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スズキ、RT.ワークスを完全子会社化 電動モビリティ領域の開発力を強化

2025年9月5日 発表
スズキがRT.ワークスの全株式を取得し完全子会社化

 スズキは9月5日、電動モビリティ領域における開発力を強化し、より多くの人の自由な移動に貢献することを目指して、RT.ワークスの全株式を取得し、完全子会社化したと発表した。

 スズキは、1985年のセニアカーの発売以降、「社会に貢献する小型電動モビリティの開発」に取り組んでいる。近年は、電動モビリティにおけるアシスト技術の共同開発を通じてRT.ワークスと交流を深め、その中でRT.ワークスの「ロボット技術で人々の豊かな暮らしと社会の発展に貢献する」という理念に共感したことから、RT.ワークスと共に歩んでいくことになったとのこと。

 RT.ワークスは、電動アシスト歩行器をはじめとする生活支援ロボットの技術開発・販売および、受託開発を行なう企業。2015年に世界初の非装着型歩行アシストロボット「ロボットアシストウォーカー RT.1」を発売して以来、一貫してパーソナルな移動を支援する製品を世に送り出し、電動アシスト歩行器では国内トップシェアを保有している。

高齢者の歩行を支援するRT.ワークスの電動アシスト歩行器「ロボットアシストウォーカー RT.3」

 スズキは、中期経営計画「By Your Side」において、目指す姿を「お客さまの生活に密着したインフラモビリティ」と定めており、これには四輪・二輪・マリンといったモビリティを軸に、人の生活に密着した商品・サービスを提供し、生活をより良くして支えていく存在になりたいという思いが込められている。RT.ワークスとの連携強化により、互いの強みを活かした新しいモビリティを創造することで、電動モビリティ領域でも貢献の場を広げていきたいとの考えを示した。

 スズキ 代表取締役社長 鈴木俊宏氏は、「スズキは、四輪・二輪・マリン製品に加え、今年で発売開始40周年を迎えるハンドル形電動車いすであるセニアカーを販売しています。運転免許証返納後などに、毎日の移動を支える製品として、好評をいただいております。そのような中で、まだまだ自分の足で歩きたい、移動したいというお客さまの声もあり、ロボット技術で歩行をサポートする電動アシスト歩行器は、お客さまの選択肢を増やす上で非常に有効であると注目しています。スズキが持つ全国の販売網も貢献できると考えています。今後は、チームスズキとして、RT.ワークスさんと共に『By Your Side』でお客さまの生活に密着したインフラモビリティを目指していきます」とコメント。

 RT.ワークス 代表取締役社長 藤井仁氏は「RT.ワークスは、急速な少子高齢化に伴いロボット技術で社会貢献をしたいとの思いで、2014年6月に起業しました。『ロボットアシストウォーカー RT.1』の発売以来、自社製品/他社製品を問わず、電動アシストをコアとしたロボット技術を活かして、社会課題に応えられないかと模索を続けてまいりました。このたび、スズキグループの一員として、お客さまの役に立つ製品・サービスの創出に携われることを大変うれしく思います。今後も、ベンチャー精神を忘れず『ロボット技術を、もっと身近に。』のスローガンのもと、スズキグループと多面的にシナジーを生み出し、人とモノの移動を支援することで人々の豊かな暮らしと社会の発展に貢献していきたいと考えています」と述べている。