(写真:Shutterstock)
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 このところ一気にリアル講演会が復活し、やっと、本当にやっと現場の空気を感じられるようになった。
 実際に“現場”の人たちと話をすると、「私たちの問題の深さ」が分かる。現場の苦悩の深刻さと言い換えていい。

 昨年は若手の問題だったが、今年は新たな「50代問題」がじわじわ広がりつつある。これまでの「できることならお引き取り願いたい50代問題」に、「え? な、なんで一言いってくれなかった?」問題が加わった。

 50代の会社員が、突然「仕事を手放す事態」に衝撃を受け、悩む人たちが増えているのだ。

なんで辞めてしまったのかという疑問

 と、なんだか奥歯に物が挟まったような言い方になってしまったが、まずはこちらからお聞きください。

 「うちの会社では4年前に経営陣の若返りを行いました。先代の社長はカリスマ的な存在でしたので、今のままでもいいじゃないかという声もあった。しかし、社長自身が『年寄りは時代の変化についていけてない。若い人に任せた方が下の世代も自由に意見できる。会社は生き物。どんどん新しい風を吹かせないと死んでしまう』ということで、3年計画で次期経営陣を育てました。
 それで55歳の新社長の下、役員も一斉に若返りをしたのです。

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