体にタトゥー(入れ墨)を入れている人は、血液腫瘍の1つである悪性リンパ腫を発症するリスクが高いことが、スウェーデンで行われた研究で明らかになりました(*1)。
タトゥーのインクにはしばしば発がん性物質が含まれる
欧州ではタトゥー人口が20%を超えており、米国ではおおよそ30%と推定されています。日本でも、ファッションとしてタトゥーを入れている人を見かけるようになりました。しかし、タトゥーの長期的な安全性は明らかになっていません。
タトゥーに用いられるインクにはしばしば、発がん性のある化学物質(芳香族第一アミン、多環芳香族炭化水素、金属〔ヒ素、クロム、コバルト、鉛、ニッケルなど〕)が含まれています。また、タトゥーを入れるとインクが注入部位からリンパ節に移動することが示されており、リンパ節へのインクの沈着も見られています。リンパ節に存在する一部の細胞は、発がん性化学物質に対する感受性が高いことが知られています。リンパ節から全身性の免疫反応が誘導される可能性もあります。
そこでスウェーデンLund大学などの研究者たちは、悪性リンパ腫の発症率の世界的な上昇に、タトゥー人口の増加が関係しているのではないかと考えて、スウェーデン国民の情報を用いて、タトゥーと悪性リンパ腫発症との関係を検討するケースコントロール研究(*2)を行いました。
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