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  • 2024年ベスト映画

    2024年はなんだかんだいろいろと素敵な作品に出会えたので、まとめてみる。 まずは映画編。 劇場公開編 ドゥーム・ジェネレーション ヒューマニスト・ヴァンパイア・シーキング・コンセンティング・スーサイダル・パーソン 既発編 薔薇のようなローザ 連隊長レドル(レードル大佐) 劇場公開編 ドゥーム・ジェネレーション The Doom Generation (1995), グレッグ・アラキ監督 よく行く映画館のウェブサイトをスクロールしてたらたまたま目に入ったので鑑賞。無知なことにグレッグ・アラキ監督の存在を知らなかった。 結果ドンピシャでした。「ヘテロセクシャル映画」とわざわざ銘打っているだけあっ…

  • ジェーン・バーキン「18-39」和訳

    ジェーン・バーキンの「18-39」を和訳してみた。 www.youtube.com ノリが良くて気に入っていたが、歌詞を見たらルイ=フェルディナン・セリーヌの世界観だと気づいた。『夜の果てへの旅』のミュジーヌあたりが歌っていそう。セリーヌには「敗残の巨人」「呪われし暗黒世界」的陰惨なキャッチコピーがつけられているが、意外とセリーヌ作品は明るく騒々しく、残酷だが楽しくもある(のでみんな読もう。『戦争』はフランスで『ONE PIECE』より売れたよ!) おそらく作詞者はセリーヌを含意してはいないだろうが... タイトルは第一次世界大戦の終結(1918年)と第二次世界大戦の開戦(1939年)までとい…

  • 映画 La Révolution Française(1989)感想

    フランス革命映画の代表作といって良いはずなのに、フランス革命に関心が高いはずの日本ではなぜか未だ(2024年11月)未公開・未配信/ソフト化のLa Révolution Française (1989、通称LRF)。欠点も少なくないが、現時点でこれが革命映画のベストだと思う。 www.youtube.com www.youtube.com 英語字幕付きでyoutubeに公開されていた。

  • 原作読んだ後のアンジェイ・ワイダ『ダントン』感想

    アンジェイ・ワイダの『ダントン』は一年ほど前に感想を書いた。一時期は「好きな人物をめちゃくちゃに描きやがって」「バイアスかかりすぎやろ」とクソ映画扱いするほどに恨みを抱き、原作の戯曲を読んだあとは「原作とも違うじゃないか」と憤りを高めたが、改めて見返すと「これはこれで良いんじゃない?まあ宣伝文句は全く合ってないが」くらいの気持ちに落ち着いた。同じくワイダ監督の『約束の土地』を観て「この監督の映画そのものはむしろ好きでは?」と気付いたのも要因の一つではあるのだが。 (そういえば、最近(2024年7月)この映画の映像ソフトが安くなっていた。この記事では文句ばかり言っているものの、絶版する前に買う価…

  • スタニスワヴァ・プシビシェフスカ『ダントン裁判』感想

    スタニスワヴァ・プシビシェフスカ『ダントン裁判』の英訳版を読んだ。 nupress.northwestern.edu アンジェイ・ワイダ監督の映画『ダントン』の原作だが、映画化にあたりかなり改変を加えているため共通しているのは3割程度だろう(体感)。 プシビシェフスカはポーランドの劇作家でロベスピエールの熱狂的崇拝者だった。作者は幼い頃からこの人物に魅力を感じていたらしいが、作品では20世紀前半にロベスピエール再評価(と裏返しのダントン批判)を進めた歴史家アルベール・マティエの影響を大いに受けている。 台詞回しの巧みさや深刻な物語に笑いどころを付け加えるユーモアセンスなどが優れた文学作品であり…

  • ピーター・マクフィー「ロベスピエール」感想

    はや3ヶ月このブログを放置していた。tumblrの居心地が良かったので... とはいえ日本語で長文を書くのはここの方が良さそう。 www.kinokuniya.co.jp ロベスピエールは極端に評価が分かれる歴史人物の一人だ。「恐怖政治を率いた人の心がない残酷独裁者」と、フランス革命を否定する文脈では悪の象徴の如く扱われる。一方で熱心な支持者やファンも多く、著者によれば「ロベスピエールに関して肯定的な評価を下す伝記に共通する前提は、彼のすべての行動は、反革命に対する適切で必然的な反応であったというものだ。(p. 15.)」という。著者のピーター・マクフィーはロベスピエールに一貫して同情的なスタ…

  • 『阿寒に果つ』と「よみがえれ!とこしえの加清純子 ふたたび」展

    www.amazon.co.jp 雪に埋もれ眠り、凍りついて死ぬという象徴的なイメージ。 好きな小説なのに、何か書こうとするとどうしても筆が止まってしまい三年くらい放置していた。今ならまとまったことが書けそうなのでキーを叩いている。 純子の姉、蘭子が妹に対して抱くのは嫉妬だと語り手は述べるが、純子の死への罪悪感も彼女は抱えていたのではないかと私は思う。恋愛的な意味での「一番の愛」は誰にも抱いていなかったのかもしれないが、純子は何だかんだ姉のことは大切で心を開いていたように思う。純子にとって蘭子は帰る存在であり、安心して眠れる場所だったように思う。駒田から金をもらっていた告白も、姉が彼とすっぱり…

  • 本当は暗い文学キャノンの世界 (あるいはAO3のレーティング)

    拙い英語でAO3 (Archive of our own, グローバルな小説投稿サイト) にたまにファンフィクを投稿している。ファンダム自体マイナーだしそれほど見られていないのだが、「いいね (kudos)」やコメントがつくと嬉しい。 このAO3に投稿するにあたってほぼ毎回頭を悩ませているのがレーティング/年齢制限だ。Pixivなど日本発の創作プラットフォーム(この呼び方で良いのか)はR-18 (あるいはR-18G)または全年齢かの区分のみだが、AO3は General: 全年齢向け Teen and up: 13歳以上 Mature: 16歳以上 Explicit: 日本のR-18と同義*1…

  • 2023年・私的ベスト映画5選

    2023年は映画を見た一年だったので、印象に残った作品をまとめる。新作として映画館で見た映画に限った。また順位はつけたくなかったので、紹介順は順不同である。 私、オルガ・ヘプナロヴァー Pearl/パール テス (4Kリマスター版) 野球どアホウ未亡人 ロスト・キング 私、オルガ・ヘプナロヴァー この1年、いやこれまで見た映画の中で最も影響を受けた作品だ。初鑑賞後に映画館を出てから今まで、映像やオルガの目線,、個々のエピソードや言葉が心に焼き付いて離れることがない。特に夜の森の暗闇を車で走り抜ける彼女のシークエンスはある種の原風景のように私には感じる。同情や共感を拒絶する作風だとは思うが、それ…

  • 墓の彼方からの愛とクィアな欲望―ミシュレ『革命の女たち』

    このブログでデタラメだ作り話だと何かにつけ批判しているジュール・ミシュレのLes Femmes de la Révolution (1854)(邦訳『革命の女たち』なおネットで公開されている。)だが、文学作品として面白いのは否定できない。 オランプ・ド・グージュのイメージ受容に関するドイツ語の論文によれば、本作品で描かれる女性たちは「ミシュレが理想に従って作り上げたもので、実在の人物とは何の関係もない*1」。だから私がいちいち文句を付ける必要もない。とはいえ、この本のせいでガブリエルやルイーズ*2はなんの面白みもない「平凡な妻や母」「可哀想な人」として扱われがちだ。私はそれが腹立たしい。 さて…

  • 『野球どアホウ未亡人』"野球"の快楽に堕ちてゆけ(ネタバレあり)

    ※大いにネタバレしています。 先日、刈谷日劇で『野球どアホウ未亡人』を観た。 youtu.be この映画を知ったきっかけはfilmarksの「近日公開映画一覧」だった。妙にインパクトのあるポスターとタイトルに目が釘付けになった。 なんてったって「野球」で「どアホウ」で「未亡人」である。「どアホウ」なんて言葉、人生で使ったことあるか?「未亡人」なんて言葉、最後にいつ聞いた?それが「野球」と組み合わされている。冗談と野球が好きな者として、観るしかないと思った。 刈谷日劇は意外と近かった もっとバカ笑い系のコメディかと思ったら、予想以上にシリアスで芸術性が高い(ように思えた)。 ポスターから想像され…

  • ガブリエル・ダントンを掘り起こしたのは誰か?

    ジョルジュ・ダントンの妻であるガブリエル・ダントン(旧姓シャルパンティエ)が有名になったのは、死後一週間後に遺体が墓から掘り起こされ、その時に取られたデスマスクをもとにした胸像が制作されたからである。おかげで彼女の人物像は誰も知らないのに、彼女が死んだことや死んだときの顔はよく知られているという奇妙な状況が生まれた。 これが問題の胸像。石膏製だが、ブロンズ製バージョンも残されている。 1793年8月10日に開催されたサロンの目録にも「死後一週間後に掘り起こされ型どられたCitoyenne Dantonの胸像」が載っているので、彼女の遺体が掘り起こされたことは事実だと考えて良いだろう。 通説では…

  • 歴史には善人も悪人もいない『ロスト・キング 500年越しの運命』

    映画の『ロスト・キング 500年越しの運命』を見た。 歴史好き、特に ・毀誉褒貶が激しい人物が好き/興味がある ・史料が少なく、どんな人だったのかよくわからない人物が好き/興味がある ・歴史創作好き におすすめしたい。 この世にはいい人も悪い人もいない 歴史人物のルッキズム 史実と歴史創作の関係 フランス革命も似ている この世にはいい人も悪い人もいない この映画のテーマは「不当に蔑まれた(ている)人物の再評価」だが、同時に「実際の人物像を超えた過剰な美化」にも警鐘を鳴らす。 「歴史は勝者が書き換える」というフレーズは正しいかもしれないが、チューダー朝寄りの主流派のみならず、リチャーディアンもま…

  • リュシル・デムーランの日記 (Journal 1789-1793) とその写し間違いについて(追記: mastodonアカウントの話)

    革命家カミーユ・デムーランの妻で、自身もギロチンで刑死したリュシル・デムーラン(デュプレシ)の日記を読んだ。ダントンの最初の妻であるガブリエル・シャルパンティエに関する信頼できる一次資料は親しい友人だったリュシルの日記と手紙しか今のところ存在しなさそうなので。 とりあえず、8月10日事件に関する記述に関して、リュシルやカミーユ、ダントンなど様々な従来の伝記における引用には写し間違いがあることが判明した。そのせいで、その中で描かれるガブリエルの人物像は誤りに基づいて構築されているため、実際の人物像とは異なる可能性が明らかになった。 8月9日にリュシルはダントン宅を訪れたのだが、従来の伝記(例えば…

  • ジョルジュ・ダントンから妻ガブリエル宛の手紙(1792年12月17日)―和訳と考察

    今年(2023年)3月にオークションにかけられた、革命家ダントンから妻ガブリエル・シャルパンティエ宛ての手紙を日本語訳した。同じオークションに出品されたロベスピエールが妻を亡くしたダントンに宛てた手紙はやたらと注目されたのに、亡くなったガブリエルを誰も気にかけないのがあまりに悲しかったので。 原文はオークション開催元(?)のサイトで公開されているものを参照し、適宜英訳版も参考にした。原文の注は読みやすさを優先して編集しつつ本文に[]で挿入し、訳者による注はブログの脚注コマンドを使用した。 手紙なのでかなり意訳したが、原文の意味を捻じ曲げないようには心がけた。18世紀の文章に関しては素人なので、…

  • 笑いながら暗闇を駆ける― 極私的断章『私、オルガ・ヘプナロヴァー』

    サイコパスでも、私には見識がある。 どうして自分の身に起こることが何もかもうまく行かないという理由で、周りを傷つけてはいけないのか。 いつか嘲笑と私の涙を償わせる。 二人で一つになれることはそんなに高等か。なれない人間は出来損ないか。なのにどうしてもう一人を求めてしまうのか。 社会は私とは関係がない。虚無を認めてしまえば放っておいてくれたのに。なのにどうして社会を求めてしまうのか。 あなた方は良い友だちだ、だがもはや私はあなた方の届かない所にいる。 そもそも人が誰かを救うなんてことが可能なのだろうか。 名もなき自殺者にはならない。 どうして気乗りがしないからという理由だけで、学校を休むことは許…

  • アレクセイ・トルストイ『ダントンの死』感想

    有名な『おおきなかぶ』の作者でもあるロシア(ソ連)の作家アレクセイ・トルストイによる、ビューヒナー『ダントンの死』の翻案 (1919)。 存在はずっと知っていたが、戦前出版で図書館によっては貴重書扱いされているらしいので読むのは諦めかけていた。だがなんと国会図書館デジタルコレクションで読めた。しかも登録不要で。 dl.ndl.go.jp 概観 ロベスピエールとサン=ジュストのカミーユ・デムーラン評 ルイズの自我 心情はよく理解できるが、それでもどこか「コレジャナイ」ダントン その他 戯曲の成立過程

  • 『1789 バスティーユの恋人たち』2023星組ライビュ感想

    書こう書こうと思っているうちにもう革命記念日が到来してしまった。 先日(7月2日)、宝塚歌劇団『1789 バスティーユの恋人たち』のライブビューイングを観に行った。一瞬だけ宝塚大劇場に行ってみようかな?とはじめは考えたが、超人気だったらしいので断念して映画館でのライビュを選択した。 筆者は現在宝塚歌劇とは縁のない生活を送っている。親会社が阪急グループということで、「阪急ブレーブス*1?」と思ったり、現在は阪神タイガースと同グループで年始には阪神の選手と団員が並んでポスターになると聞けば「直球破壊王子*2は出るのかな。(※出ません)江越*3は羽根背負ったことあるのかな(※ありません)」と思ったり…

  • オシップ・ルニッチのカミーユ・デムーランについて語りたい。

    今日はカミーユ・デムーランがパレ・ロワイヤルのカフェ・ド・フォワで「武器を取れ!」と演説した日である。 というわけで、今日はとにかく私にとってのベスト・カミーユである『怪傑ダントン』のオシップ・ルニッチについて語りたい。 映画のあらすじや感想はすでに書いたので、今回は萌え語りに徹している。またダントンとの絡みは前にたくさん書いたので、今回は極力それ以外の場面を取り上げる。この記事でもかわいいカミーユについてたくさん書いたので、興味がある方は画像だけでも見てほしい。 heartshapedcoffin.hatenablog.com ルニッチ・デムーランの良いところその1: 笑顔 ルニッチ・デムー…

  • クラスTシャツの亡霊

    何度も書いているが、私の通っていた高校は校則が厳しかった。学祭も同様であり、「祭」のはずなのに制約が厳しすぎ、祝祭要素をどこで見つければ良いのかわからなかった。当然服装も制服オンリーである。さて、他の高校ではクラスTシャツなるものが制作され、学祭や体育祭で着るらしいという話を知った私は非常に憧れた。私だけではない、多くの同級生が憧れていた。制服は重苦しく身体を縛っていたので、単にTシャツを着たかったという気持ちもある。 今考えれば文学に親しみ厭世を気取っていたくせして私はクラス行事を楽しんでいた。毎年の担任には「ルークシュポールさんはクラスを引っ張ってくれていて頼もしい」と書かれていた。当時は…

  • あの子は弱いからこそ強いんだ- ロマン・ロラン『ダントン』感想

    今回はロマン・ロランの戯曲『ダントン』の感想。 同じ題材でもビューヒナー『ダントンの死』やアンジェイ・ワイダ監督の映画『ダントン』(原作はスタニスワヴァ・プシビシェフツカの戯曲)の影に隠れている感の強い(そもそもロマン・ロラン自体最近の日本のフランス文学界で影が薄い)この戯曲だが、フランス革命に興味がある人にとっては面白いのではないか。もちろん文学史的価値としては「フランス革命劇」連作における「民衆の声の重要性」などの方が高いんだろう。だがこれはアカデミックな書きものではないので自由に語る。 ダントンは何をしたかったのか? 弱き者の絶望の叫び リュシル・デムーランは「軽薄で愚かな良妻」か? そ…

  • 名古屋シネマテークの閉館に寄せて

    名古屋・今池にあるミニシアター「名古屋シネマテーク」が閉館するという。私はこのニュースが報道された日に、知らないままこの映画館に行ったので余計衝撃を受けた。いやテレビ局のカメラが入ってゆくのは見たのだが、「新作映画の監督でも来たのかな」と思っていた。しかし実際は閉館報道だったのだ。 私にとってシネマテークは「かゆいところに手が届く」映画館だった。インターネットで見つけて「これ観たいけど、東京以外でやるのかな」と諦めかけていた映画や、封切り時に見逃して「やっぱりスクリーンで観たい」と思っていた映画、そもそも生まれる前に公開され映像ソフトが手に入りづらい映画も心を読まれているのではないかと訝しむく…

  • ブラック校則レジスタンス?-ビューヒナー『ダントンの死』

    その誠実な連中ってのが我慢ならなかったんだ。ああいうそっくり返った謹厳居士たちを見てると、蹴っとばしてやらずにはいられなくなるんだ。僕の生まれつきの気性がこうなんだからな。(p. 136) 『ダントンの死』は個人的思い入れの強い作品なので、まずは思い出話から。 ブラック校則なんて吹っ飛ばせ 友情,死,生,リュシル Who is Julie? ブラック校則なんて吹っ飛ばせ 私の学校はブラック校則にほぼ当てはまるような厳しい校則があった。(「ブラック校則」という言葉で束縛の激しい校則が問題視されるようになった3年くらい前の話だ)もっと我慢できなかったのは、過度な制約を受け入れるばかりか他人にも従う…

  • 虚無の「英雄」と女性の声 - 『ダントン』(1983)

    映像ソフトを購入したものの長らく見れていなかったアンジェイ・ワイダ監督の『ダントン』(1983) をやっと鑑賞できた。 反「英雄」的ダントン像 女性の声と抵抗 ウィークポイント 監督:アンジェイ・ワイダ 出演:ジェラール・ドパルデュー(ダントン)ヴォイチェフ・プショニャック(ロベスピエール)パトリス・シェロー(カミーユ・デムーラン)アンゲラ・ヴィンクラー(リュシル・デムーラン)etc. filmarks.com

  • エドガー・アラン・ポーの美女再生譚シリーズ

    エドガー・アラン・ポーの「ライジーア」「モレラ」「ベレニス」「アッシャー家の崩壊」「エレオノーラ」と、死んだ(と思われ)埋葬された女性が様々な形で甦る一連のシリーズを読んだ。死んだ女が蘇るとか、墓が掘り返され棺が開けられるとか、そういう話が大好物だ。なのでこのブログも3記事連続でそういう話題ばかり書いている。 上記5作品の結末に触れているのでは留意してください。それ以外の作品のネタバレはしていないはずです。 ライジーア モレラ ベレニス アッシャー家の崩壊 エレオノーラ

  • 『ナポレオン獅子の時代』フランス革命編感想

    大仕事が一段落したので約10年前に5巻までで止めていた長谷川哲也『ナポレオン獅子の時代』(と『覇道進撃』)をまた読もうと思って、とりあえず持ってる5巻までを読み直していた。フランス革命は5巻までで大体終わりかな?(現在7巻まで進みました。先は遠い。) 2/12追記: 獅子の時代全15巻読み終えました。2月中に覇道進撃入るつもりです。 死によって完結する究極の愛? 史上最強「ではない」ロベスピエール デムーランの扱いの謎

  • ベン・ハリスン『死せる花嫁への愛』ロマンティックとブラックコメディの間

    本を読んでこんなに笑ったのは久しぶりかもしれない。 『死せる花嫁への愛―死体と暮らしたある医師の真実』|感想・レビュー - 読書メーター ベン ハリスン『死せる花嫁への愛―死体と暮らしたある医師の真実』の感想・レビュー一覧です。ネタバレを含む感想・レビューは、 bookmeter.com 放射線技師で自称医師のカール・フォン・コーゼル(カール・タンツラー)が、恋した女性エレナの遺体を死後2年後にエンバーミングした上で共に7年暮らしていた実際の事件について書かれたノンフィクションだ。事件自体の概要はこちらを見るとわかりやすい。(リンク先はエレナの遺体の写真が登場するので苦手な方は注意。ちなみにこ…

  • ロックンロール・ハイスクール(1979)-音楽の歓びとユートピア

    ※ネタバレ注意!!初めて見た時、人生最高の映画だと思った。再び見ても、やはり人生最高の映画だ。 Rock 'n' Roll High School (ロックンロール・ハイスクール) 監督:アラン・アーカッシュ製作総指揮:ロジャー・コーマン出演:P・J・ソールズ(リフ)デイ・ヤング(ケイト)ヴィンセント・ヴァン・パタン(トム)メアリー・ウォロノフ(トーガー校長)ラモーンズ(本人)etc. 名古屋シネマテークで鑑賞。誰もいなかったら踊りながら観ていた(なんとか我慢した)この映画には音楽に触れた時の歓びや陶酔、魔術としての化学、棘はあるがとにかく愉快なブラックユーモア、圧政を敷く学校の破壊など、私の…

  • 怪傑ダントン(1921) - 神様あの子を奪わないで

    後半の方は妄想になってしまいました。嫌な予感がする方は読まないでください。今回紹介するのはフランス革命を描いた1921年のサイレント映画、『怪傑ダントン』である。実はかなりフランス革命、特にこの裁判周りが好きなのだが、いったん熱が沈静化していたのでnoteではあまり書いていない。しかし最近再発したので、グダグダと感想を書いた。 Danton(1921) 邦題「怪傑ダントン」※アメリカでのタイトルは"All for a woman"だったらしい。他にも「ギロチン」(ソ連)「マルセイエーズ」(スウェーデン)「The loves of mighty」(イギリス?)のタイトルで公開されたこともあるらし…

  • 白い布-布の庭に遊ぶ 庄司達

    白い布は心を落ち着かせる。シーツはいつも真っ白だし、白い服を来ていると心がまっさらになったように感じる。白い布を見ているうちに心身ともに包まれたような心持ちになり、傷ついてざらついた痛みを叫ぶ魂も癒やされた。布の庭にあそぶ 庄司達 @名古屋市美術館色々なことが重なり心がささくれだっていた。暗いニュース、といえども戦火や事故のような明らかな悲劇ではなく、議論や、むしろ誹謗中傷の的になりがちな「問題提起」的なニュースを見るたびに腹を立て、野球の結果に対しても血圧を上げていた。挙句の果てには鏡に映る自分の姿を罵り続けていた。自分の身体を愛せないのは以前からのことだし、今後も愛すことは金輪際ないだろう…

  • 瓶の香水を買った話

    ついに瓶で香水を買ってしまった。État libre d'OrangeのLa Fin du Mondeである。「キャラメルポップコーン」と形容されているのを度々目をするが、私の肌では香ばしさに加えスパイスが強く出てそこが気に入っている。最後に肌に残る甘い香りがたまらない。「世界の終わり」という名前もたまらない。半分は名前につられて好きになったのかもしれない。この香水の名前や香りについては2年前?に書いていた。 香水は迷惑、香害とみなされると思いこんでいたので今まで5ml程度のサンプルサイズしか手が出せなかった。しかし色々なことがあり、「つけすぎとTPOのみ注意を払えば好きな香りをつけるべきだ」…

  • 2021年/砂の時代

    2021年もそれなりに映画は観たが、映画館ではやたらと砂を見た気がする。数えてみると砂が印象的な映画は3つあった。占いでは「水の時代」に入ったそうだが、私にとって2021年は「砂の時代」だったのか?※ネタバレ注意。またホドロフスキー以外は全て映画館で見た。ドリームランド 開拓時代のアメリカが舞台。マーゴット・ロビーが銀行強盗犯アリソンを演じていた。舞台設定は魅力的だが、ストーリーにあまり面白みが感じられなかった。特に主人公ユージンが人を撃った後パニックになったくだりにツッコまざるをえなかった。「わかってて銀行強盗したんじゃないのか?」アリソンが気の毒になってしまった。ただしユージンが家出した日…

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