで作るホットコーヒーが美味すぎた 【新・バズーカ岡田チャンネル】
よくある質問
- プロテインで食事を完全に置き換えることは推奨されませんが、部分的な置き換えは有効な場合があります。例えば、朝食でおにぎりだけしか食べられない場合や、ラテをプレーンプロテインに変更するなどの方法は効果的です。
ただし、サプリメントだけで体を健康に維持するのは難しいため、基本的には固形の食事をしっかり摂ることが重要です。プロテインは、通常の食事で足りないたんぱく質を補うために使用するのが本来の目的です。
きちんとした食事を取る習慣をつけた上で、たんぱく質が不足しがちなタイミングでプロテインを活用するのが望ましいでしょう。常にプロテインで食事を代替すると、長期的には栄養バランスの問題が生じる可能性があります。
- プロテインを過剰に摂取しても、それに比例して筋肉がつくわけではありません。適切な量を摂取することが重要です。
一般的な目安として、筋トレをして筋肉をつけたい場合、体重1kgあたり1.62〜2.0g程度のプロテイン摂取が適量とされています。
まずは通常の食事でたんぱく質を摂取することを心がけ、足りない分をプロテインで補うという考え方が望ましいです。過剰摂取は財布にも体にも良くありません。たんぱく質が不足しがちなタイミングを見極め、そこを補うようにプロテインを活用するのが効果的です。
- 子どもや高齢者がプロテインを飲むことは基本的に問題ありません。プロテインの主原料は牛乳由来のもの、大豆由来のものが多いため、牛乳を飲む事や豆乳を飲む事と大きな違いはありません。
むしろ、肉をあまり食べられない高齢者や、甘いおやつばかり食べがちな子供にとっては、プロテインは良質なたんぱく質源となる可能性があります。ただし、プロテインに頼りすぎず、バランスの取れた食事を基本とすることが大切です。
- スポーツ選手や部活動をしている学生がプロテインを選ぶ際は、ドーピング問題に注意が必要です。そこで重要になるのが、アンチドーピング認証です。
「インフォームドチョイス」などの「アンチドーピング認証」マークが付いた製品を選ぶことをおすすめします。これらの認証は、その製品がドーピング検査で問題になる成分を含んでいないことを示しています。
例えば、製品のパッケージにこのようなマークが付いていれば、スポーツ選手が安心して使用できる製品だということがわかります。競技に参加する選手や、その親御さんは特にこの点に注意を払うべきでしょう。
まとめ
プロテインは、筋力トレーニングを行う人だけでなく、日常的なたんぱく質補給を必要とする多くの人にとって有用な栄養補助食品です。自分に合ったプロテインを適切に摂取して、健康な体づくりをしましょう。
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