あれこれ(こひつじと気になるあれやこれや)

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次世代のエネルギー

年初に思う事の二つ目は科学技術についてです。

昨年あたりから実用化に向けた取り組みがクローズアップされてきた「核融合発電」を取り上げたいと思います。核融合発電とは何ぞや、ですが、以下のITERがまとめた直近60年に及ぶ核融合発電についての歩みを見てみましょう。

www.iter.org

ITERとは燃焼プラズマの調査と実証を目的とした国際協力機関です。日本では「国際熱核融合実験炉」もしくは「イーター」と呼んでいます。

これらについては海外の研究機関や報道機関による記事がソースとなる場合が多いため、英文を読み込む必要があります。ただ、核融合発電に限定して考えた場合、それほど多くの表現や単語があるわけではないので、主なものを以下にまとめてみました。

1. 核融合の基礎用語

  • Nuclear Fusion(核融合): 軽い原子核同士が合体して重い原子核になる反応。

  • Plasma(プラズマ): 気体が超高温になり、イオンと電子が自由に動いている状態。

  • Deuterium & Tritium(重水素と三重水素): 燃料として使われる水素の同位体。

  • Isotopes(同位体): 原子番号は同じだが、中性子の数が異なるもの。

  • Ignition(点火): 外部からの加熱なしで核融合反応が持続する状態。

2. 装置と技術に関する表現

  • Tokamak(トカマク型): ドーナツ型の磁場閉じ込め方式の装置。

  • Magnetic Confinement(磁場閉じ込め): 強力な磁石を使ってプラズマを保持する手法。

  • Inertial Confinement(慣性閉じ込め): レーザーなどを使って燃料を一気に圧縮する手法。

  • Superconducting Magnets(超電導磁石): 強力な磁場を発生させるための装置。

  • Reactor Core(炉心): 核融合反応が起こる中心部。

  • Research milestone: 研究の節目・成果
  • Proof-of-concept: 概念実証

3. ニュースでよく使われる成果・指標

  • Net Energy Gain(正の純エネルギー利得): 投入したエネルギーよりも、発生したエネルギーの方が多いこと。

  • Break-even point: エネルギー収支が釣り合う点
  • Breakthrough(画期的な進展): 技術的な大きな飛躍。

  • Q-value(Q値): エネルギー増倍率。$Q > 1$ がエネルギー収支プラスを意味します。

  • Sustainable Energy Source(持続可能なエネルギー源): 環境負荷が低く、長期利用可能なエネルギー。

  • Commercial Viability(商業的実現可能性): 実験段階を超え、ビジネスとして成立するかどうか。

4. メリット・デメリットに関する単語

  • Carbon-free(脱炭素): 二酸化炭素を排出しないこと。

  • Abundant Fuel Supply(豊富な燃料供給): 海水などから燃料が取れるため、資源枯渇の心配が少ないこと。

  • Meltdown Risk(メルトダウンのリスク): 核分裂炉と違い、核融合炉では連鎖反応が止まりやすいためリスクが極めて低い。

  • Radioactive Waste(放射性廃棄物): 核分裂に比べて半減期が短く、量も少ないが、課題として挙げられる。

  • Technical Hurdles(技術的障壁): 実用化までに解決すべき困難な課題。

5. 物理現象と実験プロセス

より深い技術解説や、実験の成功・失敗を伝える際に出てくる用語です。

  • Containment / Confinement(閉じ込め): プラズマを一定の場所に留めておくこと。

  • Heat Dissipation(放熱): 発生した膨大な熱を逃がしたり、制御したりすること。

  • Self-sustaining Reaction(自律維持反応): 外部エネルギーなしで反応が続くこと。

  • Neutron bombardment(中性子爆撃): 反応で飛び出した中性子が炉壁に当たること。

  • Irradiation(放射線照射): 材料が放射線にさらされること。

  • Blanket(ブランケット): 炉心を囲い、熱を取り出したり燃料(トリチウム)を増殖させたりする層。

  • Divertor(ダイバータ): プラズマ中の不純物を取り除く排気装置。

  • Cryogenics(低温工学): 超電導磁石を冷やすための極低温技術。

6. ビジネス・投資・ロードマップ

近年、スタートアップ企業への投資が加速しているため、経済ニュースで頻出します。

  • Commercialization(商用化): 研究段階から、実際のビジネスとして普及させること。

  • Public-private Partnership(官民連携): 政府と民間企業が協力して開発を進める枠組み。

  • Venture Capital (VC) Funding(ベンチャーキャピタルによる資金調達): 核融合スタートアップへの巨額投資の文脈で使われます。

  • Grid Modernization(送電網の近代化): 核融合で得た電力を既存の網に組み込む課題。

  • Timeline / Roadmap(年次計画・工程表): 「2030年代までに実用化」といった文脈で登場します。

  • Regulatory Framework(規制の枠組み): 安全基準や法整備に関する議論。

  • First-of-a-kind (FOAK)(初号機): 理論ではなく、実際に稼働させる最初のプラント。

7. ニュースで目を引く比喩・形容詞

見出し(Headline)を飾る、ドラマチックな表現です。

  • The Holy Grail of Energy(エネルギーの聖杯): 究極の目標、理想のエネルギー源。

  • Man-made Sun / Artificial Sun(人工太陽): 核融合炉を指す最も一般的な通称。

  • Game-changer(ゲームチェンジャー): 状況を根底から変えてしまうような画期的なもの。

  • Clean-energy Milestone(クリーンエネルギーの金字塔): 歴史的な節目となる成果。

  • Near-limitless(ほぼ無限の): 燃料の豊富さを強調する際に使われます。

 

これらの単語や表現を押さえたうえで、昨年秋にIAEAが出したトレンドウォッチを見てみましょう。

www.iaea.org

記事によると、これまでの研究開発の成果で実用的な利用に向けた技術が実現しつつあり、民間の投資額増大もそれを裏付けている(ビジネスになる)とのことです。現在実用化している原子力発電の抱える放射性廃棄物処理や事故・災害などの課題についても核融合発電は解決策を示すことができるとともに、半導体や宇宙分野などと並び国家レベルで戦略的に取り組む必要があると考えます。核融合発電の技術を持つか持たないかが国際競争力に大きく影響してくることでしょう。是非とも積極的に取り組んで欲しいところです。

 

おまけで、核融合発電について説明する動画も載せておきます。

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長きにわたって「未来の技術」であった核融合発電が、今回は本当に実用に向けて動き出していると感じます。今年のトレンドの一つとして関心を持って見ていきたいと思います。