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日産、新型「リーフ」(第3世代)の受注を10月17日開始 まずは航続距離702km達成の「B7」グレードから

55kWhバッテリの「B5」グレードは2026年2月ごろ発表

2025年10月17日 受注開始
518万8700円~599万9400円
新型「リーフ」(日本仕様)のB7グレード

 日産自動車は、新型「リーフ」(日本仕様)のB7グレードの受注を10月17日に開始すると発表した。バッテリサイズ78kWhの「B7 X」「B7 G」をラインアップし、デリバリーは2026年2月ごろを予定する。価格は「B7 X」が518万8700円、「B7 G」が599万9400円。

 また、55kWhバッテリを搭載する「B5」については2026年2月ごろの発表を予定している。

 3代目となる新型リーフは次世代のクロスオーバーEVとして全面刷新されたモデル。2010年の初代リーフの発売から15年間積み重ねた知見と経験を最大限に活かして開発され、乗る人すべてが気持ちよくドライブでき、誰もが安心して乗れるEVを目指してEV性能をブラッシュアップ。今回発表した78kWhのバッテリ容量を持つリーフ B7は、一充電走行距離 最大702km(WLTC)を実現した。

B7グレードが搭載するYM52型モーターは最高出力160kW(218PS)、最大トルク355Nm(36.2kgfm)を発生。「プロパイロット2.0」搭載車はルーフアンテナが2本付く

 エクステリアはクロスオーバースタイルに一新し、ファストバックスタイルのシルエットや空力を考慮してデザインされたホイール、電動格納式のアウトサイドドアハンドルやフラットな床下など徹底的に空力性能を磨き上げ、同クラスとしてトップレベルの0.26という優れた空気抵抗係数(Cd値)を実現。

 フロントでは6つの丸みを帯びた長方形で構成されたシグネチャーランプと一文字のセンターLEDアクセントランプを採用し、ひと目で新型リーフであることが分かるデザインを用いた。また、II三(ニッサン)パターンがあしらわれたLEDリアコンビネーションランプ(3Dホログラム)を採用することで先進感も演出する。

 ボディカラーについてはプリズムホワイト、シェルブロンド、ダークメタルグレー、ミッドナイトブラック、ディープオーシャンブルーの単色に加え、プリズムホワイト/ディープクリムゾン/ルミナスターコイズの3色についてはルーフカラーがスーパーブラックの2トーン仕様となる。

B7グレードのボディサイズは4360×1810×1550mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2690mm。室内長を犠牲にせず、先代リーフから全長を120mm短縮(北米仕様に対しても45mm短縮)したほか、全高を1550mmとすることで立体駐車場に対応するサイズとした。最小回転半径も先代から0.1m減の5.3mを実現する。車両重量は「B7 X」が1880kg、「B7 G」が1920kg
フロントでは6つの丸みを帯びた長方形で構成されたシグネチャーランプと一文字のセンターLEDアクセントランプを、リアではI三(ニッサン)パターンがあしらわれたLEDリアコンビネーションランプ(3Dホログラム)を採用
写真は「B7 G」の19インチホイール(235/45R19)。「B7 X」は18インチホイールに215/55R18サイズのタイヤを組み合わせる

 インテリアではCMF-EVプラットフォームの採用によりフラットなフロアと開放感のある足下空間、使い勝手のよいラゲッジルームを実現。インストルメントパネルは横に広がるフローティングデザインによって落ち着いたミニマルな雰囲気を演出し、日産として初となる調光パノラミックガラスルーフ(遮熱機能付)を採用。このガラスルーフは電子調光技術によりボタン1つでガラスの透明度を変えられるだけでなく、遮熱機能を持たせることで年間を通じて快適な室内空間を実現するという。

 また、12.3インチの大型デュアルディスプレイを採用し、Google搭載のNissanConnectインフォテインメントシステムを搭載。同システムは「Googleマップ」「Googleアシスタント」「Google Play」の各機能に対応し、多彩な情報とエンターテインメントにシームレスにコネクト可能。ナビゲーションが「Googleマップ」になり、Googleアカウントを同期することで充電スポットを予測したルート検索やお気に入りの場所や保存したルートなどをスムーズに表示できる。また、NissanConnect サービスアプリ機能の「ドア to ドアナビ」によって、充電残量を考慮して必要な充電を加味したルートを乗車前からナビゲーションに共有し、乗車後スムーズに出発することも可能とした。

インテリアではフラットなフロアと開放感のある足下空間を実現するとともに、12.3インチの大型デュアルディスプレイを採用し、Google搭載のNissanConnectインフォテインメントシステムを搭載
Boseパーソナルプラスサウンドシステム(10スピーカー、運転席用アナウンス)搭載モデルはフロントシートのヘッドレストにスピーカーが備わる
収納スペースも充実
日産初の調光パノラミックガラスルーフ(遮熱機能付)を採用。電子調光技術によりボタン1つでガラスの透明度を変えられるのに加え、遮熱機能を持たせた
使い勝手のよいラゲッジルーム

 新開発のEVパワートレーンは、モーター、インバーター、減速機といった主要な3つのコンポーネントを一体化した3-in-1構造とし、従来比でユニット容量を10%削減しながらモーターの最大トルクを4%向上させることに成功。ローターを複数に分割し、それらを斜めにずらして配置した分割スキューローターの採用や、ハウジングやモーターマウントブラケットを高剛性化することでモーターの振動を大幅に低減し、より滑らかで気持ちの良い走りと静粛性が高い快適な室内空間を実現。78kWhのバッテリを搭載したB7は最大702kmの航続距離を実現するとともに、最大150kWの急速充電に対応。150kWの急速充電器を使えば35分で充電量10%から80%までリカバリーするという。

新開発のEVパワートレーンは、モーター、インバーター、減速機といった主要な3つのコンポーネントを一体化した3-in-1構造とし、従来比でユニット容量を10%削減しながらモーターの最大トルクを4%向上させることに成功

 さらに新型リーフでは新たにクルマ全体の冷熱システムを一括制御するエネルギーマネジメントシステムを採用。これはエアコン、バッテリ、モーター、車載充電器の冷熱システムを統合することで、クルマの中で発生する熱を最大限有効活用するというもの。ナビゲーションシステムと連動した「ナビリンクバッテリーコンディショニング」も採用し、走行ルートに応じてバッテリ昇温や冷却を自動で制御することで、エネルギー消費を最適化するとともに、充電速度の向上にも貢献する。

 サスペンションについては、リアにマルチリンク式を採用するとともに日本の道路環境に合わせて専用のサスペンションチューニングを施すことで、街中から高速道路まであらゆるシーンでフラットで快適な乗り心地を提供。また、加速感や減速量を変更できるドライブモードに、加速と減速力を好みにカスタマイズできる「PERSONALモード」を新設定した。EVならではのワンペダル感覚を楽しめるe-Pedal Step、さらにパドルで回生量を調整できる回生ブレーキコントロールパドルを採用し、EVならではの爽快な走りを楽しめる。

 一方、先進運転支援技術では360°セーフティアシストを搭載。日本専用の装備も多く搭載したといい、自動車専用道路においてハンズオフドライブが可能で、長距離運転の疲労を低減する「プロパイロット2.0」、スムーズな駐車を支援する「プロパイロットパーキング」と「プロパイロット リモート パーキング」、後方視界を確保する「インテリジェントルームミラー」を設定するとともに、万が一の交通トラブルの際の映像を記録できる「ドライブレコーダー(前後セット)」も採用した。さらに加減速を繰り返すシーンでも車間を一定に保ち、先行車両に合わせて減速し停止までをサポートする「インテリジェント ディスタンスコントロール」も採用し、ドライバーの負荷を軽減する。

 そのほか、充電ポートに接続する「AC外部給電コネクター」を使えば、ドアをロックした状態でも1500Wの電力を使うことができ、アウトドアアクティビティに加え、災害時の非常用電源としても活用できる。また、室内と荷室に合計2つの100V AC電源(1500W)を搭載し、合計で最大1500Wの電力が使用可能となっている。さらに従来のリーフから有する「V2H(Vehicle to Home)」機能も継続採用し、自宅などにV2Hシステムを設置することで車両のバッテリから自宅に電力を供給することができ、電力需給がひっ迫した際の電力ピークシフトや、停電時にも自宅に電力を供給できる。

充電ポートに接続する「AC外部給電コネクター」を使えば、ドアをロックした状態でも1500Wの電力を使うことが可能
B7グレードの主要諸元