3/24に発売された「オンラインゲームを支える技術」は、ウェブエンジニアも必読の本だと思います。(しばらくAmazonでも在庫切れになっていたようですが、今は復活しているようです。)
オンラインゲームを支える技術 ??壮大なプレイ空間の舞台裏 (WEB+DB PRESS plus)
- 作者: 中嶋謙互
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2011/03/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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本書で扱う領域は、目次を一瞥するだけで分るように非常に多岐に渡っています。主な項目として、「オンラインゲームの企画で考えるべきこと」から「実際のアーキテチャや使うべき技術」「プロトコルの設計と改善方法」「インフラの選択・構築方法」「必要となるエンジニアのリソースの見積りや共同開発手法」までカバーされており、まさにオンラインゲームで必要となる技術的課題が全て網羅的に盛り込まれていると言っても、過言ではないと思います。
私も「大規模サービス技術入門」という本を書きましたが、このレベルでの網羅的な記述はできておらず、筆者の@ringoさんに脱帽です。筆者の@ringoさんは、これまでにオンラインゲームの開発や、そのミドルウェアを開発された方です。本書には、その確かな経験に基づくノウハウが惜しみなく注がれており、具体的な話が非常に興味深いです。例えば、
などが詳細に解説されており、これまでの経験が凝縮されていると感じます。その他にも多数、興味深い所があります。
現在のウェブサービスでも、WebSocketが目指しているリアルタイムウェブ技術では、処理のリアルタイム性が求められており、まさにこれはオンラインゲームが90年代から脈々と構築してきた技術です。
現在、ブラウザ上のソーシャルゲームや、スマートフォン上のゲームが急速な勢いで発展しており、これはオンラインゲームの技術を積極的に吸収していっています。また、ゲーム以外のウェブサービスにおいても、TwitterやFacebookのインターフェイスが実現しているようなリアルタイム性が一般的なサービスにおいても、ますます求められるようになっています。今後は、ウェブサービスでもオンラインゲームの技術が役に立つ場面が徐々に広がり、さらにその上で新しい技術とサービスが育ってくることになると思います。
10年後も生き残りたいウェブエンジニアは、是非本書を読んでみるべきだと確信します。