DCの大都市圏への一極集中が加速している。電力逼迫や被災リスクの抑制に向けて、デジタルインフラの立地分散が求められてきた。それでもDCが都市部に集中する背景にあるのが、クラウドサービスの需要拡大だ。

脱炭素化を進めるために再生可能エネルギーを調達しやすい地域でのデータセンターの増設が求められるが、実際には大都市圏への一極集中が加速している(Rodrigo Reyes Marin/ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ)
脱炭素化を進めるために再生可能エネルギーを調達しやすい地域でのデータセンターの増設が求められるが、実際には大都市圏への一極集中が加速している(Rodrigo Reyes Marin/ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ)

 「顧客から毎月のように見学希望があり、需要が高まっていると感じている」。首都圏を中心にデータセンター(DC)を提供する国内IT(情報技術)ベンダーの担当者はこう話す。

 データ容量が拡大を続ける中、サーバーやネットワーク機器を保管するDCも増加の一途をたどっている。特に伸びが顕著なのが、東京や大阪などの大都市圏だ。

 調査会社のIDCジャパン(東京・千代田)によると、2022年時点での国内事業者のDCの延べ床面積は、東京都が約96万平方メートルと全国の約3分の1を占めて他府県を圧倒。27年までの5年間でさらに8.8%成長する見通しだ。同じ期間に東京都以外の関東地方では13.9%、大阪府を中心とする近畿地方でも12.0%増える見込みだ。

 一方、関東と近畿に次いでDCが多い北海道・東北地方は2.8%にとどまる。今後、大都市圏へのDC一極集中はさらに加速する見通しだ。

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