グラフィック薄氷大魔王[103]iPod touchと無線LANサービス
── 吉井 宏 ──

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なんだこれは〜〜っ!! 反則だろ〜っ! て感じ。いったいどこまで底なしに物欲を喚起できる企業なんだ、Appleは。
< http://www.apple.com/jp/ipodtouch/
>

つまり、iPhoneから電話機能をはずしたもの(カメラも省略され、厚さは11.6 mmから8mmに薄くなってるらしい)。割と最近30GBiPodを買ったばかりだし、iPhoneが来年にでも日本登場したらカブリまくりなので今すぐポチッとはしないっていうかしちゃいけないと理性では思うのだが、いいな〜これは。


あのiPhoneタッチスクリーンで、大きなディスプレイで、無線LANでiTunesストアから曲を買えて、文字入力できて、Safariでネットができて……。Gmail等ネットサービスを使う前提なら、電話機能がなくてもすでに最強のモバイルデバイス。はやく体験したい。このサイズのディスプレイなら、映画だって十分見れるし、自分のアニメーションを持ち歩くのも楽しそう。うむ〜。ほしい。

スタバなどでくつろぎながらネットを見たりメールを書いたりiTunesストアで試聴したり買ったりという、夢のようなことが可能に。と思ったら、USではそのまんまのキャンペーンやってるみたい(日本のスタバでの展開は絶望的との説が)。
< http://www.apple.com/itunes/starbucks/
>

「反則だろ〜っ」て書いたのは、iPhoneサービスが始まってない地域の人でiPhoneに興味のある人はまずiPod touchを買うだろうし、サービスが始まったらiPhoneも買うに違いない。サービス開始の時間差という正当な理由をもってほぼ同じものを二回買わせることが可能ってこと。おまけに、電話会社を乗り換えられなくてiPhoneを断念した人でもiPod touchなら大手を振って買える。

まあ、無線LANがいつも使えればの話なんだけどね。最近まで某無線LANサービスに一年以上入ってたんだけど、喫茶店でつながったのはたったの一回だけ。いろんな会社の無線LANサービスを調べてみるものの、使える範囲って異様に狭くないですか? たぶん、会社の近くや通勤の通り道やいきつけのカフェなど、寄り道する場所が比較的決まっている人が利用するものなのだろう。僕の場合、週に一度の渋谷以外にはほとんど決まった行き先がなく、おまけに近所のスタバに無線LANはない。

どこのサービスがいちばん普及してるのかな? VAIO Type Uを持っていたとき(とっくの昔に手放しました)、無線LANの電波を探して街をうろうろしてみたら、特に目立っていたのはYahoo BBだった。マクドナルドにはだいたいあるらしい。でも山手線内に限っても、路上のどこでも通じるにはほど遠い感じ。複数の無線LANサービスをまとめて格安で使えるサービスもあるけど、それでも足りない。iPod touchではストレスたまりそう。3Gケータイの電波でiPhoneが使えるようになるのが待ち遠しい。

しかし、あのタッチスクリーンのインターフェイス。iPhone登場のときには、「どうせ日本じゃまだ先の話」とデモムービーなどあまり真剣に見てなかったのだが、ちゃんと見たところ、なんか思わず涙があふれる感じになってしまった。これがユーザーインターフェイスってもんだよねえぇ〜。指先でちょんちょんつーっ、だけで思い通りに操作。デモムービーだから割り引いて見なきゃね、と思ったら、日本で入手した人によれば実際このように快適に動くらしい。このインターフェイスを応用したタブレットMacがぜったい登場するだろうな。登場しなきゃおかしい。筆圧感知しないと絵が描けないとか、そんなのもうどうでもいいから、こういうユーザーインターフェイスのタブレットMacを出してくれ〜。

ところで、他のiPod。今までのスタンダードiPodに相当するiPod classic、おいおいおい〜〜160GBって……。先日、80GBモデルじゃどうせ全部入らないんだからと、30GBモデルを買っちゃったのは薄さにも惹かれたんだけど、160GBなら全部の音楽を持ち歩ける。中身を入れ替えしたり選んだりする必要がない。魅力的だなあ。ムービー再生可能なiPod nano横幅もイイ。かわいい。これはこれで別にほしい。

《追記》
原稿を送信して出かけたら、偶然にもiPhoneを持ってるアメリカ在住のCGアーティストと同席のチャンス! みんなで取り合いになるほど大人気。僕もさわらせてもらった。タッチパネルの使い勝手はデモムービーのとおり素晴らしいものだった。初めてさわったのにどこに何の機能があるか見た瞬間に理解でき、迷わずスムーズに操作できるってすごいことだ。慣性のついた一本指スクロールや二本指ズームもあまりに自然な操作で、従来の携帯電話やPDAのインターフェイスを思い起こすと、今までペテンにかけられていたような気分。

厚さ11.6mmは意外なほど薄かった。8mmのiPod touchは、とんでもなく薄く感じるんじゃないかな(ちなみに初代iPod nanoが7mmくらい)。アルミ素材はいい感じにくすんでいて、「人間が使う道具」という雰囲気が出てる。ゴリゴリにかすり傷をつけて使い倒してみたい。

【吉井 宏/イラストレーター】[email protected]

「iPod cube」の画像。
< http://graphic.pastel.co.jp/yoshii/archives/2005/02/tdw_1334.html
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他に、スクロールホイールが左右に二つある「iPod dj」、上下2面のディスプレイで「iPod DS」、たくさんつないで大容量2TBの「iPod raid」、画像処理ソフトを搭載した「iPod retouch」、南野陽子バージョンの「iPod nanno」、などがあります。ないです。

HP < http://www.yoshii.com
>
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
>