マスキングが苦手。段差がイヤ。マスキングテープの断面近くに絵具が溜まって、厚みが変わるのが許せない。ヘタクソな筆塗りの塗り分けのほうが、「味わいがある」と言えるだけマシ。
あと、マスキング切り抜きは一発勝負すぎる。筆塗りなら何度も塗り分けを整えつつ、完璧なカーブにできるのだが、マスキングだと切り抜きのチャンスは一回限り。不器用にギザギザっぽくなってしまう。マスキングを剥がした後は段差があるから、修正すると見苦しくなるし。
とはいえ、面倒な塗り分けをハズキルーペ越しに全部筆描きするのはめちゃくちゃしんどいし、時間かかりすぎる。塗装を「イヤな作業」と思いたくない。
とりあえず、段差を見えなくするには、ニスを厚く塗る手がある。不器用なギザギザは、ゆっくりやれば何とかなる。マスキングに不向きなリキテックスで、マスキング塗装が鑑賞に耐えるものになるのか、テストしてみた。
・厚紙にマスキングして塗り分けテスト
右はリキテックスの保護ニス「ハイグロスバーニッシュ」を一度塗っただけ。左、ファレホのバーニッシュを何度も塗って分厚くしたら、確かに段差が消える! バーニッシュの表面で光が反射するので、下の絵具の反射が目立たなくなる。トップコートを分厚く吹けば大丈夫かも。
・次に、立体に試してみる。普通にマスキングして、リキテックス塗り分け(雑w)。
境界に絵具がたまらないように多少は気をつけても、やはり段差が目立つ。で、細かいスポンジサンドペーパーで、境界の段差を中心に軽く磨いてみると……段差がほとんど気にならなくなった!
リキテックスは粘り気が強くて削りにくいけど、アクリルガッシュを混ぜれば削りやすい。磨いた部分が擦れて白っぽくなってたりするけど、トップコートすれば平気。
以前、ラッカーで同じように段差削りを試したことあったけど、塗膜が薄くてすぐ下地が出てしまい、まったくダメだった。リキテックスの場合、塗膜が分厚いから削っても下地が出ない。もし削りすぎても、ザッと上塗りすればいいし。
・トップコートを吹いてみた。
段差、ほとんど消えた。水性プレミアムトップコートスプレーを、7回くらい吹いた。4回くらいだと、マスキング段差がちょっと浮く。ピンク部分の紫色の汚れは、サンドペーパーした粉を拭き取ったときに染まったもの。本番では修正上塗りするから問題ない。
イケそうだ。
突然、何を始めたのかというと、立体をどんどん作りたいのに、時間がかかりすぎるのが苦痛。筆で塗り分けするこだわりを捨てて、マスキングを取り入れたら、1週間かかる下地作り〜塗装を2〜3日でできるようになるんじゃないか? っていう期待。
他にもいろいろ材料を取り寄せ中。リキテックスの新製品や、画期的なニスなど。
【吉井 宏/イラストレーター】
http://www.yoshii.com
http://yoshii-blog.blogspot.com/
ニスとバーニッシュって、どう違うんだろ? ……Wikipediaによれば、「英語の『Varnish』が日本語に移入される際に『ワニス』と訛り、さらにその語を短縮して『ニス』と呼ばれるようになった。」!!
バーニッシュとワニスとニスは、同じだった!
ワニスは絵画修復で剥がしてたりする油絵を保護するやつで、ニスが工作に使う安いやつ、バーニッシュはその高級なやつ、というイメージだった。知らんかった〜!w
「トップコート」も同じく表面保護の透明塗料。検索すると、主にマニキュアやネイルの上塗り材として出てくる。
○吉井宏デザインのスワロフスキー
・十二支(丑年)OX
https://bit.ly/37gbNEN