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ゴードン・マレー、スーパーカー「T.50」の全貌を初公開。100台限定で約3億2605万円
車両後方の400mmファンでダウンフォースをコントロールするファンカー
2020年8月5日 16:25
- 2020年8月4日(現地時間) 発表
- 税別236万ポンド
ゴードン・マレー・オートモーティブは8月4日(現地時間)、スーパーカー「T.50」の全貌を初公開した。2022年1月から生産を開始する予定で、100台限定。価格は税別236万ポンド(約3億2605万円)。
ゴードン・マレー・オートモーティブを率いるゴードン・マレー氏はマクラーレン F1などを手がけたカーデザイナー。T.50はマレー氏の50年のキャリアと50番目のデザインであることを意味して名付けられたクルマだといい、これまでで最も純粋で軽量、ドライバー中心のスーパーカーになるように設計したという。
エンジニアリング、デザイン、スタイリングはすべてゴードン・マレー・デザインが担当し、パワートレーン、ボディ、シャシーは英国製で、そのほかの主要コンポーネントも英国で調達した真の英国製スーパーカーを目指す。
ロードカーとして最先端の空気力学を取り入れたデザインに加え、車両後方には400mmのファンを搭載したいわゆるファンカー。走行中にクルマのフロア下を通過する空気を加速させ、加えて2つの可動式リアスポイラーを組み合わせることで、ダウンフォースや空気抵抗を制御。2つの自動エアロモードと、ドライバーが選べる4つのエアロモードを用意。最大でダウンフォースを50%増加させるほか、空気抵抗を12.5%低減し、ラムエア誘導と組み合わせてエンジン出力を約50PS増加させることもできる。またブレーキモードを選択すれば、150mph(約240km/h)からのブレーキングでは制動距離を10m短縮することもできるという。
エンジンはコスワース製のV型12気筒 3.9リッター自然吸気エンジンを搭載。最高出力は663PS/1万1500rpm、最大トルクは467Nm/9000rpm。最高回転数は1万2100rpmという高回転型エンジンとなる。加えてエンジンブロックは高強度アルミニウム、コンロッドやバルブ、クラッチハウジングにはチタンを用いることでエンジン自体も軽量化を図り、V12気筒として史上最軽量になるという178kgを実現した。また「GTモード」「パワーモード」の2つのエンジンマップを用意し、日々の運転での使い勝手と、フルパフォーマンスを楽しみたいドライブの両方に対応する。
トランスミッションはHパターンの6速MTを搭載。優れた加速性能を実現するクロスした5速と巡航のための6速を持ち、チタン製ギヤレバーの横にあるロックアウトスイッチでリバースを選択できる。シェルケースはわずか2.4mmの厚さの鋳造アルミ製とし、ギヤボックスの重量を80.5kgに抑えている。
シャシーとボディはすべてカーボンファイバー製で、カーボンタブのモノコックは並外れた剛性とねじり剛性を実現する。モノコックを含むボディ全体の重量は150kg未満に抑えられ、F1スタイルの「パッセンジャーセーフティセル」により優れた乗員安全性を確保する。またウインドウも一般的なガラスよりも28%薄く、軽量化を実現している。
こうした軽量化によって、車両重量は986kg(乾燥重量は957kg)を実現。重量あたり出力値は672PS/t、パワーウェイトレシオは150.77kg/100PSを達成した。
ブレーキはフロント6ピストン、リア4ピストンのブレンボ製モノブロックキャリパーを採用。ブレーキディスクもブレンボ製でフロント370mm、リア340mmのカーボンセラミックディスクを採用。タイヤはミシュラン パイロットスポーツ 4 S(フロント235/35R19、リア295/30R20)を採用する。
運転席は中央に位置し、斜め後方に2名乗車というレイアウトで大人3名用の座席を用意。加えて最大288Lのラゲッジスペースも用意する。10スピーカーのプレミアムオーディオが装備され、Android AutoやApple CarPlayにも対応する。