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室屋義秀選手、レクサスの新型ウイングレットを投入した機体を公開 「エアレースX」第2戦に向け機体をアップデート

2025年6月19日 発表
レクサスが開発した新型ウイングレット

 エアレースパイロットの室屋義秀選手は6月19日、2025年シーズンの「AIR RACE X」第2戦「ROUND2」に向けてアップデートした機体のフライトを公開した。室屋選手の「LEXUS PATHFINDER AIR RACING」の機体には、アップデートによりレクサスが開発した新型ウイングレットが搭載された。

 ふくしまスカイパークで新型ウイングレットを搭載した機体をフライトした室屋選手は、「飛んだ感じは、効率がすごくよくなったりすると、ちょっとピーキーになってくるものが多いんですけれども、新型ウイングレットは非常に設計がよくて性能が上がっているのはデータでも確認できていて、乗りやすさも変わらないか、少し安定する方向にきているので、きわめて優秀に設計されたなって感じ。そういうことはあまりないんですけれどね」との感触を話した。

第2戦に向け前倒しで投入される新型ウイングレットは無塗装の状態で装着された

 ウイングレットとは主翼端に取り付けられる小さな翼端板のことで、新型ウィングレットについて、室屋選手は「特にこのひねり、ここのひねり具合を1度ぐらいずつ変えたもののパターンを試して、その中で1番ベストな効率になるものを風洞実験で確かめてから制作に入ってます」と、その形状に特徴があるという。

 また、当初の計画よりも前倒しでの投入になるといい、室屋選手は「1年9か月ぐらい前から計画がスタートしていて、ラウンド3ぐらいに間に合えばいいかなっていう状態で、ほんとはプランニングしていたんですけれども、第1戦のラウンド1が勝てなかったので、けっこう前倒しで制作して、実際には3週間ぐらいで、かなりハイペースで作ってもらって間に合わせました」と明かした。

「LEXUS PATHFINDER AIR RACING」のエアレースパイロット室屋義秀選手

 室屋選手の「LEXUS PATHFINDER AIR RACING」は、「エアレースX」において2023年の初代王者、そして2024年シリーズは総合優勝に輝いた。チーム3年目となる2025シーズンは、開幕戦では惜しくも勝利を逃し、現在はトップのパトリック選手(南アフリカ)と10ポイント差の総合2位にいる。

 シリーズ連覇を目指す室屋選手は「前回は惜しくも2位ということで、僅差で1位が取れなかった。予選も本戦も両方1位が取れなかったので、フライトの飛び方とかについてはいろいろ研究をしてトレーニングはしていたんですけれども、全体的な機体のスピードも上げなきゃいけないっていうことで、今回、新しいウィングレットを投入して結構タイムが上がるようになってきていますので、これで少し有利に戦えるんじゃないかなと思ってます」との感触を語った。

 第2戦に向けて、室屋選手は「僕自身はいいコンディションで、レースコンディションにちゃんと準備してきているので、いつでもレースに入れるベストな状態にいます。まずはシリーズチャンピオンを獲るというのが最大の目標なので、しっかりポイントを積み重ねるというのが大事だと思います。現在2位につけてますけれども、最終戦に向かって、しっかりポイントを取らなきゃいけない。この第2戦は優勝をしっかり取っておきたいなと思っております」との意気込みを話した。

従来のウイングレットを手にする「LEXUS PATHFINDER AIR RACING」の技術コーディネーター 中江雄亮氏、新型ウイングレットは従来のウイングレットと使い分けることで、レース戦略の選択肢を増やす狙いがあるという
室屋選手の地元「ふくしまスカイパーク」でアップデートした機体が公開された
新型ウイングレットを装着してアップデートした機体のフライトを披露

「エアレースX」2025シリーズ第2戦「ROUND2」

 なお、「エアレースX」2025年シーズンの第2戦「ROUND2」は、リモートレース形式での戦いとなり、予選は2025年7月5日22時〜、決勝は2025年7月6日22時〜、それぞれAIR RACE X 公式YouTubeチャンネルを配信プラットフォームに公開される。