トランポリン公園で大人が童心にかえる!
上海や深センで始まった「トランポリン公園」と呼ばれる屋内スポーツ施設が、中国全土の都市でブームとなりつつある。トランポリン公園とは、一定のエリアの地面全体がトランポリンになっている施設のこと。さまざまな報道から察するに、専用の施設というよりは、商業施設の中にトランポリン公園が入っているケースが一般的なようだ。
筆者が体験したトランポリン公園は、施設の半分以上に一辺3~4mの正方形のトランポリンが敷き詰められていた。大人も子供も自由に遊べて、1つのトランポリンで跳ねていてもいいし、人がいなければ隣のトランポリンまで跳んで移動してもいい。2階ほどの高さから跳び降りても大丈夫な、特殊なスポンジを敷き詰めたスポンジプールもあり、トランポリンで思い切り高く跳んだ勢いで、スポンジプールに飛び込んでいる子供もいた。
あまり運動神経の良くない筆者だが、開始早々から思い切り跳べるように。好きなだけ跳んで楽しむこと小1時間、ふくらはぎが痛くなるほどいい運動になった。
中国のトランポリンの専門家の話によると、10分のトランポリン運動は30分のジョギングと同等の効果があるとのことだ。
料金は高いが普及の可能性あり
筆者が訪れたところにもあったが、どこのトランポリン公園にも高さの異なるバスケットゴールと、フリークライミング用のでっぱりが用意されているようだ。バスケットゴールは気持ちよくダンクシュートを決められるし、フリークライミングは高く登ってからトランポリンやスポンジプール目がけて飛び降りるという遊び方ができる。施設によっては、スポンジプールに飛び込む滑り台や、スポンジプールの上を移動する高難易度のアスレチックなどもあるようだ。
料金は1人1時間あたり100元(約1600円)程度、口コミサイトやクーポンサイトなどで割引クーポンを入手すれば50元(約800円)程度にはなるが、中国の相場から見るとやや高め。それでも高所得者の多い上海などでは人気があり、すでに市内に10近い施設がオープンして競合が始まっている。施設によっては、子供用のトランポリン教室を開設しているところもあるとのことだ。
中国の屋内スポーツ施設は、天候に左右されず、大気汚染の心配もない場所として、中国のシティーライフには欠かせない。ここ2、3年の間に各都市でスケートリンクやスポーツジムが増えたのもそういった理由だ。
トランポリン公園は、まだまだ知る人ぞ知る新しい娯楽施設だが、認知度が上がれば指数関数的に普及していくのが中国という国。トランポリン公園の影響か、体育の授業にトランポリンを取り入れた学校のニュースを耳にするようになった。そうなるとさらに普及に加速がつきそうだ。
執筆者/山谷剛史(やまや・たけし)氏
NNA所属。海外専門ITライターとしてライター業を始めるものの、中国ITを知れば知るほど広くそして深いネタが数限りなく埋蔵されていることに気づき、すっかり中国アジア専門のITライターに。連載に「山谷剛史の『アジアIT小話』」、「山谷剛史のマンスリーチャイナネット事件簿」、「中国ビジネス四方山話」など。著書に「中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立」(星海社新書)、「新しい中国人 ネットで団結する若者たち」(ソフトバンククリエイティブ)など。
[日経トレンディネット 2016年12月8日付の記事を転載]
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