講談社USAの影響

こうした「MANGA」を巡る環境の変化を講談社USAの立ち上げにあわせてまとめたBenjamin Ong Pang Keanによるシリーズ記事がアメリカの大手コミックスニュースサイトNewsaramaに出ている。
「The Kodansha Fallout: More Manga Changes?」
「The Kodansha Fallout II: The Manga Landscape」
「The Changing US Manga Scene: Where Does Viz Stand?」
「The Changing US Manga Scene: Remembering When West Has Met East」
「The Changing Manga Scene - What Does the Future Hold?」
コメントでツッコミが入ったりもしていて(w 多少不備な部分はあるが(逆にいえばそういう部分もコメント欄のツッコミまでちゃんと読めばOK)、この一連の記事はアメリカにおけるマンガ出版の歴史や経緯を振り返るにはコンパクトで大変便利なものだ。
この記事やAnime News NetworkのForumでの反応を見る限りでは、いまのところアメリカのアニメ・マンガファンのあいだでも「講談社USAの誕生を諸手をあげて祝福する」という雰囲気には程遠いことがうかがえる。
いちばん現地のファンの不安を煽っているのは「現状アメリカのパブリッシャーから出版されているタイトル群の版権が引き上げられるのではないか?」というもので、これに関してはDel Reyからは「引き上げはない」旨のアナウンスが出された一方、『無限の住人』、『アキラ』、『甲殻機動隊』などの作品の版元であるDark HorseのCarl HornはAnime Expoの会場での談話で「噂の存在は承知しているが、契約の問題があるためどのタイトルがそれにあたるかは話せない」と事実上ライセンスの引き上げがあることを認め、『セイラームーン』、『12国記』、『Beck』などのパブリッシャーであるTokyopopもNewsaramaの記事では「まだわかりません」みたいなことをいっているが、じつはこちらは現在事実上出版ラインが壊滅しておりコミックス出版から手を引くことがほぼ確実である。積極的に推し進めてきたOEL(Original English Language)マンガに関しても理不尽な契約の問題が表面化するなどかなりズタボロな状態で「相応の対価によってライセンスの買戻しがあるならありがたい」くらいな感じなのだろう。
TokyoPopのOELマンガの現状についてはNewaramaのこことこことこことかTHE BEATとかComics Worth Readingとかに死ぬほど関連記事があるみたいなんだが、まだちゃんと読んでないのでとりあえず保留。